京都の伝統料理として古くから利用されてきた水菜は、今では全国各地でのおなじみの葉物野菜になりましたね。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、水菜の栽培ポイントについて、お伝えいたします。
元肥や追肥は不要で お手軽に栽培することが出来ますので、参考になさってください。
水菜栽培のポイントとコツ|種まき・栽培期間・害虫対策
水菜栽培のポイント
水菜は、水さえあれば育つと言われているほど水を好み、養分をあまり必要としない野菜です。
京都の周辺で育成されただけあり、水菜は粘土質の畑でよく育ちます。
低い栄養で育てると美味しくなる理由
水菜は、養分をたっぷり吸って結球するように育成された白菜とは異なり、低栄養型のまま育成された野菜です。
そのため、肥料っ気の少ない畑で育てたほうが、歯ごたえのある美味しい水菜を収穫することが出来ます。
水菜栽培の土づくり
水菜は、栄養が少ない土壌で育てますと、美味しくなります。
畝の高さ | 元肥 | 追肥 | |
粘土質の畑 | やや高め | 不要 | 不要 |
水はけの良い畑 | 平畝 | 不要 | 不要 |
砂質の畑 | 平畝 | 堆肥を施す | 不要 |
水菜の栽培期間
水菜は、春と秋に種をまくことができ、とくに、冬に向かって元気に育つ傾向があります。
水菜の種まき
露地栽培では、イチョウの葉が黄色くなる頃まで種まきが可能です。
ビニールトンネンルなどの保温資材を使用しますと、12月に入ってからも種をまくことができます。
水菜は、ほかの植物を排除し孤立して育つ特性がありますので、株間30cmほどの点まきにしますと大きな株に育てることができます。
点まき | 条まき |
1カ所に4粒 点まきし、株間30cm。間引いて1か所に1株残します。 | 間引きをしながら、最終株間を30cmにして育てるのもおすすめです。 |
水菜の害虫対策
アブラナ科の水菜は、コンパニオンプランツ栽培で害虫対策をすることが出来ます。
キク科の春菊、セリ科の人参、ヒユ科のほうれん草など、水菜と異なる科の野菜を同じ畝で育てますと、害虫が寄り付かなくなる効果があります。
[詳細]ミズナのコンパニオンプランツ|害虫忌避効果のある野菜をご紹介いたします
ご参考:水菜について
水菜の原産地
※ 画像はイメージです
アブラナ科である水菜の原産地は、南ヨーロッパの地中海沿岸地方で、カラシナの血を色濃く受け継いでいる菜の花の仲間です。
水菜の原種は 痩せた草原に自生しており、細かい根をたくさん出して、養分と水分を集めて育ちます。
そして、花を咲かせて種が落ちると密集して発芽しますが、やがて隣の株を排除しながら 大きな株に育ってゆきます。
水菜の日本への伝来
水菜は、渤海経由で若狭あたりに入り、京都の周辺で育成されたと言われており、1686年に京都の東寺、九条付近で栽培されたという記録が残っているようです。
「京菜」という別名が付いているように、水菜は京都の伝統野菜として関西で古くから利用され、平成に入ってから 全国的に食されるようになってきました。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、水菜の栽培ポイントについて、お伝えいたしました。
元肥や追肥は不要で お手軽に栽培することが出来ますので、参考になさってください。
[参考文献]