農学博士の木嶋利男先生が紹介されているトマトやナスなどを食害する害虫「タバコガ」を無農薬で対策する方法をご案内いたします。
木嶋先生のタバコガ対策は、畑にとってよりよい環境にしてゆく第一歩でもありますので、参考になさってください。
タバコガ類について
タバコガの種類
タバコガは蛾の仲間で、トマトやナスを好む「タバコガ」、ナス科以外の野菜やお花を好む「オオタバコガ」がいます。
タバコガの幼虫が小さい頃は、ナス科のトマトやジャガイモのやわらかい葉を食害します。
ナスの葉は好まず実に付くことが多く、大きくなった幼虫は実に穴を開けて中身を食害します。こうなってしまいますと、農薬も効果はありません。
タバコガの発生時期
タバコガは6月~10月に発生し、梅雨明けから9月頃がピークになります。
タバコガが野菜に付く理由
窒素過多の株
窒素が多い野菜の株は幼虫が育ちやすいため、産卵されやすくなります。
赤い色を好むため
タバコガ類の成虫(蛾)は、赤い色に誘引される習性があります。
タバコガ類の被害にあいやすいトマトは 実が青いうちから食害されますが、木嶋先生によりますと、茎や葉に赤い色素が少しのっているかもしれませんとのことです。
家庭菜園のタバコガを防ぐ対策
無農薬で防ぐ対策
適量の肥料を施します
野菜の株が窒素過多にならないよう、肥料を多く施さないようにし、丈夫に育てることがポイントです。
とくにトマトは肥料分をあまり必要としませんので、元肥を控えめにします。
対策1「野菜のまわりに障壁を作る」
畑の周囲に背の高いソルゴーやひまわりなどの障壁をつくるのも効果的で、これで成虫の飛来を防ぐことが出来ます。
対策2「光の乱反射を利用する」
野菜のまわりにキラキラするヒモを張りますと、光の乱反射で成虫はうまく飛べなくなります。
対策3「花の色で誘引と忌避する」
タバコガ類は赤色を好みますので、畑にサルビアなど赤いお花を植えておきますと そちらに誘引させることが出来ます。
反対に、黄色を嫌いますので、野菜の近くにマリーゴールドなど黄色いお花を植えますと、忌避することが出来ます。
対策4「卵を発見したらつぶしましょう」
タバコガ類は新芽あたりに1~3粒ずつ、淡い黄色の小さな卵を産み付けますので、見つけ次第 つぶしたり取り除いて孵化するのを防ぎましょう。
対策5「バジルを植えて天敵を呼び寄せる」
野菜のそばにバジルを植え、花を咲かせて訪花昆虫を呼び寄せるのもおすすめです。
タバコガ類の天敵は、カマキリ、カエル、寄生バチなどで、バジルの花には”寄生バチ”が寄ってきます。
タバコガ類の駆除する裏ワザ
タバコガ類を防ぐ対策をご紹介してまいりましたが、無農薬栽培の場合、完全にシャットアウトをするのは難しいかもしれません。
もし、野菜にタバコガ類が付いているのを発見しましたら、木嶋先生の裏ワザ「半殺し」をおためしになってみてください。
方法は、タバコガの下半身をつぶして半殺しにし、野菜の葉の上に置いておくだけですが、これにより昆虫寄生菌がバーっと畑に広がり、害虫被害が少なくなってゆくのだそうです。
わが家はこの方法でイモムシ系の害虫を駆除しております。上の画像は体長10cmまでに成長したタバコガらしき虫ですが、本当に恐ろしかったです。
半殺し対策につきましては、本ページ最後の関連記事を参考になさってください。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている無農薬でタバコガ類を防ぐ対策について、ご案内いたしました。
木嶋先生は、健全に育っている野菜は害虫にとっての毒をもっているため、被害が少なくなりますと述べられています。
例えばトマトのリコピン、ニンニクのアリシンなどは害虫にとっての毒になり、健康な野菜はその成分が多く含まれますので害虫は寄り付かなくなります。
一方で、不健康な野菜は害虫の毒となる成分が少なくなります。
窒素過多の株、元気のない株、天敵が棲みにくい畑は害虫につけこまれやすくなります。(コバエが腐りかけの食材にたかる原理ですね)
無農薬でタバコガ類を防ぐ対策は手間と時間がかかりるかもしれませんが、家庭菜園の醍醐味でもありますので、参考にしていただきましたらうれしく思います。
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