農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、スイカとネギのコンパニオンプランツ栽培について、ご案内いたします。
ウリ科野菜とネギは相性が良く、病気予防になると言われていますが、スイカとネギのコンパニオンプランツ栽培は、キュウリやゴーヤと若干異なる方法で育てます。
今回は、スイカの原産地の様子についてもお伝えいたします。木嶋先生は、原産地に似たような環境で育てますと生育がよくなりますと紹介されていますので、参考になさってください。
スイカとネギのコンパニオンプランツ栽培のコツ
スイカの原産地について
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スイカの原産地は、アフリカ南部の砂漠周辺のステップ地帯で、とても養分が少ない乾燥した土地に自生しています。
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原種のスイカは、乾燥した痩せ地にツルを這わせて育ち、水分をたっぷり蓄えた実がゴロゴロと転がっていると言われています。
スイカのルーツ
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スイカはアフリカからシルクロードを渡り、現在の中国経由で室町時代の頃、日本に入ってきたと言われています。
大陸の西から伝わってきましたので、「西瓜」という漢名になりました。
日本の産地
スイカは、砂地や昼夜の温度格差が大きな地域で糖度が高くなることから、鳥取県などでブランド品が生れています。
🍉 極実スイカ | 鳥取県 |
🍉 らいでんスイカ | 北海道 |
🍉 尾花沢スイカ | 山形県 |
スイカのネギのコンパニオンプランツ栽培のポイント
スイカとネギのコンパニオンプランツ栽培のコツ
スイカを種から育てる場合、ネギの種を2粒ずつほど一緒にまきます。
スイカの育苗期間はおおよそ30日で、この間にポットの中で互いの芽がよく絡んで、菌根菌ネットワークが作られて、のちのちの育ちがよくなります。
また、スイカのつる割れ病を防ぐのにも効果があると言われています。
キュウリとゴーヤとここが違う!
スイカとネギ
キュウリとネギ
同じウリ科のキュウリとゴーヤなどは、苗を定植する際、それぞれの根っこを絡ませます。
原産地の様子からも スイカは、根を深くに下ろす性質があるため、定植時の混植では根を絡ませたくても間に合わなくなりますので、ポットに種を同時にまくことで、混植の効果がしっかり得られます。
土づくりについて
スイカの原種は、砂漠周辺のステップ地帯に自生していますので、砂質の土壌でよく育つ性質があります。
砂質や、中間的な土壌で水はけが良い場合、畝を高くする必要はなく、深さ20cm、直径50cmの穴を掘って、完熟堆肥(落ち葉堆肥など)を3リットルほど埋めて、そこに苗を植えます。
粘土質の土壌で水はけが悪い場合、高畝をつくります。
上記と同様に完熟堆肥を埋めましたら、土を寄せて高さ20cmほどの畝をつくります。
スイカは、完熟堆肥があるところまで根を伸ばし、そこから横方向に根を伸ばしてゆきます。なお、痩せた土地生まれのスイカはボカシ肥料は必要なく、完熟堆肥だけで十分に育ちます。
水はけの良い畑 | 粘土質の畑 | |
畝の高さ | 平畝 | 20cm程度の高畝 |
元肥 | 深さ20cmに完熟堆肥を1株あたり3リットルずつ埋めておきます。ボカシ肥は不要です。 | |
追肥 | 元肥だけで足りますので追肥は不要です。 | |
ポイント | ワラや刈り草を敷いて土の乾燥を防ぎます。 |
広いスペースでのびのび栽培
スイカは地面にツルを這わせて育てます。
スイカにも、ゴーヤやキュウリのような巻きヅルがありますが、木に伝うほどまでではありません。
畝の南側にツルを伸ばすスペースを1.5~2メートルほど用意します。
ツルが伸びるスペースには、刈り草やワラを敷いて乾燥を防ぎます。
スイカと相性の良い草
※ スベリヒユ
スイカを育ててゆきますと、スベリヒユが自然に生えてくることがあります。
この草は、スイカととても相性が良いので、除草しないで残しておいてみてください。
土の乾燥を防ぎ、スイカの生育が旺盛になります。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、スイカとネギのコンパニオンプランツ栽培のコツについて、ご案内いたしました。
スイカは根を深く下ろす性質がありますので、種をまく際に、ネギの種も一緒にまいて育てるのがおすすめの方法です。
次の記事では、甘いスイカに育つ木嶋先生の栽培ポイントについてご案内いたしますので、参考になさってください。
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