春夏秋冬オールシーズン活躍するヘビーデューティー「TYPE A-2ジャケット」を紹介しよう。
君もご存知かと思うが、TYPE A-2は第二次世界大戦中にアメリカ陸軍航空隊が着用していたジャケットである。
このジャケットは、私が子供の頃からアメ横のミリタリーショップ「中田商店」で取り扱っていたと記憶しているが、私が好むアイビーファッションに含まれなかったため着る機会がないアイテムだった。
しかし心境の変化で、数年前にうまれて初めて手に入れた。
今日は君に、TYPE A-2ジャケットについての蘊蓄(うんちく)を傾けたいと思う。
また、本物タイプのTYPE A-2ジャケットを見分ける「5つのポイント」についてもご紹介しよう。
※ 本ページは個人の見解です
初めての出合いは映画「大脱走」
出典 Amazon
私が革ジャンというものに初めて出合ったのが、映画「大脱走」である。
私がこの映画に感動したのは、大脱走の映画監督、ジョン・スタージェスが、スティーブ・マックイーンの身分を「服装で表現」したことである。
マックイーンは、空軍下士官という役柄だったと思うが、劇中ではその正体に全く言及していない。
革ジャンにコットンパンツというファッションだけで身分を表現するという監督の才能に驚くと同時に、革ジャンの恰好良さに私は感動した。
G1ジャケットに押されていた「TYPE A-2」
TYPE A-2は、ヘビーデューティーのアイテムに一応含まれる。
「一応」と言ったのは、G-1ジャケットのほうが、ヘビーデューティーの主流だったからである。
1980年代に上映された映画「トップガン」で、トムクルーズが着用したジャケットがG-1だったということもあり爆発的な人気を博し、TYPE A-2を着ている者はほとんどいなかった。
しかしながら私は、TYPE A-2は日本の気候に合っていると思うのだ。
G-1ジャケットの裏地はボワなので、日本において長いシーズン着用することは難しい。
一方でTYPE A-2は裏地が薄いため、オールシーズン着ることができる非常に使い勝手が良いジャケットであると考える。
本物志向のTYPE A-2を見分ける5つのポイント
この章では、本物の作りに近いのTYPE A-2を見分けるポイントを紹介しよう。
TYPE A-2は、実にピンからキリまで存在する。
これから手に入れようと考えている君は、以下の5点に着目してほしい。
MADE IN USAであること
A-2ジャケットは、言うまでもなく米国製であり、熟練された職人が1点ずつ作っているという証である。したがって、MADE IN USA意外は論外である。
襟元がホックのタイプであること
襟元がホックタイプとボタンタイプのジャケットがあるが、「ホックタイプ」が本物タイプである。
ワンピースバックであること
本物のデザインは、背面の革が一枚で作られているので、インターネット等で購入する場合は、背中の写真が映っているもので確認してほしい。
なぜ一枚革でないとならないかというと、ツギハギだらけのジャケットは上空で使い物にならない。風が入り非常に寒くなるからだ。
ポケットのかたち
このポケットは、コルト1911を入れるためのものである。
本物のA-2ジャケットは、フロントポケットの形が写真のようにゆるやかに波打っているデザインである。
ライニングにスタンプがあること
本物タイプのA-2ジャケットは、ライニング(裏地)にスタンプがある。
ジッパーはTALON社製
定番のジッパーはTALON(タロン)社製であることを確認してほしい。YKKはNGだ。
まとめ:男のファッションは軍服からうまれる
君は、男のファッションというものは、戦争と作業から生まれたものが多いことをご存知だろうか?
悲しいことではあるが、生きるか死ぬかというせめぎ合いのもとで、男の着るものは誕生するのだ。
軍服からスーツが生まれ、今回紹介しているTYPE A-2もしかり、ピーコート、ダッフルコートも元は軍服である。
日本がヘビーデューティーとして、TYPE A-2やG-1ジャケットを取り入れたのは、当時の日本の時代にマッチしたからであろう。
我々アイビーリーガーは、第二次世界大戦が終わったあとの世代である。戦争が終わったあとに、軍服など日本で流行するわけがなかった。
しかし結局、アイビースタイルは衰退し、機能的・実用的なアイテム「ヘビーデューティー」を、日本は迎えることになった。
洋服は、流行と廃れはあるとは言え、根本のアイテム「ヘビーデューティー」は、永遠に日本にそして世界に遺るだろう。
※ 本ページは個人の見解です