農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、家庭菜園におすすめの病害虫を防ぐハーブと野菜の組み合わせをご案内いたします。
薬剤を使わず野菜を栽培しますと、病気にかかったり、害虫のえじきになってしまうことがありますね。
そこでお料理によく使うハーブを野菜のそばで育てますと、害虫が寄りつかなくなったり、病気を防いだりしてくれます。
今回は、大きく育ちすぎるハーブを上手に利用する木嶋先生オススメの育て方もご紹介いたしますので、参考になさってください。
ハーブが害虫を寄せ付けない理由
ハーブは、アレロケミカルという物質を出して、他の植物や動物、微生物を寄せ付けない性質があります。
中でも、シソ科やセリ科、キク科の植物は アレロパシー効果が高く、害虫を防ぐ効果が期待できます。
ハーブの混植で野菜の生育が促進
農学博士の木嶋先生は、ハーブの混植で野菜の生育が促進しますと、述べられています。
ハーブは害虫が忌避するだけでなく、ほかの野菜と混植すると、土の中の根圏微生物相がとても豊かになり、一緒に植えた野菜が病気にかかりづらく、生育が促されるといった効果もあります。
引用「コンパニオンプランツで野菜づくり」96頁
病害虫を防ぐ!家庭菜園におすすめのハーブと野菜の組み合わせ
ハーブと野菜の組み合わせ(例)
組み合わせ | |||
属性 | ハーブ | 属性 | 野菜 |
アブラナ科 | ルッコラ | マメ科 | インゲン、ソラマメ、エンドウ |
アブラナ科 | ダイコン | ||
シソ科 |
青シソ | アオイ科 | オクラ |
赤シソ | ヒルガオ科 | サツマイモ | |
バジル | ナス科 | トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ | |
アブラナ科 | ラディッシュ・コマツナ・チンゲンサイ | ||
キク科 | レタス、シュンギク | ||
ミント | マメ科 | エダマメ | |
ツツジ科 | ブルーベリー | ||
ラベンダー | 畑全体の害虫忌避 ※ラベンダーを野菜のそばで育てると野菜の生育が悪くなる場合があります |
||
ローズマリー | ショウガ科 | ミョウガ | |
カキノキ科 | 柿 | ||
属性 | ハーブ | 属性 | 野菜 |
セリ科 |
パクチー | バラ科 | イチゴ |
チャービル | ウリ科 | メロン、キュウリ | |
パセリ | ナス科 | ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ(トマト以外) | |
サトイモ科 | サトイモ | ||
キク科 |
カモミール | ヒガンバナ科 | タマネギ、ニンニク |
レタス、シュンギクなど | アブラナ科 | ラディッシュ・コマツナ・チンゲンサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコンなど | |
属性 | ハーブ | 属性 | 野菜 |
ヒガンバナ科 |
チャイブ | マメ科 | エダマメ |
ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、シロウリ | ||
アブラナ科 | ブロッコリー、カブ、ダイコン、ルッコラ、チンゲンサイ | ||
ヒユ科 | ホウレンソウ | ||
ムラサキ科 | ボリジ | バラ科 | イチゴ |
-参考文献-
・木嶋利男著「コンパニオンプランツで野菜づくり」(主婦と生活社)
・木嶋利男著「コンパニオンプランツの野菜づくり」(家の光協会)
病害虫を防ぐ!ハーブと野菜の栽培ポイント
ハーブを栽培していらっしゃる方はご経験があるかと思いますが、生育が旺盛なハーブは 小さな株から栽培をはじめても、たちまち大きく成長し、ほかの花や野菜を覆いつくしてしまうことがあります。
また、こぼれた種から発芽もしますので、畑でもガーデニングでもハーブだらけになり困ってしまったことがある方も少なくないでしょう。
木嶋先生は、「ハーブは暴れ者」と形容し、繁茂しすぎる対策として素焼きの鉢で栽培することをオススメされています。
素焼きの鉢でハーブの生長をコントロール
ハーブの苗を用意しましたら、5号程度の素焼きの鉢(直径約15cm)に植え付けます。
これを鉢ごと畑のところどころに埋め込みます。(下の写真はボリジです)
菜園の地面に置くだけでももちろん構いませんが、土に埋め込むことにより素焼きの鉢にあいた小さな穴を通って水分が供給されますので、頻繁に水やりを行う必要がなくなります。
ハーブの根っこは鉢の中の限られた範囲に収まり、一定の大きさ以上に成長しませんので、ハーブの生長をコントロールすることができます。
強いアレロパシー効果を発揮するハーブは菜園のところどころに栽培するだけで十分ですのでとても重宝しますし、コンパニオンプランツ効果も期待できます。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「病害虫を防ぐ家庭菜園におすすめのハーブと野菜の組み合わせ」をご案内いたしました。
大きく育ちすぎるハーブは通気性の良い素焼きの鉢で育て、野菜のそばに置いておくだけという木嶋先生オススメの方法は、お手軽に実践できそうですね。
あなたも、アレロパシー効果が強いハーブで、病害虫を防ぐコンパニオンプランツ栽培をおためしになってみられてはいかがでしょうか。
[参考文献]
木嶋利男著 コンパニオンプランツで野菜づくり (ひと目でわかる図解)(主婦と生活社)
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