姿かたちがテントウムシに似ていることから「テントウムシダマシ」とも呼ばれているニジュウヤホシテントウの対策について、ご案内いたします。
この対策は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されているもので、テントウムシダマシの性質を活かした方法です。
無農薬で野菜を栽培されている方におすすめしたい方法ですので、参考になさってください。
テントウムシダマシについて
テントウムシダマシはどんな虫?
テントウムシと見た目が似ていることから「テントウムシダマシ」と呼ばれているニジュウヤホシテントウは、成虫になりますと翅(はね)に28個の黒い斑点が付きます。
発生時期
テントウムシダマシは5月~10月頃に発生します。
テントウムシとの見分け方と相違点
テントウムシダマシは、翅(はね)の黒い斑点がテントウムシより多く、くすんでツヤがありません。
また テントウムシと異なる点は「草食」であることで、幼虫も成虫もナス科野菜を好んで食害します。
テントウムシダマシの被害に遭いやすい野菜
テントウムシダマシは、暖かい季節に発生し、6月頃から幼虫が増え始めます。
そのためジャガイモの近くにナスの苗などを植えますと、被害が出やすくなります。
野菜にテントウムシダマシが付く理由
農学博士の木嶋利男先生によりますと、テントウムシダマシは 肥料をほどこし過ぎた野菜の株に付きやすく 産卵されます。
テントウムシダマシにつけこまれ、産卵された野菜の株は 幼虫が増殖します。
テントウムシダマシが発生したら ただちに補殺を!
テントウムシダマシに一度寄生されますと、一気に繁殖し、被害がたくさん出てしまいますので、見つけ次第 ただちに補殺します。
テントウムシダマシ対策|無農薬で防ぐ方法
1.肥料の与えすぎに気を付けて
窒素過多にならないよう、肥料の与えすぎに気を付けます。
肥料を多く施してしまった場合は、水で400~1000倍に薄めた酢を野菜全体に散布して、メタボを解消します。
2.防虫トンネルも効果的
野菜の苗が小さい頃、目合い0.6mm以下の防虫トンネルをかけますと、防ぐことが出来ます。
3.障壁をつくる方法
畑の周囲にソルゴーやヒマワリなど、背の高いイネ科の植物を植えて障壁をつくりますと、テントウムシダマシの成虫の飛来を抑えることが出来ます。
4.ホウレンソウをおとりに
テントウムシダマシは、シュウ酸濃度が高い植物を嫌いますので、木嶋先生は 守りたい野菜のそばにホウレンソウを植えておく方法をおすすめされています。
・アカザ
・シロザ
・スベリヒユ
・ギシギシ
・ホウレンソウ
・バジル
アカザ、シロザは肥料を吸う力が強く、本来は取り除いたほうが良い草ですが、野菜の邪魔にならない程度でしたら、残して生やしておいても構いません。
なお、千葉県佐倉市の有機栽培農家である林さんは、バジルとナスの混植で、テントウムシダマシの防除に成功されているようです。
「参考サイト」「バジルとナスで実感!コンパニオンプランツの実力」(記事の掲載期限を過ぎたため閲覧できなくなっています)
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているテントウムシダマシの対策について、ご案内いたしました。
テントウムシダマシは 繁殖能力が高い害虫ですので、見つけ次第ただちに補殺することが大切です。
無農薬で野菜を作られている場合は、
・肥料の与えすぎに気を付けて
・幼苗の時期に目合い0.6mmの防虫ネット
・イネ科植物で畑に障壁をつくる
・シュウ酸濃度が高い植物を植える(生やしておく)
これらの4つの対策も効果がありますので、参考になさってください。
[参考文献]
木嶋利男著「農薬に頼らない病虫害対策 (学研ムック 学研趣味の菜園) 」
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