ブラムリーアップルというリンゴをご存知でしょうか。
長野県の小布施町で栽培されている料理用の青りんご「ブラムリーアップル」は、料理研究家さんや、レストランのシェフさんなど、多くの愛好家から注目されているイチオシのりんごです。
ブラムリーアップルのとりこになった方は、シーズンになると必ず購入するというリピート率が高いりんごなのだそうです。
ブラムリーアップルの美味しさを知って以来、当方もシーズンになるとソワソワしてしまうほど、毎年楽しみにしております。
ブラムリーアップルは、爽やかな酸味が効いていますので、ジャムを作る際、レモン汁やクエン酸は使わずにお手軽に作ることが出来ます。
きょうは、ブラムリーアップルについて、その歴史、特徴(姿かたち)、美味しい食べ方(ジャムのレシピ)についてご紹介いたします。
歴史あるブラムリーアップル
発祥はイギリスのブラムリーアップル
ブラムリーアップルの歴史は長く、約200年前(1808年)にイギリスのノッティンガム州のあるコテージで誕生しました。
当時コテージに住んでいた少女がまいたリンゴの種が偶然芽を出した、まさに「奇跡のりんご」なのです。
時は経ち、コテージの持ち主がかわります。その新しいオーナーの名前はマシュー・ブラムリーさんと言いました。
ブラムリーさんは、コテージに成っているリンゴを気に入り 村の人々に分けたところ、リンゴをもらった当時17歳のヘンリー・メリーウェザーさんが、このユニークなリンゴに着目しました。
コテージのオーナー、ブラムリーさんは、自分の名前を付けることを条件に、ヘンリー・メリーウェザー氏に枝を分けあたえます。
メリーウェザーさんは、分けてもらったブラムリーを数々の品評会に出品し、1883年、ついに英国王立園芸協会から最高賞を受賞。
ブラムリーリンゴの名前は一気に広まり、今ではイギリスで生産されるりんごのうち、約45%がブラムリーになるほど発展をとげ、現在イギリスで「クッキングアップルの王様」として、不動の人気と地位を確立しています。
日本では信州小布施町から出発
イギリスで不動の人気を誇るブラムリーアップルですが、日本にいつ渡ってきたのでしょうか。
今から約40年前の1980年代、長野県小布施町出身の荒井豊(あらいみのる)さんは、りんごの販売量が減ったことに心を痛めていました。
りんご農家から、梨やぶどうに切り替える農家さんが増えてきたからです。
何とか町おこしになるものはないかと模索していた荒井さんは、イギリスのリンゴ生産量の45%を占めているというブラムリーアップルの存在を耳にし、イギリスでは日本のように、生で食べるリンゴのことを「デザートアップル」と呼び、料理して食べるリンゴのことを「クッキングアップル」と区別していることを知りました。
小布施町にブラムリーアップルを導入することを、当時の小布施町長が賛同し、小布施町はブラムリーをふくむ5種類の料理用のりんごの苗を英国王立園芸協会から譲り受け、横浜で一年間の検疫を経て、ついに1991年に商業販売をはじめ、今に至っています。
ブラムリーアップルは、長野の一人の農家さんの働きで発展した、まさに「希望のりんご」なのです。
参考「小布施屋ホームページ https://www.obuse-ya.jp/c/bramley.html」
「ブラムリーアップル」の使い道と特長
料理用のりんご「ブラムリーアップル」
あなたは日本の料理用のりんごと言えば、何を連想されますでしょうか。
酸味の強い紅玉などはお菓子で使うイメージですね。
ブラムリーアップルは、「料理用のりんご」と位置づけされ、ソースやジャムなど多様に使用されています。
ブラムリーアップルの使い道
料理用に栽培されているだけあって、ブラムリーアップルの使い道はたくさんありますが、お肉料理とバツグンに合います。
もちろんデザートに使っても大変美味しく、パイ、クランブル、焼きりんご、ジャムなど にも使われます。
ブラムリーアップルの特長
🍏 たいへん酸味が強いです
🍏 お肉との相性がバツグンに良いです
🍏 熱を少し加えるだけで、すぐに煮溶けます
🍏 食材を組み合わせると、他の食材を最高に引き立てます
🍏 加熱した後も、とてもよい香りが持続します
ブラムリーアップルの姿かたち
ブラムリーアップルの気になる姿かたち、風味をご紹介いたします。
ブラムリーアップルの大きさ
ブラムリーアップルは平べったく、大きい形が特徴です。
本日ご紹介するブラムリーは、1個あたり300グラムもあり、ヘタは短く、中の実が白いのが特徴です。
とても甘そうに見えません
青々したリンゴですね。手に持った感じは弾力があり実が詰まっています。
「ブラムリーアップル」どこで買える?いつから買える?
小布施町の直売所「農産物直売所ろくさん」
ブラムリーアップルは、長野県小布施町の直売所で購入することが出来ます。
毎年9月の下旬に、ブラムリーフェアが開催されますが、新型コロナウイルスの影響で、開催の有無につきましては、下記までお問合せをお願いします。
農産物直売所ろくさん | http://www.obusekanko.jp/spot/6ji |
住所 | 長野県上高井郡小布施町大字中松496-1 グーグルマップで見る |
電話 | 026-242-6600 |
営業時間 | 9:00~17:00(冬の時期は9:30~16:30) |
定休日 | 冬の期間は木曜日、年末年始 |
ブラムリーアップルのネットショップ
ブラムリーアップルは、楽天市場や、小布施屋オンラインショップでお取り寄せをすることも出来ますので、小布施に行くことが出来ない方は嬉しいですね。
わが家は今年も楽天市場にて調達しました。
詳細はこちらです → https://item.rakuten.co.jp
気になる「ブラムリアップル」のお味は?
身がぎっしり詰まっています
それではカットしてみましょう。
切るのにいささか力が要ります。実が詰まっていますので包丁を入れるとギシギシいいます。
断面は、みずみずしいですね。硬さのわりに水分があります。
酸味が強くて香りが高い!
1口かじってみましたが、ものすごーく酸っぱいです。渋みもあります。
皮はかためで実より皮のほうが酸味がありますね。
でもこの香りが素晴らしいのです!!!
この酸味とコクが食材を引き立てる役割を果たしてくれるのですね。
ブラムリーアップルの大きな特長は、熱を加えても「香りが持続すること」で、この芳醇な香りが食欲を増進させ、料理がアップグレードします。
とっても簡単!「ブラムリーアップル」ジャムの作り方
ブラムリーアップルのジャムの作り方はとっても簡単で、カットしてお砂糖をふりかけ、レンジでチンするだけです。
ジャムやコンフィチュールと言いますと、一般的に小鍋でコトコト煮るのが一般的ですね。ですから私も最初は「そんなバカな」と思っておりました。
ブラムリーアップルは生のままですと実が引き締まってかたいですが、火を入れますと たちまちホロリと崩れる性質を持っています。
きょうは、ブラムリーアップルを電子レンジでチンするだけの簡単レシピをご紹介いたします。
「ブラムリーアップルジャム」の作り方レシピ
ブラムリーアップル1個に対して、グラニュー糖を大さじ4~5杯でご紹介いたします。
ブラムリーアップルは酸味が強いりんごです。
たくさんお砂糖を入れた場合でも酸味は残りますので、まずは大さじ4~5杯で爽やかさをお楽しみになってみてください。
ブラムリーアップルのジャムの作り方
1.皮のまま、ブラムリーアップルを八等分して、芯を取り除きます。
2.グラニュー糖を振りかけ、ふんわりとラップし、電子レンジ(500ワット)で4分間加熱します。
3.電子レンジから取り出し、スプーンでなじませます。
4.もう一度ラップをかけ、電子レンジで2分間チンして出来上がりです!
ブラムリーアップルジャムの作り方(皮なし)
1.皮のまま、ブラムリーアップルを八等分して、芯を取り除きます。
2.グラニュー糖を振りかけて ふんわりとラップし、電子レンジ(500ワット)で4分間加熱します。
3.電子レンジから取り出しスプーンでなじませます。4分チンしただけですが、果肉はとてもやわらかくなります。
4.もう一度ラップをかけ、電子レンジで2分間チンして出来上がりです。皮は少しかためですので、取り除くか、別途 お召し上がりください。
ブラムリーアップルジャムの作り方(皮あり)
ブラムリーアップルの皮は 加熱しましても少しかたさが残りますので、細かく切ってチンします。
わが家は皮も入れてジャムにしています。皮無しより香りが残りますので おすすめです。
気になるジャムのお味は?
ものすごく香りが高く、お砂糖を入れただけとは思えない上品な味わいです。
爽やかな酸味が口いっぱいに広がり、高級感あふれるジャムになります。
ブラムリーアップルジャムの保存方法は?
お砂糖の量が少なめですので長期間の保存が出来ないため、わが家は冷蔵庫にて1~2週間ほどで食べ切っております。
それ以上 長く保存する場合は、冷凍保存をしています。
ブラムリーアップルジャムの美味しい食べ方
ヨーグルト
爽やかな酸味のきいたブラムリーアップルジャムは、レモンやクエン酸を入れなくても美味しく作ることができます。
王道のヨーグルトと合わせると、たまらなく美味しいです。
アップルパイ
パイシートにジャムを載せて焼くだけで、極上アップルパイの完成です。
お肉料理のソースに
ブラムリージャム、お醤油、すりおろしニンニクで 美味しいステーキソースになります。
まとめ
日本初、長野県は小布施町から誕生した「ブラムリーアップル」をご紹介いたしました。
季節ものですので販売期間が短いですが、その豊潤な香りと爽やかな食味に魅了されるでしょう。
イギリスの生産率45%を誇る、まさにKing of appleの「ブラムリーアップル」をおためしになってみてください。
[長野のブラムリーアップル]
故郷の長野県をはじめとする災害に見舞われた地域が立ち直ることを、陰ながら応援し続けたいと思います。
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