オクラの後作におすすめの野菜と、栽培の裏技についてご案内いたします。
この方法は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている栽培で、収穫したオクラの茎を支柱代わりにするたいへん効率的な育て方ですので、参考になさってください。
オクラの後作に良い野菜一覧
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、オクラの後作におすすめの野菜です。
後作におすすめの作物 コンパニオンプランツ 病気予防 害虫忌避 生育促進 空間利用 タマネギ・ニンニク ソラマメ・エンドウ ● ● ● ● カモミール ● クリムソンクローバー ● ●
オクラの後作におすすめ「タマネギ・ニンニク」「ソラマメ・エンドウ」
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、オクラの後作におすすめの野菜は、「タマネギ、ニンニク」と「ソラマメ・エンドウ」を混植(一緒に栽培)する方法です。
これらの作物は、植え付けと収穫時期がほぼ一緒ですので、同じ畝で空間を利用しながら効率的に栽培することが出来ます。
共生する「タマネギ・ニンニク」と「ソラマメ・エンドウ」
マメ科の作物と相性が良い タマネギ・ニンニクは、冬の寒い期間 互いに根っこを張るため霜柱が立ちにくくなり、寒さのダメージが少なくなります。
ネギ属がマメの病気を予防
ネギ属のタマネギ・ニンニクは、根っこに共生する菌が抗生物質を出します。
このためソラマメ・エンドウは立枯草などの病気にかかりづらくなると言われています。
害虫忌避の効果
翌春になり気温が高くなってきますと、ソラマメにはソラマメヒゲナガアブラムシや、マメアブラムシなどの害虫が発生することがあります。
その害虫を目当てにテントウムシ、アブラバチなどの天敵がやってきて、タマネギとニンニクに付きやすい害虫を駆除してくれます。
春になると土が肥沃に
さらに気温が高くなりますと、ソラマメ・エンドウの根っこに付く根粒菌が活発に窒素固定を行うようになるため、土が肥沃になります。
その結果、タマネギ・ニンニクは肥沃になった土の養分を吸収しますので玉が大きくなります。
支柱の代わりになるオクラの茎
木嶋利男先生は、オクラを収穫した後、茎をそのまま植えておき、ソラマメとエンドウの支柱代わりにする裏技を紹介されています。
枯れたオクラの茎を支柱代わりに
枯れたオクラの茎の株元に ソラマメとエンドウの種をまきますと、オクラの茎が支柱代わりになります。
寒風よけにも
晩秋に種まきをしたソラマメ・エンドウは、寒い風にあたると凍死してしまう場合があります。
一般的に行う寒さ対策は、ネットや笹などを使いますが、枯れたオクラの茎を利用することも出来ます。
なお、オクラの茎だけでは完全に寒さよけにならない場合がありますので、笹や敷き藁を立てかけますと、より効果的かと思います。
わが家は、オクラの茎と、市販の支柱・ネットを併用してエンドウの栽培を行っております。
タマネギ・ニンニクのコンパニオンプランツ「カモミール」
前の章でご案内した「ソラマメ・エンドウ」と「タマネギ・ニンニク」の畝の近くにカモミールを育てますと、害虫忌避の効果が高まります。
カモミールで害虫「スリップス」を忌避
タマネギを栽培している時に、ときどき葉のところどころが白くなることがありますね。
これは体長1ミリほどの害虫「スリップス(ネギアザミウマ)」による被害の可能性があります。
症状がひどくなりますと光合成が行えなくなり、生育不良になってしまいます。
そこでタマネギ・ニンニクのウネの近くにカモミールを植えておきますと、スリップスはカモミール独特の香りを嫌い、寄り付かなくなってきます。
当方は自宅の植木鉢でカモミールを育てていますが、開花時期(4~5月)は、それはもう凄まじい数のアブラムシが付きます。
しかしこれにより天敵ミツバチの飛来が増え、ほかの花の害虫被害が少ないように感じます。
カモミールの植え付けポイント
カモミールの種類
一年草のジャーマンカモミール
小さいタイプのカモミールで 扱いやすい品種です。
多年草のローマンカモミール
ローマンカモミールは多年草で草丈が低くこんもり育ちます。
花・茎・葉の株全体から強い香りを発しますので、風上にあたるウネの周り、畑を縁取るように植えても良いでしょう。
暑さに弱いので、夏は刈り込んで風通しをよくします。
カモミールの準備
種から育てる場合
9月中旬~下旬にばらまきして育てておきます。
苗の購入
ホームセンターなどで販売されている苗を利用することも出来ます。
タマネギ・ニンニクとの間隔
タマネギ・ニンンク4~5株に対し、カモミールを1株程度植え付けます。
カモミールどうしを1mちかく離して植えけた場合でも、害虫忌避の効果を十分に発揮します。
タマネギ・ニンニクのコンパニオンプランツ「クリムソンクローバー」
真っ赤な花を咲かせるクリムソンクローバーは、ストロベリーキャンドルとも呼ばれています。
マメ科の緑肥作物「クリムソンクローバー」
クリムソンクローバーは緑肥作物で、根っこに付いた根粒菌が空気中の窒素を固定し土を肥沃にする働きがあります。
この養分でタマネギ・ニンニクの玉が肥大します。
害虫と天敵を呼び込みます
わが家で初めてクリムソンクローバーを栽培した時、赤い花に大量の虫が付いているのを確認した時はそれはもう恐ろしかったのですが、数週間後、まったく虫が付かなくなったのには驚きました。
クリムソンクローバーは葉に大量のアブラムシなどが付きますが、そのうち益虫のテントウムシも呼び込み「すみか」に変わります。
このためソラマメ・エンドウに付きやすいアブラムシをテントウムシが退治してくれくれます。
当方の経験ですが、クリムソンクローバーは、たくさんのテントウムシが寄ってきますので、おすすめしたいコンパニオンプランツです。
ほかの雑草を生やしづらくします
クリムソンクローバーは3月頃になりますと急速に生長し、ほかの雑草が生えるのを防いでくれます。
ご覧いただいている上の写真は、4月下旬のわが家の庭です。クリムゾンクローバーは他の草の草を抑えてくれますので管理がとてもお手軽です。
クリムソンクローバーの植え付けポイント
品種選び
ホームセンターなどで緑肥用として販売されています。
クリムソンクローバーの種まき
タマネギ・ニンニクを植え付けたあと、ウネの周りやウネの中にばらまきして軽く土と混ぜておきます。
枯れたあとは肥料として使います
クリムソンクローバーは4月の終わり頃に真っ赤な花を咲かせ、5月半ばに種を付けます。
こぼれ落ちた種から雑草化する場合がありますので、種を付ける前に刈り取ってしまってかまいません。
刈り取った茎・葉は肥料分が豊富に含まれていますので、そのままウネにしいて草肥にすることが出来ます。
まとめ
オクラの後作におすすめのコンパニオンプランツをご案内いたしました。
この栽培は農学博士の木嶋利男先生が紹介されている方法で、オクラの枯れた茎を支柱と寒風よけにする効率的な方法です。
後作野菜でご紹介しました「タマネギ・ニンニク」と「ソラマメ・エンドウ」の混植は、互いの生長が促進する効果が期待できます。
さらにコンパニオンプランツの「カモミール」「クリムソンクローバー」は害虫を寄せ付けず、土を肥沃にさせる効果がありますので、参考になさってください。
[参考文献]
[コンパニオンプランツの種]
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