農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、アサガオのコンパニオンプランツ栽培について、ご案内いたします。
この栽培は、アサガオを害虫のおとりにして、野菜の病害虫の発生を抑える方法で、昭和のはじめから行われてきた昔農家さんの裏ワザですので、参考になさってください。
アサガオをおとりに!害虫忌避に効果的なコンパニオンプランツ栽培
昔農家さんの裏ワザ「アサガオのおとり栽培」
アサガオをおとりにして、野菜に付く害虫を減らす方法は、昔農家さんが行ってこられた対策です。
畑の畔(あぜ)の兩端や、または畑の中のところどころに、2、3本づつ朝顔を植ゑておくのです。
さうするとその畑の野菜には不思議に蟲(むし)がつかず、さらに赤、白、靑(あお)などの美しい花が咲き、見た目にもたいへん美しいものです。出典「家の光」昭和15年9月号「農業の實驗」菅原圭治さんの投稿
ササゲ、インゲンなどには、アブラムシがついて困るものです。
わたくしは、ササゲやインゲンの植えてある中に、ところどころアサガオを植えておりますが、アブラムシは、マメよりもアサガオを好むためか、インゲンやササゲには少しもつきません。
わたくしは毎年この方法で、アブラムシを防いでおります。出典「やさい畑」昭和26年投稿分より
アサガオが害虫対策になる理由
アサガオはヒルガオ科で、同じ科の野菜はサツマイモや空心菜くらいです。
農学博士の木嶋利男先生は、様々な科の植物が育っている畑は、環境が多様になり、病害虫の発生を抑える効果がありますと、述べられています。
おとり作物になるアサガオ
とくにアサガオを好む害虫は、アワノメイガという蛾です。
この害虫は、トウモロコシに付きやすいので、一緒に育てることでトウモロコシへの産卵が減り、害虫の被害を抑えられる効果が期待できます。
益虫を呼び寄せる効果
アサガオに誘引された害虫をエサに、テントウムシなどの天敵がやってきますので、畑の環境が向上します。
トウモロコシを支柱代わりにできるメリットも
草丈が高くなるトウモロコシは支柱の代わりになり、アサガオはそれを蔦ってのびてゆきます。
アサガオとトウモロコシのコンパニオンプランツ栽培のポイント
コンパニオンプランツ栽培のポイント
アサガオの開花と、トウモロコシの収穫が同時期になるように栽培することがポイントです。
一般地の場合、アサガオの開花は8月頃からですので、9月~10月に収穫するトウモロコシに効果的です。
作物 | 栽培のポイント |
アサガオ | 8月~開花 |
トウモロコシ | 9~10月どりの品種を育てる |
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、アサガオをおとりにするコンパニオンプランツ栽培についてご案内いたしました。
この栽培は、害虫をアサガオにおびき寄せる「おとり栽培」で、野菜に付く害虫を抑えることが目的です。
この対策は、昭和初期から行われてきた昔農家さんの裏ワザですので、参考になさってください。
[参考文献]
・木嶋利男著「昔農家に教わる 野菜づくりの知恵とワザ」
・やさい畑「春準備号 2020年2月号」
[引用画像]
ゲイリー・フルツ「https://unsplash.com/@garyfultz」