カブは短い期間で育ちますので お手軽に栽培することが出来ますが、害虫が付きやすいのが難点ですね。
今回は 美味しくなるカブ栽培のポイント、害虫除けと病気予防になる種まき・間引きのコツについてご紹介いたします。
この栽培は、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている方法で、カブ栽培の基本、カブの病害虫についてご案内いたしますので、ご参考になさってください。
カブ栽培の病気予防のポイント
カブは春から冬にかけて、ほぼ一年中 栽培することができ、短期間で育ちますので家庭菜園で人気の野菜ですね。
この章ではカブ栽培の基本となる土(ウネ)、タネのまき方、間引きについてご案内いたします。
一年中栽培できるカブ
品種にもよりますが、カブは ほぼ一年中栽培することができます。
暑い夏の時期でも育てることは出来ますが、病気にかかりやすくなりますので注意が必要です。
少ない肥料で土づくり
カブは、ウネに有機物が多く残っていますと、害虫の産卵が増えてしまいますので、肥料分はあまり要りません。
前作の野菜で肥料が多く残っているウネであれば、施肥を行わなくてもよく育ちます。
カブの種のまき方・間引き
カブの種は「すじまき」にし、間引きは3回に分けてていねいに行いますと、カビや細菌による病気を防ぐことができます。
① 本葉1枚で株間を2~3cm
② 本葉3枚で株間を5~6cm
③ 胚軸(茎の部分)の太さ2cmの頃に、株間を10~12cm
病気感染を防ぐ大切な間引き
間引き作業は骨が折れますが、これによりカブが病気に感染するリスクを下げることが出来ます。
株の芽は徐々に間引くことで、胚軸が太り始めるときに初生皮層(しょせいひそう)という胚軸の薄皮がきれいに割れ、肥大する胚軸に傷がつきません。傷口かr侵入するフザリウム菌やバーティシリウム菌、軟腐病菌や黒腐(くろぐされ)病菌の感染率を減らすことができるのです。
引用「農薬に頼らない病虫害対策 73頁」
カブ栽培における害虫除けのポイント
肥料過多の土に要注意
カブを育てるウネに有機物がたくさん残っていますと、コガネムシ、カブラヤガ(ネキリムシの親)などの産卵が増えてしまいます。
これらの害虫を防ぐには、土づくりで肥料をたくさん施しすぎないようにすることです。
たとえば、夏野菜を育てたあとにカブを栽培する場合、肥料が多く残っているようであれば、無施肥でも十分に育ちます。
カブに付きやすい害虫
・ヨトウムシ類(写真)
・アブラムシ類
・カメムシ類
・コナガ
・カブラハバチ
・キスジノミハムシなど
害虫除けになる野菜
木嶋先生は、カブと科の異なる野菜(コンパニオンプランツ)を同じウネで栽培すると、害虫を寄せ付けない効果があるとご紹介されています。
アブラナ科のカブと相性の良い野菜は、シュンギクなど(キク科)、葉ネギ(ネギ属)、ニンジン(セリ科)です。
カブと他の科の野菜は それぞれ異なる害虫が付きます。別種の害虫は 互いを嫌う(避け合う)性質をもっていますので、野菜全体に害虫が寄り付かなくなります。
カブが甘く美味しくなるコンパニオンプランツ栽培
カブとシュンギクの混植は、害虫被害が少なくなる効果が期待できます。
しかしながら薬剤を使った栽培ではありませんので、確実に害虫をシャットアウトすることは難しいのですが、カブを単独で栽培するより効果的です。
なお木嶋先生は、シュンギクとの混植は 害虫忌避の効果のほかに、カブが美味しくなります。と、おっしゃっています。
シュンギクの株間で育つカブは シュンギクに支えられて風からのストレスがなくなりますので、甘みが増すからです。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている、甘く美味しくなるカブ栽培のポイント、害虫除け・病気予防になる種まき・間引きのコツをご紹介いたしました。
カブは肥料分が多い土で育てますと 害虫被害が増えますので、肥料をおさえて栽培するのがポイントで、ていねいな間引きをすることで 病気の感染を防ぐことが出来ます。
カブに付く害虫を防ぐには、シュンギク、ニンジンなどと一緒に育てるコンパニオンプランツ栽培もおすすめです。
カブを単独で栽培するより甘く美味しくなるのであれば、より楽しく育てることが出来そうですね。
カブのコンパニオンプランツ栽培につきましては、下の関連記事をご参考になさってください。
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[参考文献]