タネの袋に「すじまき」「てんまき」「ばらまき」など、種のまき方が書いてありますね。
具体的にどのように、深さ何センチの土にまくかご存知でしょうか?
私は野菜や花の種をよく分からないまま適当にまいていた頃は、まったく芽が出ないという失敗を何度も繰り返してきましたが、農学博士の木嶋利男先生の著書にある種まきのコツ・ポイントで発芽率が上がってきたことを実感しております。
今回は、タネのまき方の基本「点まき」「すじまき」「ばらまき」についてご案内いたしますので、ご参考にしていただければ幸いです。
タネまきについて
一般的に成長が早いものや、移植をいやがる花や野菜は「タネ」からまきます。
例をあげますと、レタス・ホウレンソウ・ルッコラ・春菊などの葉物野菜はタネからまくことが多いです。
また発芽率が良いと言われているマメ科のエダマメ・ソラマメ・スナップエンドウなども タネからまくケースが多いですが、苗で販売していることもあります。
タネまきの方法「点まき」
点まきについて
一定の間隔にタネをまく方法を「点まき」といいます。
芽が出て背丈が高くなったり、根っこが大きくなる野菜は点まきします。
点まきの方法
1.空き缶やビンの口を利用して、土にくぼみを付けます。(写真はマルチカッターです)
2.タネの袋に記載されている土の深さに従って点まきします。
3.タネの上に土をかけて、手で押してしっかり鎮圧します。
ふんわり土をかけただけですと、水やりや雨で土が流れてしまいタネが浮き出てしまいます。また、発芽したときに土が盛り上がり芽が倒れてしまいますので、ギュウギュウ土を鎮圧するのがポイントです。
4.土をかぶせましたら最後に水やりをします。土が湿っている場合は水やりを行わなくて良い場合もあります。
タネまきの方法「すじまき」
すじまきについて
土に溝をつくり、その溝に沿って等間隔にタネをまく方法を「すじまき」といいます。
コマツナ、ミズナ、ホウレンソウ、ルッコラなどの葉物野菜や、ニンジン、カブなどの小さいタネは「すじまき」します。
すじまきの方法
1.板の角や移植ごての先端などを土に押し当てて、深さ0.5cm~1cmの溝をつくります。
2.タネが重ならないように溝に落としてゆきます。
2.土をつまむようにしてタネを覆います。
4.手や板などを使って土を上からしっかり鎮圧します。マルチを張っていない場合は、足で踏み付けても構いません。
5.土が湿っている場合は最後に水やりを行わなくても構いません。
乾燥が気になるようでしたらスプレーに入れた水を吹きかけたり、目の細かいジョウロで水やりをします。勢いよく水を与えますとタネが流れてしまうので気を付けて。
タネまきの方法「ばらまき」
ばらまきについて
土の上に直接タネをパラパラふりかける方法を「ばらまき」といいます。
この方法は、すじまきより一度にたくさんのタネをまくことが出来ますので労力が少なくなります。
しかしながら、発芽した後の間引きの作業(混み合った芽を摘み取ること)も結構たいへんですので、レタスなど間引きをしながら幼苗期でたくさん摘み取る野菜が ばらまきに向いています。
タネの種類について
タネは発芽において太陽の光が必要な「好光性種子(こうこうせいしゅし)」と、光によって発芽が抑えらえる「嫌光性種子(けんこうせいしゅし)」があります。
好光性種子(こうこうせいしゅし)
タネをまいた溝が深すぎたり、土を厚くかけてしまいますと太陽の光が足りずに発芽しません。
私はこのタネまきが実に苦手で、幾度となく発芽しないという失敗を繰り返してきました。
嫌光性種子(けんこうせいしゅし)
反対に嫌光性種子は、光によって発芽が抑えらえるタネです。
例えば、トマト、ピーマン、ナスなどのナス科の野菜、キュウリ、メロン、スイカなどのウリ科、玉ねぎ、マメ類などがこれに該当します。
ペレット種子
ペレット種子とは、タネをコーティングして丸い粒に成形されたものをいいます。
形が均一ですので、小さい種でも比較的 簡単に種まきすることが出来ます。
なお、ペレット種子はコーティングされていることによって発芽に水分がキダネ(コーティングなしのタネ)より多く必要になり、キダネより寿命が短く値段がお高めであるのが特徴です。
発芽率をアップするタネまきのコツ
基本は0.5~1cmの深さで
タネの袋を見ますと、タネをまく土の深さが何cmという表示があまりないように感じます。(ウネの幅や、株間は記載されていますけれども)
タネはゴマ粒より小さい極小のものから、大きなタネまでいろいろありますが、おおよそ0.5~1cmの深さにまくのが基本のようです。
好光性種子・嫌光性種子以外のほとんどタネは、溝の深さ0.5~1cmを目安にまくと良いそうです。
水やりは大事。でもほどほどに。
タネをまいてから発芽するまでの水分は大事とよく言われていますが、一生懸命水やりしすぎますとタネにダメージを与えてしまう場合があります。
例えば、夏の暑い時期に発芽率が低いニンジンのタネをまく場合は、せっせと水やりするのは良いでしょう。
しかしながら エダマメやソラマメのようなマメ科は、水を与えすぎるとタネがカビたり腐ってしまう場合がありますので、それぞれの特徴に合わせて適度な水やりを行いましょう。
前の日に水に浸す方法も
種によっては、数時間~昼夜 タネを浸水させて種まきする方法もあります。
好光性種子はこの方法を用いると発芽率がよくなると言われています。
タネの袋に書いてあることがありますので、おためしになってみてくださいね。
「間引き」して、丈夫な苗を育てましょう
芽が出ましたら「間引き」をして、丈夫な苗を育ててゆきます。
間引きとは、混み合った芽を摘み取って、間隔を空けることを言います。
間引きの方法は 葉が不ぞろいの弱そうな芽をやさしく摘み取り、残した芽の根元がぐらつかないように、土を寄せて安定させます。
これを繰り返して、最終的に元気な苗を残して育ててゆきます。
芽と芽の間隔、間引く回数は野菜によって異なりますので、種袋をご参考になさってくださいね。
まとめ
基本のたねまきの方法をご紹介いたしました。
🌱 点まき・すじまきは、土をしっかり鎮圧しましょう。
🌱 ばらまきは、間引きをしながら育てるレタス等がおすすめです。
🌱 好光性種子以外は、0.5~1cmの深さでまいて、土を厚くかぶせないようにしましょう。
好光性種子のすじまきが苦手だった私も、最近ようやく発芽に成功することが多くなり感動しているところです。
このページがタネのまき方がよく分からないとお困りの方のお役に立てられたら嬉しく思います。
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