農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「ブロッコリーの後作におすすめの野菜」をご案内いたします。
ブロッコリーを収穫した後は、2つの栽培方法があります。
🥦 ブロッコリーの葉っぱや茎を土に鋤き込んで、次の野菜を植え付ける方法
いずれの栽培も、少ない肥料で育てたブロッコリーの特性を活かした方法ですので、参考になさってください。
ブロッコリーの後作におすすめの野菜
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ブロッコリーの後作におすすめの野菜は次のとおりです。
・エダマメ
・エダマメ以外のマメ科野菜
・秋ジャガイモ
・トウモロコシ
ブロッコリーの後作におすすめの野菜「エダマメ」
エダマメはブロッコリーの後作におすすめの野菜です。
なぜなら、エダマメは肥料分が少ない土でもよく育つ野菜のため、少ない肥料で育てたブロッコリーの後でもスクスク育つからです。
また、ブロッコリーを収穫して枝葉を片づけた後、すぐにエダマメ栽培に取り掛かることが出来ますので、土づくりにかける時間を短縮することが出来ます。
自分の力でよく育つエダマメ
エダマメは、根に「根粒菌」が共生して空気中の窒素を固定しますので土が肥沃になり、枝豆自身も自分の力で良く育ちます。
ブロッコリーからエダマメへリレー栽培するタイミング
ブロッコリーからエダマメへ”リレー栽培”するタイミングは下記のとおりです。(地域によって前後します)
⇩
🌱エダマメ 4月下旬~5月上旬に種まき・苗の植え付け
⇩
🌱エダマメ 7月に種まきできる晩生品種がおすすめです
ブロッコリーの後作、エダマメの栽培ポイント
土づくり
ブロッコリーを根っこごと抜いて片づけたあと、土を耕さずにウネを整える程度で準備完了です。
肥料を入れて土づくりをする必要はなく、ウネが崩れているところや 凸凹しているところを直す程度でOKです。
エダマメの植え付け
ウネを立てましたら、すぐにエダマメの種を点まきします。
もしくはポリポットに種をまき、本葉が3枚に生長した苗を植え付ける方法でも構いません。
追肥
エダマメの苗が順調に大きく育っていれば追肥は行いません。
収穫
莢(さや)が膨らんだら収穫です。
品種ごとに栽培の日数が決まっていますので、それに従いましょう。
ブロッコリーの後作におすすめの野菜「マメ科」
前の章では、エダマメをブロッコリーの後作におすすめの野菜としてご紹介いたしましたが、それ以外のマメ科野菜も、同じように栽培することが出来ます。
ブロッコリーの後作におすすめのマメ科の野菜例
🌱 ササゲ
🌱 春まきエンドウなど
ブロッコリーの後作におすすめの野菜「秋ジャガイモ」
木嶋先生は、春どりのブロッコリーの後作に、少ない肥料分でもよく育つ「秋ジャガイモ」栽培も、オススメされています。
エダマメと幾分 栽培方法が異なりますので、具体的にご紹介いたします。
ブロッコリーの残渣(ざんさ)を土づくりに
秋ジャガイモを後作する場合、収穫したブロッコリーの葉っぱや茎・根っこを土に鋤き込んで土づくりをします。
ブロッコリーの残渣には、アブラナ科独特の辛み成分「グルコシノレート(からし油配糖体)」が含まれており、土に鋤き込みますと分解されて「イソチオシアネート」という揮発性の物質に変化するのだそうです。
このイソチオシアネートには「殺菌作用」があるため土壌消毒になります。
これによりジャガイモがかかりやすい病気「そうか病」の発生を抑えることが出来ます。
ブロッコリーの後作「秋ジャガイモの」栽培ポイント
秋ジャガイモの品種
木嶋先生は、秋ジャガイモに適した品種は、休眠期間の短い「デジマ」「ニシユタカ」「アンデス赤」をおすすめされています。
土づくり
ブロッコリーの収穫が終わりましたら、葉っぱや茎を長さ20センチ程度に切って、生のまま根っこと一緒に土に鋤き込みます。(残渣を細かく切りますと、分解の進みがより早くなります。)
土への鋤き込みは、深さ10センチ程度であまり深くなくても構いません。
鋤きこみから3週間以上待って、秋ジャガイモを植え付けます。
秋ジャガイモの植え付け
9月上旬に、ジャガイモのタネを植え付けます。
収穫
11月下旬~12月初旬に、霜にあたって地上部が枯れ始めたら、掘り上げます。
ブロッコリーの後作におすすめの野菜「トウモロコシ」
ブロッコリーを栽培した後の土は栄養が少なくなっています。これを利用してトウモロコシを栽培することも出来ます。
自分の力で肥料分を集めるトウモロコシ
トウモロコシ(スイートコーン)は、ブロッコリーの残渣を鋤き込んで土づくりをして構いません。
木嶋先生によりますと、トウモロコシは 比較的「生」に近い有機物が残っていても問題なく生育する能力があるのだそうです。
栽培のポイント
品種について
自分で肥料分を集める力が強い「スイートコーン」が特におすすめです。
土づくり
ブロッコリーの残渣を鋤き込んで土づくりを行ってOKです。
前述しましたように、トウモロコシは比較的「生」に近い有機質が残っていても、問題なく生育します。
トウモロコシの種まきと収穫時期
トウモロコシの種まき(苗の植え付け)は一般地では4月下旬ころに行いますが、7月中旬~8月上旬になっても栽培することが出来ます。
収穫時期は11月上旬~中旬と遅くなりますが、甘いトウモロコシを収穫することが出来ます。
トウモロコシを収穫した後の残渣も有効利用
トウモロコシを収穫した後、根っこを鋤き込みますと、土に豊富な有機物を供給することが出来ますので、処分することなく活用することが出来ます。
ブロッコリーの鋤き込みについて
木嶋先生によりますと、ブロッコリーの鋤き込みは原理的に農薬を使った殺菌・殺虫の「土壌燻蒸」と同じなのだそうです。
これは専門的に「生物的土壌燻蒸(バイオフューミゲーション)」とも呼ばれており、この方法は、ナス科やウリ科などに広く応用することが出来ます。
なお、ブロッコリー以外の野菜では、同じアブラナ科のカラシナ・コブタカナ・キガラシなどの利用も効果的です。
これらにも「グルコシノレート」が多く含まれており、土の中で分解されますと殺菌効果がある「イソチオシアネート」に変化します。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「ブロッコリーの後作におすすめの野菜」をご案内いたしました。
この栽培は、ブロッコリーを収穫した後の少ない肥料分になった土を活かしたリレー栽培です。
エダマメなどのマメ科野菜は、根っこに共生する菌で土が肥沃になりスクスク育ちます。
秋ジャガイモやトウモロコシを後作する場合は、ブロッコリーの残渣を土に鋤き込みますと土のお掃除をしてくれますので生長が促進します。
ブロッコリーを栽培した後は、無駄なくリレー栽培を行うことが出来ますので、おためしになってみてくださいね。
[参考文献]
木嶋利男著「育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88 決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり」
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