農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ヘチマのコンパニオンプランツ栽培についてご案内いたします。
ヘチマを単体で栽培するより ネギ属の野菜・マメ科の野菜と一緒に育てますと、病気の予防・生長促進の効果があると言われていますので、参考になさってください。
ヘチマのコンパニオンプランツ
長ネギ
病気の予防に効果的な「長ネギ」
農学博士の木嶋利男先生によりますと、長ネギの根に共生する細菌は抗生物質を出し、土の中の病原菌を減らす効果があることが最近の研究でわかってきたそうです。
ウリ科と長ネギの混植は古くから知られた伝承農法で、栃木県ではユウガオ(カンピョウの原料)の株元に長ネギ植えて栽培しています。
長ネギを混植しますと「つる割病」などの病気が発生しないため、科学的に分析してみたところ、病気予防に効果がある菌(バークホーデリア・グラジオリー)が抗生物質を出して、ユウガオの病気を防いでいることが実証されました。
ウリ科と相性が良い「長ネギ」
今回はヘチマと長ネギの組み合わせをご紹介いたしますが、その他のウリ科の作物でも同様の効果が期待できます。
・キュウリ
・ゴーヤ
・カボチャ
・スイカ
・メロン
・ズッキーニなど
ヘチマと長ネギの栽培ポイント
ヘチマの種まき
この栽培は、ヘチマの根と長ネギの根が絡まるように植えるのがポイントですので、ヘチマの種は直まきをせずポリポット等で育苗します。
種まきする前に土に水をかけ湿らせ、ポリポット1個にヘチマの種を2~3粒まきます。
発芽率を上げるポイントは、お団子が作れる程度の湿り気のある土に種まきをします。
その後、手でしっかり鎮圧し、種と土をぴったり密着させます。
病気を出さない苗の植え付けのコツ
木嶋先生によりますと、ヘチマに限らず 苗の植え付けのタイミングが病原菌に感染するリスクが最も高くなるのだそうです。
そこで、木嶋先生が紹介されている「ブクブク植え」をご案内いたします。
1.水を張ったバケツにヘチマのポットを入れブクブク気泡を出します。
2.バケツから取り出したポットを日陰で2~3時間ほど置き、葉や茎に水を行き渡らせます。
3.苗を植え付けます。
4.苗を植え付けた直後~4,5日は水やりを行いません。
このブクブク植えを行いますと、ヘチマは自分の水分を使って活動的に発根し、すみやかに活着(かっちゃく)します。
ヘチマの苗と同時に長ネギも植え付けます
ヘチマ1苗に対して長ネギは2本植え付けます。ヘチマと長ネギの根っこが絡まるように植えるのがポイントです。
ヘチマのコンパニオンプランツ「つるありインゲン」
ヘチマと つるありインゲンは、どちらもツル性の野菜です。
これらを一緒に育てて支柱や誘引ネットを共用し、空間を有効に使います。
生育促進の効果
つるありインゲンはマメ科の作物で、根に根粒菌が共生し、空気中の窒素を取り込んで周囲の土を肥沃にする働きがあります。
そのためヘチマは その養分利用しながらスクスク育つことが出来るようになります。
害虫忌避の効果
ヘチマはウリ科の野菜で、インゲンに付きやすいカメムシ、アブラムシ、アズキノメイガ(フキノメイガ)などの害虫を寄せ付けなくする効果があります。
応用できるマメ科の野菜
つるありインゲンの代わりに、つるありササゲ、シカクマメなどを応用して栽培することも出来ます。
ネコブセンチュウには気を付けて
ウリ科とマメ科の野菜はネコブセンチュウの被害に遭いやすく、一緒に栽培しますと被害が拡大する場合があります。
したがいまして、ネコブセンチュウの発生が見られた場合は混植を避けましょう。
※ ネコブセンチュウの予防と対策につきましては、別の記事にてご紹介しておりますので、本ページの最後の[関連記事]を参考になさってくださいね。
ヘチマとつるありインゲンの栽培ポイント
ヘチマの苗を植えたあと、支柱と誘引ネットを早めに張っておきますとお世話が楽になります。
つるありインゲンはほぼ垂直にツルを伸ばし、ヘチマは斜めにツルを伸ばすため、互いのツルがうまく絡みながら伸びてきれいなグリーンカーテンが出来上がります。
インゲンはヘソを下向きに一か所に3粒まき、本葉1.5枚で1~2株立ちにします。
2022年_ヘチマのコンパニオンプランツ栽培レポート
2022年5月
2022年5月28日
昨年 収穫したヘチマの種をまきました。
数年前からヘチマのコンパニオンプランツ栽培を行っておりますが、ヘチマとスイカは、キュウリに比べて発芽が遅いように思います。
寒さが残る4月に種をまいても、なかなか芽が出ないため、今年は5月中旬に種をまきました。
—引き続き、更新いたします。—
2021年_ヘチマのコンパニオンプランツ栽培レポート
2021年5月
今年も種からヘチマを育てております。
ヘチマ栽培の担当は今年も夫ですが、ネギと一緒に植えるのを失念したそうです。
その代わりというわけでもないのですが、長ネギとラッキョウの残さ(食べられない部分)をマルチングしてみました。
これは土の保湿と、ウリハムシを寄せ付けないために行っています。
※ 2021年も月に数回栽培の様子をレポートいたします。
2020年
5月
5月の様子です。苗の植え付けから1か月経ちました。
種まきしたヘチマも芽を出したので、今年は植木鉢2つで育てています。
昨年はこの時期に花が咲いていましたが、今年は生長が遅いようです。
つるありインゲンはぐんぐん伸びて、ヘチマを追い抜いています。
7月
7月になり、ようやく実が1つなりました。ちょっとイビツですね。
雄花はたくさん咲きますが、なかなか雌花が咲きません。
コンパニオンプランツのつるありインゲンです。少しずつ実をつけて10本ほど収穫しました。
9月
9月になりました。雄花はたくさん咲くものの、なかなか雌花が実を付けません。
今年は全部で4個実がなりましたが、そのうち2つはとても成りが小さいです。キッチンたわしに使えるかどうかです・・・。
上の写真は一番最初に実になったもので、全長15cmほどにしか育ちませんでした。
唯一期待をしているものが上の写真です。ザ・ヘチマというかたちですね。もう少し大きく育ってほしいです。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ヘチマのコンパニオンプランツ栽培についてご案内いたしました。
ウリ科のヘチマはネギと一緒に育てることで、病気予防の効果があると言われていますので、参考になさってください。
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