農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニンニクの栽培方法について、ご案内いたします。
ニンニクの栽培期間は 8~9か月間と長期におよびますが、特別なお世話を要しませんので、初心者の方でもお手軽に育てることが出来るかと思います。
今回は、ニンニク栽培の基本である「植え付け時期、土づくり、追肥、育て方のコツ」などについて、ご案内いたします。
ニンニクの栽培方法
ニンニクの植え付け時期
地域別 植え付け時期の目安
一般地 | 9月中旬~9月下旬 |
寒冷地 | 9月上旬~9月中旬 |
温暖地 | 9月下旬~10月上旬 |
ニンニクを植え付ける時期の簡単な覚え方
ニンニクを植え付ける時期は、地域によって多少の前後はありますが、簡単に覚える方法は、「秋のお彼岸(秋分の日)を過ぎた頃」です。
ニンニクは、28℃以上の環境では生育が止まりますが、12~23℃の涼しい気候になりますと生育のスイッチが入ります。
そのため、夏の暑さが和らいでくる秋のお彼岸過ぎに植え付けると覚えておかれるとよいかと思います。
ニンニク栽培の土づくり
ニンニクは、生育期間が9月~翌年6月頃と長いので、しっかりと土づくりを行います。
ニンニクを植え付ける3週間以上前に、下記の堆肥と肥料をそれぞれ施し、耕しておきます。
堆肥 | 完熟牛ふん堆肥 | 2kg/1㎡ |
肥料 | 米ぬか7:骨粉3 | 200g/1㎡ |
※ 堆肥、肥料の量は目安です
堆肥と肥料の役割
・完熟牛ふん堆肥
動物性堆肥の中で最も手に入れやすいのが牛ふん堆肥です。
牛は、ワラや草を食むため繊維質が豊富で肥料分も多く、初期生育を促したい野菜の栽培に向いています。
・米ぬか
最も安価で手に入りやすいのが米ぬかです。
チッソ、リン酸、カリウムをバランスよく含んでいるほかに、マグネシウムや鉄分なども含んでいます。
・骨粉
骨粉は、牛や豚などの骨が原料の肥料で、リン酸を豊富に含んでおり、ニンニクの鱗茎(りんけい)を太らせる働きがあります。
ニンニクの植え付けと、育て方のコツ
畝立て
堆肥と肥料を施して耕し、幅30cm、高さ10cm程度の畝を立てます。
植え穴と株間
ニンニクの植え穴の深さは5cm、株間は10~15cmにします。
ピースを1つずつばらして植え付けます
ニンニクは、根元が球のようになっています。これを「クローブ」と言います。
1つのクローブには、品種や生育の状況によって、6~8片程度の鱗片(りんぺん=ピース)が集まっています。
植え付ける際は、1つずつばらして、ニンニクに張り付いている薄皮は付けたまま1穴に1つずつ入れ、土を覆います。
追肥と土寄せは2回
※ ニンニクの株元に追肥。
1回目
ニンニクの芽が出て、葉が30cmほどに伸びてきましたら、畝の片側に米ぬか(または鶏ふん)を散布して、軽く土をかぶせるよう土寄せします。
2回目
4週間後に、2回目の追肥を行います。
1回目とは反対側の畝に米ぬか(または鶏ふん)を散布し、軽く土をかぶせるように土寄せします。
あとは、収穫を待つだけです
追肥を2回行いましたら、その後のお世話の必要はほとんどありません。
マルチを張らずに栽培されている場合は、春先に生えてくる草を取り除いたり、春先に伸びてくるニンニクの花芽を摘み取ります。
花芽はニンニクの芽と呼ばれる食材で、油で炒めて召し上がってみてくださいね。
ニンニクの収穫
翌年の5~6月頃、鱗片が大きくなり、地上部(ニンニクの葉)が8割程度枯れてきましたら収穫の目安です。
晴天の続く日に抜き取り、茎と根を切り落として畑で2~3日乾燥させます。
乾燥させましたら10球ほど束ね、風遠しの良い日陰に吊るして保存をします。
うまく保存ができますと、次回の種ニンニクとして利用することが出来ます。
ニンニクの植え付け時期を逃してしまった時の植え付け法
ニンニクの植え付け時期を逃してしまった場合は、薄皮を剥いて植え付ける方法があります。
こちらの栽培も、木嶋先生が紹介されている育て方ですので、ページ最後の[関連記事]を、参考になさってください。
まとめ
※ わが家は毎年、ニンニクとイチゴを同じ畝で育てています。
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニンニクの栽培方法について、ご案内いたしました。
ニンニクは栽培期間が長いですが、初心者の方でも簡単に育てることが出来る野菜ですので、おためしになってみてください。
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」(158~159頁)
木嶋利男著「有機・無農薬 野菜別 土づくりと栽培テクニック」
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