家庭菜園でキュウリなどのウリ科野菜を育てていますと、葉っぱの表面に白い斑点が付くことがあります。
これは「うどんこ病」という、カビによる病気の可能性があります。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、うどんこ病にかかる原因と予防法、かかってしまった時の対処法をご案内いたしますで、参考になさってください。
うどんこ病にかかる原因と理由
うどんこ病にかかる原因
うどんこ病はカビによる病気です。
一般的に野菜は、梅雨時など じめじめした蒸し暑い時期にカビが発生しやすくなりますが、うどんこ病のカビは例外で、水に弱く乾燥した環境を好んで繁殖します。
元気な野菜に感染します
うどんこ病の菌は、「活物寄生菌」といって、生きているものにしか寄生できないため、元気な株が感染しやすいのが特徴です。
農学博士の木嶋利男先生によりますと、菜園の近くにハウスなどで周年栽培している農家さんから胞子が飛んできて感染すること場合もあるそうです。
うどんこ病になりやすい時期
うどんこ病は、4月から11月頃のやや涼しく乾燥している梅雨と、真夏以外の時期に発生します。
病気に感染してから白い斑点(胞子)を出すまでにとても長い時間がかかっています。
うどんこ病の特徴
野菜の葉っぱの表面に白い斑点が付くのが、うどんこ病の特徴です。
ウリ科の野菜でも、ツルの生え方で感染リスクに違いが出ます。
うどんこ病にかかりやすいウリ科野菜
うどんこ病は、野菜のほどんどがかかる病気です。
中でも被害が出やすいのはキュウリなどのウリ科野菜ですが、ツルの生え方によって感染リスクが異なります。
ネット栽培のキュウリ🥒
ネットに這わせてキュウリを育てますと、うどんこ病が出やすくなります。
地這いスイカ🍉
地這スイカは、草の中で育てたるため うどんこ病が出にくくなります。(その理由については後述いたします)
カボチャ🍈
カボチャの葉はスイカよりも高い位置を這いますので、うどんこ病の感染率が高くなります。
発見した時は手遅れです
野菜の中に侵入した菌糸を私たちは肉眼で判別することは出来ません。
野菜の中に潜んだ菌糸は、これ以上食べられないという状態になりますと外に飛び出して、白い粉がふいたような症状として現れます。
私たちが白い斑点を確認した時は、すでに病気が進んでしまっている状態で、薬などをかけても治すことは出来ません。
うどんこ病を予防する方法
ウリ科作物のうどんこ病対策
草生栽培で予防
※ わが家は、キュウリとエンバクのコンパニオンプランツ栽培を行っております
木嶋先生がおすすめされている予防法は、うどんこ病にかかりやすい野菜のウネの間にムギなどを生やしておく対策です。
また、ウネや通路の雑草を、ある程度 生やしておくのも効果的です。
なぜならムギや雑草は、先端に水滴がたまっていることが多いからです。
飛来してきた うどんこ病の胞子がムギや雑草の水滴に落ちますと、破裂(バースト)しますので、野菜への感染率が下がります。
多品種栽培で感染リスクを減らす方法
例えば、キュウリとカボチャを隣りどうしで栽培しますと、キュウリに感染した胞子は カボチャに移ることはありません。
なぜなら うどんこ病は宿主特異性(しゅくしゅとくいせい)で、寄生できる植物が決まっているからです。
同じ科の野菜でも系統が異なりますと胞子は寄生できませんので、西洋系や伝統品種などの多品目栽培をしますと、感染のリスクを減らすことが可能です。
エンドウ豆のうどんこ病
エンドウ豆は、春の収穫期に乾燥した日が続きますと、うどんこ病が発生しやすくなります。
白いカビが出る前に対処しましょう
花が咲き始めて土が乾燥していましたら、株全体に水がかかるように散水すると効果があります。
ウリ科野菜と対処法は異なりますが、水をかけることによりうどんこ病の予防になり、実の付きも良くなります。
うどんこ病が発病した時の対処法
野菜の葉っぱに白い斑点が現れてしまった時点で手遅れですので助けることは出来ませんが、これ以上 胞子を飛ばさせないようにする必要があります。
土に埋める対処法(ウリ科作物)
うどんこ病が出た葉っぱをそっとちぎり、深さ40~50cmに掘った穴の中に埋め、足で踏んでしっかり鎮圧します。
うどんこ病は酸素を必要とするため、土に埋めてしまいますとこれで死滅します。
別の植物のうどんこ病で絶やす方法
うどんこ病にかかった別の植物の葉を、斑点部分に叩く方法もあります。
木嶋先生は、うどんこ病のほとんどは「アンペロマイセス・クイスクアリス」という菌寄生菌がいるので、ほかのうどんこ病菌を振りかけることで菌寄生菌が増え、うどんこ病を絶やすことが出来ますと、紹介されています。
まとめ
うどんこ病にかかる原因と予防法、かかってしまった時の対処法をご紹介いたしました。
うどんこ病の予防法
🍃 多品種を栽培して感染リスクを減らします。
🍃 かかりやすい野菜の近くにムギや雑草を生やしておきます。
うどんこ病の対処法
🍃 斑点が出ている葉っぱをそっとちぎって地中深くに埋め、うどんこ病を死滅させます。
🍃 うどんこ病にかかった別の植物の病菌を振りかけて絶やします。
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[参考文献]
[ご参考:うどんこ病の予防の手助けをしてくれるムギ]