農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ソラマメの有機栽培のポイントについてご案内いたします。
木嶋先生がおすすめされている元肥(有機物)、ウネ立て、種まき、お手入れ、そして収穫までを一挙にご紹介いたしますので、参考になさってください。
ソラマメの有機栽培のポイント
ソラマメについて
ソラマメの原産地は西南アジアから北アフリカで、生育の適温は15~20℃です。
幼苗の頃は寒さに強く、5℃以上あれば生長します。
「ソラマメ」という名前の由来は諸説ありますが、越冬して春になると花を咲かせ、ふくらんだサヤが空に向かって大きくなってゆくところから来ているようです。
土づくり
ソラマメの苗を植え付ける3~4週間前までに、土づくりを行います。
土が肥沃な場合は、基本的に元肥を施す必要はありません。
やせた土など肥料分の少ない場合は、有機物(完熟牛ふんたい肥、骨粉)をウネの全体に施します。
なお、ソラマメは、空気中のチッソを固定するマメ科の植物ですので、チッソ分の多い油かすは使いません。
[元肥の目安(1㎡あたり)]
元肥(有機物) | 量 | |
堆肥 | 完熟牛ふんたい肥 | 2kg |
肥料 | 骨粉 | 200g |
ウネの耕し方(例:幅45cm 高さ10cm)
ウネを立てる場所に元肥をまきましたら、18cmほどの深さまで粗く耕します。
幅45cm、高さ10cmほどのウネを立て、表層の5cmを細かく耕し、表面を平らにならします。f
種まき
種のおはぐろ(種にある黒い筋)を斜め下に向けてまき、頭を少し出して酸素を取り込みやすくします。
種まきは、直まきでもポットまきのどちらでも構いません。
なお、ソラマメを畑に直まきする場合は、1粒ずつ、株間30cmでまきます。
土質別の畑づくり
砂質の土に直まきした場合
ソラマメを畑に直まきした場合、発芽に多くの水分を必要としますので、保水力の低い砂質の土壌では、土が乾燥しましたら水やりをします。
粘土質の土に直まきした場合
粘土質の土は保水力はありますが、固まりやすい地質のため、高ウネにして水はけをよくします。
ポットまきの場合
ポットに土を入れ、水をたっぷりかけて湿らせたところに種をまき、種が腐らないように乾燥気味に発芽をまちます。
発芽後、本葉1~2枚で移植します。
収穫までの管理
土寄せ
茎が枝分かれしてきましたら、倒れないように根元に土を寄せます。
間引き
生育の良い茎を4~5本残し、ほかは間引いても構いません。
倒れ対策
ソラマメは、草丈が高くなりますと倒れる場合がありますので、支柱を立てたり、ウネにヒモを張って支えたりして対策します。
鳥獣対策
お住いの地域によって、鳥や獣の食害にあう場合があるかもしれませんので、てぐすやネットなどで対策をします。
わが家は、黒いテグスを使っていますが、その効果を実感しております。
アブラムシ対策
ソラマメは、茎の先端に集まるたんぱく質を狙って、アブラムシがびっしり付きます。
草丈が70cm程度になりましたら、先端を15cmほど切り処分します。
アブラムシの対処により、質の良いマメの収穫が出来るかどうか決まってくるとも言われていますので、先端の摘心をしっかり行いましょう。
収穫
ソラマメの収穫のタイミングは、上を向いていたマメが下を向いてきた頃です。
これは、マメに養分が運ばれた合図で、マメが十分に肥大しますと、サヤの背が黒褐色になりますので、これを収穫に目安にします。
ソラマメは、鮮度が落ちるのが早いため、すぐに頂くようにしましょう。
覚えておきたい「土寄せ」の効果
枝分かれをした根元に土を寄せることは、茎が倒れるのを防ぐだけではありません。
分枝の茎から根が出て栄養を吸いますので、そこに土をかぶせることで、追肥をしたのと同じ効果があります。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ソラマメの有機栽培のポイントについてご案内いたしました。
栽培期間が長く、厳しい寒さに耐えて越冬したソラマメを収穫するよろこびはひとしおで、有機栽培で育てたソラマメのお味は絶品ですので、おためしになってみてください。
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[参考文献]
木嶋利男著「学研ムック 有機・無農薬 野菜別 土づくりと栽培テクニック」