ダイコン栽培は、種を直まきして育てるのが一般的ですね。
その常識を覆した栽培、紙の筒(トイレットペーパーの芯)で育苗して成功させた方がいらっしゃいます。
今回は、雑誌「やさい畑 2018冬号」で紹介されている「吉田悟さんのダイコンの紙筒栽培法」についてご案内いたします。
紙筒(トイレットペーパーの芯)でダイコンを栽培する方法
紙の筒も一緒に植えるダイコン栽培
山形県米沢市在住の吉田悟さんは、土を入れた紙の筒にダイコンの種をまき、発芽後、それを筒ごと畑に植え付ける方法を編み出されました。
ダイコンは、ポットなどで育苗しますと、ウネに植え付ける際 根の先が切れたり、傷んだりして「又根」の原因となるため、畑やプランターに直接種を撒いて育てるのが一般的です。
吉田さんは、紙の筒は プラスチック製のポットのように、苗を取り出さずにそのまま土に植えつけられるため、根を傷つけないだろうと考えたのだそうです。
紙筒栽培のメリット
1.密植栽培が可能に
普通のダイコン栽培は、株間を数十センチ空ける必要がありますが、紙筒栽培の場合は、わずか15cmの株間で栽培することが出来ますので、狭い面積でたくさんのダイコンを育てることが出来ます。
2.間引きをした後に定植できる
ダイコンの子葉(双葉)は、ウネと直角に生えているものが伸び伸び育つ傾向にありますが、種を直播きした場合は、必ずしも子葉がウネと直角になるわけではありません。
紙筒栽培は、自在に筒の向きを変えることが出来ますので、子葉をウネと直角にして定植することが出来ます。
3.骨が折れる間引きが容易に
ダイコンをはじめ、直播きする野菜は、間引きの作業に骨が折れますね。
紙筒栽培は、定植する前(もしくは後)に間引くことが出来ますので、作業が容易になります。
ダイコンの紙筒栽培に挑戦
わが家も吉田さんの方法に倣い、ダイコンの紙筒栽培に挑戦しようと思います。
用意する道具
・紙の筒(トイレットペーパーの芯などの紙の筒)
・種まき用の土
・紙筒を入れる容器(お豆腐のパックなど)
紙筒栽培の方法
紙筒に種をまきます
紙の筒の中に種まき用の土を詰めて、ダイコンの種を重ならないように5~6粒まき、土で覆います。
わが家は、土をあらかじめ水で湿らせておき、紙筒に詰めて種を撒きましたが、吉田さんは種まきの後にたっぷり水やりをされています。
1回目の間引き
種をまいてから数日で発芽が始まります。
吉田さんの栽培法は、間引きのタイミングがポイントで、4株程度の子葉が開き、残りの株は芽が出たばかりのタイミングを狙って間引きを行います。
間引きが遅れ、主根が紙の筒の底まで伸びてしまいますと、移植する時に主根が傷んで「又根」の原因になってしまいます。
間引きのコツは、第一候補、第二候補ともに、子葉がきれいで ほぼ同じ方向に葉が開いているものを残し、ほかの株はすべて間引きます。
苗の定植(株間15cm)
畑やプランターに、苗を紙筒ごと植え付けます。
紙筒の高さとほぼ同じ深さの穴を掘り、子葉の開いた方向がウネと垂直になるように植え付けます。
株間は15cmの密植にし、根付くまで苗が枯れないように、程よく水やりを行います。
2回目の間引き
本葉が6~7枚ほどになりましたら2回目の間引きを行い、1株にします。
ダイコンは基本的に肥料がなくても育ちますが、必要であれば追肥をして土寄せします。
トイレットペーパーを土に埋めても大丈夫?
トイレットペーパーの材質は紙パルプで、埋めても土に還りますので問題ありません。
また、吉田さんによりますと、この栽培を始めた当初は、トイレットペーパーの芯がダイコンの生育に悪い影響を与えるかどうか懸念されていましたが、ダイコンを収穫した後土を調べたところ、芯の破片すら見つからないほど分解が進んでいたことに驚かされたそうです。
応用できる紙筒ポット
ダイコンのほかにも、根菜のニンジン、小松菜、ホウレンソウなども紙筒ポットで育てることが出来ます。
まとめ
吉田悟さんが紹介されているトイレットペーパーなどの紙筒をポットにしてダイコンを育てる方法をご案内いたしました。
野菜づくりの醍醐味は、思いがけないところから常識破りの面白い栽培法を発見できるところですね。
ダイコンの紙筒栽培法の詳細は、雑誌「やさい畑 2018冬号」にて掲載されていますので、参考になさってください。
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このまま植えられる!トイレットペーパーの芯を野菜とお花用の種まきポットにする方法
[参考文献]
[ダイコンの種]
・吉田さんは、トイレットペーパーの芯を利用されています。
・今回わが家は数の関係上、トイレットペーパーを半分にカットしましたが、根が伸びるダイコン栽培の場合は、切らずにお使いになると良いかと思います。