さつまいも苗の植え付け前の準備について、ご紹介いたします。
4月の終わり頃から さつまいもの苗がホームセンターに出始めましたが、どのような苗を選んでよいか悩まれたことはないでしょうか。
今年カジトラは、おじさんやおばさん(含む自分)にもみくちゃにされながら、最後の1袋を息も絶え絶えに購入してまいりました。
今回は、苗の選び方・根を活着させる裏ワザ・病気対策・水平植えの方法についてご紹介いたしますので、ご参考にしていただければ幸いです。
さつまいも苗の選び方
今年はさつまいもの苗が残り1袋だったため、選ぶ余地がなかったカジトラですが、ウネも立てたことだし すぐにでも植え付けようと意気込んでいました。
農学博士の木嶋利男先生の著書と、日ごろ参考にさせていただいている「ヒゲおやじのきまま流野菜づくり日記」を拝見したところ、危なかった!と胸をなでおろしました。
さつまいもは「しおれた苗」を選びましょう
木嶋先生もヒゲおやじさんのどちらも、さつまいもの苗は「売れ残りの ややしおれた苗を選びましょう」と、おっしゃっています。
野菜の苗は、青々したみずみずしいものを選ぶのが鉄則のようなところがありますが、さつまいもの苗に関しては、しおれているほうが良いのだそうです。
つる割れ病のリスクを下げるため
さつまいもは、切り苗をウネに挿して育てます。
木嶋先生は常に「定植時(苗の植え付け時)が病気の感染リスクが高く、健康な苗でも病原菌は切り口から侵入して病気を引き起こします。」と、おっしゃっています。
さつまいもの苗は、切ってから1週間前後で病原菌に感染しづらくなりますので、それ以降にたとえ感染しても発病しなくなるのだそうです!
乾燥気味のさつまいも苗がGOOD!
さつまいもの苗の切り口を乾燥させて植え付けますと、発根が早くなりさつまいもは健全に生長します。
反対にピーンとした状態の苗を植えたり、植え付ける直前まで水に挿しておきますと、つる割れ病にかかりやすくなります。
さつまいも苗「植え付け前の準備」
ヒゲおやじさんのページで、さつまいもの苗を植え付ける前のコツをご紹介されていましたので、カジトラも同じように行ってみました。
植え付け前に発根させるコツ
さつまいもの苗を段ボールに入れて新聞紙で上と下を包み、水をかけて1週間から10日ほど 日かげにおきます。
新聞紙が乾燥してきたら時々 上から水をかける程度で良いそうです。
段ボールのフタをして、日かげ(玄関)に5日ほど置いておきました。
1日に1回ほど、軽く水をかけてそのまま放置です。
5日後のさつまいも苗
5日でたくさん根が出ました。すごい生命力ですね。
もっと発根したほうが良いのかもしれませんが、これを植え付けることにしました。
昔農家さんの「裏ワザ」活着のよい挿し穂づくり
木嶋先生の著書で、昔農家さんの裏ワザ「活着がよくなる挿し穂づくり」をご紹介されていました。
市販のサツマイモの挿し穂は 長さが30~40cmほどで、つるの先端7~8節を切ったものが多いのですが、木嶋先生によりますと先端は細胞分裂が盛んである反面、乾燥に弱く枯れやすい性質があるのだそうです。
一方で、株元に近い部分のツルはかたくて乾燥に強い反面、生育が鈍く、植え付けた後の活着が遅くなりわき芽の伸びも悪くなります。
そこで先端と株元をカットして、中間の充実した部分の4節を使いますと、活着が早く、わき芽も良く伸びますので収穫量が増えます。
先端と株元をカットする方法は、2回目の植え付けで行いました。
先端と株元をカットし、4節残したものを植え付けて1週間経ちました。
しっかり活着したようで、先端から葉が生えてきました。
この植え付けのほうが根がしっかり付いたような印象です!
これからはこの方法を行ってゆこうかなと思います。
さつまいもの病気対策
木嶋先生おすすめの病気対策は、さつまいものウネの周囲にエンバクやコムギなどをまいておく方法です。
エンバクやコムギは土壌微生物が多様化して病原菌密度が下がるため、病気防除効果が得られます。
引用 農薬に頼らない病害虫対策
さつまいもの苗「植え付け方法」
さつまいもの苗の植え方は、斜め植え、水平植え、船底植え、垂直植えなどいろいろありますが、今回は「水平植え」にいたしました。
昨年、さつまいもの栽培に初挑戦し「斜め植え」にしたところ、イモが思ったより大きくなかったことにガッカリしたので、今年は別の植え方に挑戦しました。
水平植え
植え付ける土の深さは6~7cm
マルチをカッターナイフで切って土を6~7cmほど掘り、根っこを下に向けて植え付けました。
根っこを下に向けて植穴に置きます
根元を押さえて土を覆います
根元をしっかり押さえて土をかけます。
葉っぱは埋めないで
葉っぱは土の上に出して植え付けるのがポイントです。
水やりについて
さつまいもの苗を植え付けたあと、マルチの中の土がしっとりしていたので水やりは行いませんでした。
ヒゲおやじさんによりますと、さつまいもは水が要らない植物のため、苗を植え付けた時に十分に水をあたえておけば、よほどのことがない限り水やりは必要ないそうです。
さつまいも栽培「7月」
さつまいもの苗を植え付けて40日ほど経ちました。
コンパニオンプランツと一緒に育てていますのでワサワサしています。
しなびたツルを植え付けて本当に育つかしらと心配していましたが、順調に大きくなっています。
さつまいものコンパニオンプランツ
さつまいもとの混植で(一緒に栽培することです)、害虫を寄せ付けなくしたり、生育を促進させる共生植物(コンパニオンプランツ)を別の記事にてご紹介しておりますので、ご参考になさってください。
[詳細]
美味しく育つ!サツマイモとコンパニオンプランツで害虫よけと生長促進!
まとめ
さつまいも苗の植え付け前の準備について、ご紹介いたしました。
🌱 苗の選び方
しおれて乾燥した苗を選びましょう。植え付け前に湿らせた新聞紙を包み発根させるのがコツです。
🌱 病気対策
ウネのまわりにエンバクやコムギをまいておきますと、病原菌の密度が下がります。
🌱 水平植えの方法
地面に対して水平に植え付けます。
さつまいもの栽培は2回目ですが、今年は大きくて甘いイモが収穫できればと思っております。
このページは1か月に1回程度 更新の予定ですので、またのご訪問をお待ちいたしております。
[参考文献]