野菜の受粉の手助けをしてくれる「ペチュニア」をコンパニオンプランツにして栽培する方法をご紹介いたします。
春から夏にかけて長く咲くペチュニアは、ガーデニングで人気のお花ですね。
そのペチュニアが、野菜作りで受粉の手助けをしてくれる優秀なお花でもあることをご存知でしょうか。
今回はペチュニアと相性のよい野菜、栽培のポイントについてご案内いたします。
この方法は、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている栽培ですので ご参考にしていただきましたら幸いです。
受粉の手助けをしてくれるペチュニアとその効果
ペチュニアはとても花つきが良く、しおれた花(花がら)を摘んでゆきますと、次々と花を咲かせます。
ミツバチなどの訪花昆虫は、花の色と香りをたよりに寄ってきますので、色彩豊かなペチュニアを野菜のコンパニオンプランツにするのは最適な栽培法なのです。
ペチュニアをコンパニオンプランツにすると期待できる効果
⚘ 病気や害虫から野菜を守ります。
⚘ 野菜の生育を促します。
野菜の生育を促進するという意味は、よい実をたくさん付けることで、実を付けるために必要なのが受粉です。
花がたくさん咲くペチュニアはミツバチなどの昆虫がたくさん集まってきますので、近くに植えている野菜の花にも取りついて、確実に受粉の手助けをしてくれます。
その結果、野菜の実のなりが良くなることにつながります。
ペチュニアをコンパニオンプランツにするとよい野菜
ペチュニアをコンパニオンプランツにするとよい野菜は、家庭菜園で人気のイチゴとトマトです。
🍓イチゴ
春先から花を咲かせ始めるイチゴは、手や綿棒などで人工受粉して結実を促す方法が一般的ですが、ペチュニアをイチゴのそばで育てますと、花がたくさん咲くペチュニアにミツバチなどの昆虫が寄ってきて、そばのイチゴの花もミツバチが受粉してくれます。
🍅 トマト
トマトの花が咲いたら、指先でチョンチョンと受粉をする方法もありますが、トマトのそばにペチュニアを育てますと、イチゴと同じように昆虫が寄ってきて受粉の手助けをしてくれます。
ペチュニアをコンパニオンプランツ栽培するポイント
ペチュニアの準備
ペチュニアの種
種から育ててイチゴのコンパニオンプランツにする場合は、9月~10月に種まきをして保温しながら冬越しをします。
ペチュニアの苗
ペチュニアは3月中旬頃からホームセンターで販売され始めます。価格は1ポットあたり100円~です。
イチゴとペチュニアの栽培例
🍓 イチゴの苗の植え付け時期 9月中旬~10月下旬
🍓 ペチュニアの植え付け時期 4月頃
土づくり
イチゴの苗を植え付ける3週間前に完熟たい肥とボカシ肥などを施してよく耕しておきます。
イチゴの苗の植え付け
イチゴとイチゴの間隔を40cm空けて植え付けます。
ペチュニアの植え付け
イチゴの株間にペチュニアの苗を植え付けます。ウネの肩など、ところどころに植え付けても構いません。
追肥
11月上旬と2月下旬にボカシ肥を1回ずつほどこします。
収穫
イチゴの実が赤くなりましたら摘み取ります。収穫時期は 5月上旬から6月中旬ころまでです。
トマトとペチュニアの栽培例
トマトの苗の株元にペチュニアの苗を数株ずつ植え付けます。
ペチュニアには立ち性のものと、ハンギングなどに使われるツル性のものがありますので、畑の場合は立ち性のものを使いましょう。
なお、ベランダ菜園でトマトを育てる場合は、つる性のペチュニアを利用してハンギング栽培されますと、限られた空間で立体的に野菜と草花のガーデニングを楽しむことができます。
まとめ
野菜の受粉の手助けをしてくれる ペチュニアのコンパニオンプラツ栽培の方法をご紹介いたしました。
農学博士の木嶋利男先生は、次のようにおっしゃっています。
(野菜を)確実に受粉をさせて形のきれいな実をならすためには、花が咲いたら筆や綿棒などで人工授粉をしてあげる方法がありますが、やはり訪花昆虫が訪れる環境づくりをすることが先決です。
引用「コンパニオンプランツの野菜づくり 89頁」家の光協会
植物の力で益虫を増やして野菜の生育を促す方法は、昔ながらの野菜作りですね。
カジトラは今年 イチゴとペチュニアを一緒に栽培してみましたが、一度も人工受粉せずに、たくさん収穫することができました。
色鮮やかなペチュニアは、畑をとても華やかにもしてくれますので、オススメしたいコンパニオンプランツ栽培です。
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[参考文献]
木嶋利男著 コンパニオンプランツで野菜づくり (ひと目でわかる図解)(主婦と生活社)
木嶋利男著 決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり (育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88)(家の光協会)