農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「里芋の親芋を種イモに使う栽培法」について、ご案内いたします。
一般的な里芋の栽培は、子イモを種イモに使い、親芋のほとんどは廃棄されているようですが、木嶋先生は、親芋を種イモに使うと子イモに比べて生育が旺盛なため、収量が1.5倍(!)に増えると、紹介されています。
今回は、親芋を種イモにして栽培するポイント・注意点についてご案内いたしますので、参考になさってください。
捨てないで!収量が1.5に増える里芋の親芋栽培
親芋を種イモに使うと良い理由
栄養分が多い親芋
里芋の栽培は、コロンとした子イモを種イモにしますと、手軽に植え付けることが出来ます。
一方で、種イモとして取り扱うのが不便な大きな親芋は、ほとんどが廃棄されてしまうようですが、実は親芋は貯蔵している栄養分が多いことを意味します。
旺盛に生長する親芋
栄養分が多い親芋は、子イモに比べて萌芽(ほうが=芽がもえ出ること)が早く、その後の生育も旺盛で、収量は約1.5倍に増えると言われています。
木嶋先生の裏ワザ「親芋そのまま植え」で無駄なし里芋栽培
里芋の親芋を上手に栽培するポイント
普通栽培より広く深く株間をとります
木嶋先生の裏ワザ「(里芋の)親芋そのまま植え」は、普通栽培より株間を広くとります。
普通栽培は、種イモ(子イモ)の株間を約50cm、種イモを植え付ける深さは約15cmほどですが、親芋の場合は株間を60cm、深さを約20cmにします。
なお、親芋を使う場合でも、木嶋先生の裏ワザ「里芋の逆さ植え」を行うことが出来ます。
[詳細]逆さに植えるだけ!「サトイモの逆さ植え」の4つのメリット
土寄せは2~3回
親芋の芽は、伸びだしてからの草勢は強く、子イモからも盛んに茎葉が伸びます。
そのため土寄せは2~3回行い、子イモの茎葉を土に埋めます。
里芋の親芋を種イモに使う際の注意点
親芋をすぐには種イモにしないで
木嶋先生によりますと、越冬させた里芋の親芋を、翌年すぐには利用しないほうが良いそうです。
木嶋先生は、親芋を種イモとする場合は、事前にその土地への適応性を高める必要がありますと、紹介されています。
まず、子イモ・孫イモで3~4年栽培します
里芋は、その土地への適応性を高めるために「芽条変異(がじょうへんい=芽の細胞における遺伝子の突然変異)」が生じやすい野菜で、とくに子イモと孫イモは芽条変異が起こりやすいのが特徴です。
そのため、3~4年間は子イモや孫イモを種イモとして栽培し、適応性を高め、その後 親芋を種イモにして毎年栽培してゆきます。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「里芋の親芋を種イモに使う栽培法」について、ご案内いたしました。
里芋栽培は、子イモを種イモにするより親芋を利用するほうが、生育が旺盛になり収量が1.5倍に増えると言われています。
親芋を種イモに利用する場合は、子イモや孫イモを種イモとして3~4年栽培して里芋の適応性を高めます。
するとそれ以降、親芋を種イモにして毎年栽培することが出来ます。
親芋を種イモにするまでには時間を要しますが、あなたの畑に合った美味しい里芋を収穫することが出来るようになるかと思いますので、参考になさってください。
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