枝豆栽培は、元肥は要るのか?要らないのか? 水やりのタイミングはいつ? など、さまざまな疑問がありますね。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「枝豆栽培のコツとポイント」について、ご案内いたします。
枝豆栽培で肥料を控えめにする理由
枝豆の原産地
一般的に、枝豆は痩せた土で栽培しましょうと言われていますが、その理由をご存知でしょうか。
枝豆の原産地は、現在の中国東北部、黒竜江省あたりのやや寒い地域の乾燥地帯の痩せた土壌です。
枝豆は、そこでトグロを巻くように自生していますので、野菜が普通に育つ畑であれば土づくりは耕すだけで十分なのです。
土を肥沃にする根粒菌
枝豆の根っこには「根粒菌」が共生しています。
根粒菌は空気中の窒素ガスを固定し、枝豆に養分を供給するため 養分が少ない痩せた土でもよく育ちます。
根粒菌が活動しない畑
一方で、窒素分の多い土では根粒菌が活動せず、”つるぼけ”をしやすくなりますので、肥料のあげすぎに気を付けましょう。
枝豆栽培のポイント
普通の畑は肥料は要りません
野菜が普通に育つ畑では元肥を施さず、耕すだけでOKです。
痩せすぎた畑、新規の畑にオススメの元肥
根粒菌を共生するために、枝豆側から根粒菌に糖分を与える必要がありますので、枝豆が光合成をしっかり行い糖分をつくり出せるよう、リン酸を含む肥料を施します。
木嶋先生がオススメされている元肥は骨粉やバッドグアノのような「有機質肥料」で、一つまみずつ種をまく前に土に混ぜておきます。
水やりのタイミング
枝豆は、水分が要らないイメージがありますが、原産地は霧の多いところですので、実は水を好みます。
水やりのタイミングは「花が咲いた頃」で、この時期から水やりをしますと よく実ります。
春まき・秋採りにオススメの品種
春まきの場合、開花期が梅雨と重なる「早生品種」、秋採りは、秋の長雨と重なる「晩生種」がオススメです。
太った枝豆をたくさん栽培するコツ
根と根粒菌の窒素分はそれぞれ供給する場所が異なります
木嶋先生によりますと、枝豆の根っこに共生する「根粒菌」から供給される窒素分は、マメが大きくなるのに利用されることがわかっています。
一方で、「根っこ」が土から吸収する窒素分は、サヤ・茎・葉っぱなど マメ以外の部分に流転して利用されますので、美味しい枝豆を育てるためには根粒菌の活動が重要になってきます。
2回の土寄せで太ったマメに!
根粒菌の寿命は1か月ほどですが、土寄せをすることで根粒菌を効率よく増やすことが可能になります。
なぜなら枝豆の根は、切れると新しい根が伸びて、そこにまた根粒菌が新たに共生するためです。
土寄せのタイミングは、1か月に1~2回程度、草削り(=枝豆の株元の雑草を土ごと削って取り除くこと)とあわせて土寄せをすると良いですね。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、枝豆栽培のコツとポイントについて、ご案内いたしました。
このページが 枝豆栽培の疑問を少しでも解決できたら幸いです。
なお木嶋先生は、枝豆に付きやすい害虫カメムシ対策には、コンパニオンプランツ栽培をおすすめされていますので、[関連記事]を参考になさってくださいね。
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