トマトと落花生のコンパニオンプランツ栽培のポイントをご紹介いたします。
家庭菜園で人気があるトマトは、大玉、中玉、ミニトマトなど様々な品種を育てることが出来ますので楽しいですね。
わが家は甘いフルーツトマトが大好きで、糖度の高い品種を選んで育てていますが、トマトと一緒に「落花生」を栽培すると甘くなることをご存知でしょうか。
今回は農学博士の木嶋利男先生がご紹介されていますトマトと落花生のコンパニオンプランツ栽培のポイントについてご案内いたしますので、ご参考になさってください。
トマトと落花生のコンパニオンプランツ栽培
落花生との混植でトマトが甘くなります
トマトを甘くするために「抑水栽培」という水を控えめに育てて糖度を高くする方法があります。
農学博士の木嶋利男先生は、それと同じ効果があるのが「トマトと落花生のコンパニオンプランツ栽培です。」と、おっしゃっています。
トマトが甘くなる理由
落花生はウネを這うように生長し、マルチのように土を保湿する働きをします。
トマトは水分を吸いすぎると味が薄くなりがちですが、落花生が余分な水分を吸ってくれますので土の中の水分が安定し、トマトは余分に吸水することがなくなります。
その結果、甘く良質なトマトがなり 裂果も少なくなります。
雑草を防ぐ落花生
夏野菜の栽培は 雑草とのたたかいになりますが、落花生はウネを這うように生長しますので、雑草を防ぐことが出来ます。
トマトの生長を促す落花生
木嶋先生は著書にて、
トマトと落花生の混植は、多くのコンパニオンプランツ栽培の中でも、その効果がとりわけ高いことが知られています。
(引用:コンパニオンプランツで野菜づくり 69頁)
と、述べられています。
なぜならトマトと落花生の根が絡み合うことで 周囲の根圏微生物相が非常に豊かになり、生育が促進されるからです。
マメ科の落花生の根に共生する菌根菌は、空気中のチッ素を固定し、ミネラルを供給する働きをしてトマトの栄養源になりますので美味しく育ちます。
トマトと落花生の栽培ポイント
トマトと落花生栽培のスケジュール例
1 月 |
2 月 |
3 月 |
4 月 |
5 月 |
6 月 |
7 月 |
8 月 |
9 月 |
10 月 |
11 月 |
12月 | |
トマト | 種まき | ➡ | ➡ | 苗 植付け |
➡ | 収穫 | ➡ | |||||
落花生 | 種まき | 苗 植付け |
➡ | ➡ | ➡ | ➡ | 収穫 |
トマト
一般的に苗を植え付けますが、種まきから始めることも出来ます。
・種まき 2~3月頃から
・苗の植え付け 4月下旬~5月
落花生
落花生も種まき・苗の植え付けのどちらでも行うことが出来ます。
ポットで育てる場合は1粒ずつまいて育て、本葉2枚ほどになったものを苗として植え付けます。
落花生は種まきの後、鳥に狙われやすいので、不織布やネット等で食べられないように対策します。
トマトと落花生の植え方
トマトの株間
トマトの間隔は、50cm~100cmほどとります。
生長したトマトは葉と葉が重なり合って風通しが悪くなり、病気にかかってしまうことがありますので、株の間隔を詰めすぎないようにします。
落花生の植え方
ラッカセイをウネに直まきする場合は、トマトの苗から25cmほど離れた場所に2~3か所、3~5粒ずつ点まきします。
ウネの端に種をまきますと、生長した茎が通路まで伸びてしまうことがあります。
※上のイラストはカラ付きの落花生ですが、実際はカラの中の実をまきます。
トマトのお世話と収穫
トマトは支柱を立てて育てます。
わき芽はすべてかきとり、赤く熟した実を収穫してゆきましょう。
落花生のお世話と収穫
落花生は生長に応じて2本くらいに間引くと良く育ちます。
茎が伸びてきましたら、2週間あけて2回程度、通路の土を使って土寄せをしますと根がよく張って生長が促進され、サヤがよく採れます。
秋になり地上に出ている葉が枯れてきましたら、掘り上げて収穫します。
木嶋博士のワンポイントアドバイス
トマトの苗の選び方
トマトの苗を園芸店などで選ぶ際、本葉7~8枚で一番花が咲いているものにしましょう。
落花生の発芽率を上げるコツ
落花生の種まきですが、今年は芽が出なくて非常に苦労しました(疲)。
木嶋先生によりますと、落花生の種をまく前日に カラから出して一昼夜水に漬けておきますと発芽がよくなるとのことですので、おためしになってみてくださいね。私も次回はそうします!
ご参考:トマトと落花生の残渣(ざんさ)処理について
トマトと落花生を収穫した後は、残渣(ざんさ=葉や茎、根など)が大量に残りますので、処分にお困りになっている方も多いのではないでしょうか。
この章では、残渣処理についてご紹介いたしますので、ご参考になさってください。
トマトの葉と茎で防虫スプレー
トマトの葉と茎を熱湯で煎じますと、アブラムシや蛾の幼虫などを寄せ付けない防虫スプレーになります。
この方法は木嶋先生の著書に書かれているものですが、古くから農家さんが行っていたものだそうです。
私も今年初めて試してみましたが、その効果に驚いています。
[詳細]トマトの葉と茎で害虫被害を抑える方法|煮出したエキスでアブラムシ・ガの幼虫対策!
土にすき込んで後作野菜の土づくりに
トマト、落花生の葉や茎、根を土にすき込んで、次の野菜の土づくりに活用する方法もあります。
その際、米ぬかを混ぜますと乳酸菌が繁殖して有機物が分解され、善玉菌が増えます。
すると土がやわらかくなり、次に作る野菜の育ちがよくなります。
残渣をハサミで細かくカットするのは手が痛くなりますし苦労もしますが、私は出来るだけ畑で育てたものは土にかえして再生しています。
ゴミ処理ではなく、畑のために再利用していると考えますと、作業のモチベーションが変わりますね。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生がご紹介されています、トマトと落花生のコンパニオンプランツ栽培のポイントをご紹介いたしました。
トマト栽培で、ウネのすき間を利用して落花生を育てますと雑草を防いでくれるうえに、トマトが甘く育つのであれば こんなにうれしいことはないですね。
わが家は今年からトマトと落花生を一緒に育てておりますが、ひいき目もあるかもしれませんが、非常に美味しいトマトになりました。
来年も引き続き、コンパニオンプランツ栽培を行ってゆこうと思っております。
[参考文献]
[参考ブログ:残渣を鋤き込む3つのメリット]