農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、つるありインゲンのコンパニオンプランツ栽培について、ご案内いたします。
インゲンのコンパニオンプランツは、ナスやサツマイモ、トウモロコシなどが挙げられますが、今回は、インゲンの株元に作られる日陰を利用して、ルッコラ・ミズナ・カブなどのアブラナ科野菜を育てる方法をご紹介いたします。
空間を有効に利用できる栽培法ですので、参考になさってください。
※ 画像はイメージです
インゲンの原産地
インゲンの原産地は、中米から南米にかけての樹林帯で、木漏れ日が差す半日陰の環境で、ポツポツと原種が自生しています。
原種のインゲンは、地面を這い、樹木に当たると絡まりながら登って育つツル性の植物です。
熱帯雨林は養分が乏しく痩せた土壌のため、植物が育ちにくい環境ですが、インゲンは根に共生する根粒菌から窒素分をもらい、また、菌根菌ネットワークからも必要な養分を得るなどして生長して子孫を残します。
インゲンのコンパニオンプランツにアブラナ科野菜を利用する理由
ツル性のインゲンは、支柱とネットを這って上に伸びてゆきます。
すると、インゲンの株元に日陰がつくられます。
この空間に、ルッコラ、カブ、ミズナなどを育てます。これらの野菜は半日陰を好んで育ちますので、つるありインゲンとの混植が好都合です。
空間を有効に利用できる!つるありインゲンのコンパニオンプランツ栽培
種まきの時期
つるありインゲンと、コンパニオンプランツ(アブラナ科野菜)の種をまく時期は、中間地で6月下旬頃です。
畝の準備と種まき
インゲンの原産地をイメージして、広めの畝にゆったりと植えて育てます。
1.幅90cmほどの畝を立て、合掌型の支柱を立てます。
2.インゲンの種を1か所に2粒ずつまき、株間約60cm、条間約70cmの2列植えにします。
4.株間にアブラナ科野菜(ルッコラ・カブ・ミズナなど)を、バラまき、または条まきします。
5.種をまいた後、ネットを張ります。
6.アブラナ科野菜の間引きをしながら、つるありインゲンと同時に育ててゆきます。
栽培のポイント
インゲンの種まき
インゲンの種は、2粒まくことで力を合わせて根を下ろして発芽し、その後は競い合ってツルを伸ばしてゆきます。
種を3粒まいて、あとで間引いて2株にする方法もありますが、木嶋先生によりますと、インゲンは発芽率が良いので、2粒まきで十分なのだそうです。
追肥は少量で
こまめに少量ずつ追肥をします。
アブラナ科野菜もよく育ち、インゲンの吸肥根からの養分吸収でサヤが次々とつきます。
若採りを続けて長期収穫
若採りを続けますと、秋深くまで収穫することが出来ます。
ご参考:インゲンのプチ情報
インゲンの歴史
インゲンは、コロンブスによってヨーロッパにに持ち込まれ、その後 東南アジアに伝わり、1654年に新(現在の中国)から禅僧の隠元隆琦によって渡来したことから、インゲンと呼ばれるようになりました。
インゲンの品種
インゲンには、若いサヤを食す「サヤインゲン用の品種」と、完熟マメとして利用する「子実用(収穫した実を乾燥する)品種」に種別されています。
サヤインゲンは、全国各地で栽培されていますが、完熟のマメは北海道が国内生産量の大部分を占めています。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、つるありインゲンのコンパニオンプランツ栽培について、ご案内いたしました。
原産地のように、つるありインゲンをゆったり育て、株元に作られる日陰にアブラナ科野菜をコンパニオンプランツにして栽培する方法は、空間を有効に利用することが出来ますので、参考になさってください。
[参考文献]
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