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美しい生き方「ときをためる暮らし」つばた英子さんしゅういちさんから学ぶ

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私たちは日々、「人生の終わり」に向けて、生き続けています。

年をとること・・・腰が曲がったり、耳が遠くなったり、動作が遅くなることを恐れます。記憶力が衰えることに落胆し、病気やケガにおびえます。

でもこれは決して私たちは避けては通れない道なのです。

わたしはこの本に、自分自身の足で地面に立って、寄りかかることなく強く生きてゆくように。と、背中を押されたような気がします。

つばた英子さん、しゅういちさんご夫妻は、ともに80台。現役で100種類以上の野菜や果物を育てているおじいさんとおばあさんが、「美しい暮らし」を送っているのを目にすると、あなたも「勇気」がわいてきて、「これからの生き方」をどうしてゆこうか、考えさせられるかもしれません。

お二人の「活力」は、わたしたちにも存在していることを信じています。でもそれは、一朝一夕で作り上げることは出来ません。

少しずつ、少しずつ「時をためて」、自分の人生を「財産」にしてゆくのです。

この本は、英子さんとしゅういちさんの話を水野恵美子さんが聞き取り、そのまま本にしたものです。

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「ときをためる暮らし」構成

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この本は、英子さんとしゅういちさんが、交互に「語って」います。

話し言葉で書かれているため、スーっと入ってきて大変読みやすくなっています。お二人の言葉に引き込まれ、まるで近くにご夫婦がおられようですよ。

お二人の暮らしはおしゃれで素敵なので、一見、お金があるから贅沢に暮らしているのでは?と、感じるかもしれません。(実は私はそう誤解をしていました。)

しかし、この本を読んでいただくとお解りになりますが、じつは年金生活で預貯金はないとおっしゃっています(笑)。

お金はないけれど、いろいろな意味での「財産」を、英子さんとしゅういちさんは長い時間をかけて、作り上げてこられたのです。

土を耕す

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英子さん

「土を耕す」章では、幼少期の思い出、英子さんの野菜作りを始めたきっかけ、野菜作りの工夫、キッチンガーデンで収穫した野菜や果物で作っているものが紹介されています。

英子さんの信条は、「次の世代に渡すこと」。

今住んでおられる土地は、「自分たちのもの」という考えはないそうです。土を良くして、誰でも使うことが出来るようにする。その思いで開墾をしてきたそうです。

英子さんの義母さんに買ってもらった土地(現在お住まいの土地)は、ゴロゴロ埋まっていた石を取り除くことから始めました。

野菜が育つにはあまり適さなかった土地を、お二人で何十年もかけて「手作り」で開墾してゆきました。

苦労を苦労と思わない、英子さんの語りが胸を打ちます。

しゅういちさん

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しゅういちさんの「土を耕す」章は、「おしゃれで、楽しい工夫」でいっぱいです。

しゅういちさんは、キッチンガーデン(お二人の庭)を、1区画4坪の区画制にして、現在26区画。年間に100種類以上の野菜、果物を栽培されています。

しゅういちさん考案の農作業の道具、家の中の整頓、ハブ茶のお話、ヨーロッパのキッチンガーデンについて、自然や虫についてなどが語られています。

しゅういちさんのお話は、「楽しむこと」とはどういうことなのかということについて、見習いたい、学びたいことがたくさんあります。

シンプル・イズ・ベスト

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英子さん

「シンプル・イズ・ベスト」の章は、節目節目の手間を楽しむこと、本物の目をやしなうこと、そして「ときをためる」とはどういうことなのか、語られています。

季節の変わり目に、家の中の仕様を変える英子さん。

食器を陶器からガラス器にしたり、寝具もウールから麻に替えたりして暮らしを豊かにしていますが、しゅういちさんの趣味のヨットで、お金の捻出に奔走された様子も教えてくださいます。

英子さんの作られる食べ物は本当に美味しそうです。また、長い年月をかけて少しずつためてきた道具、食器などは次の世代に継承していくというお考えに共感しました

しゅういちさん

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お二人の住まい「丸太小屋」について、しゅういちさんが語ります。

お二人でお餅つきをすること、手間ひまをかけて暮らしを楽しむこと、自分の家は自分で維持すること、そして、「生きる力」について。

しゅういちさんが設計したご自宅は、建築家のアントニン・レーモンドの自宅兼アトリエをモデルとしました。住宅公団の退職金をそっくり使って建てたそうです。

日本の安い間伐材を利用して建てられた32畳のワンルームの丸太小屋は、長野の大工さんがお一人で建てたんですって。

トタンの屋根なので、5年に1度はしゅういちさんがご自身でペンキを塗っているそうですよ。

しゅういちさんの「生きる力」についての語りは、たいへん勇気をもらいました。

すべての暮らしは台所から

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英子さん

「すべての暮らしは台所」の章は、主に英子さんの語りです。

英子さんがサラリーマンの妻になった話、食材の調達について、おもてなしの話、実際に作られている料理を紹介しています。

英子さんは、もっと暮らしに「関心と見識」を持たないといけないと思われています。

また、家族についてとても深いお話も盛り込まれていて、人の為に尽くすということを、とても考えさせられる章になっています。

二人の娘さんとお孫さんへの思い。母親が出来ることなどについて、感銘を受けました。

しゅういちさん

ご自身で造った「炉」でベーコン100回つくることについて、しゅういちさんが語っています。

また、84歳からサプリメントを飲み始めたお話も。

しゅういちさん手作りのベーコンでワインを頂きながらお二人とお話をしてみたいです。

大切なこと

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英子さん

「大切なこと」の章は、お二人の心がけおられること、信条などが語られています。

常識に流されず、自分の感性で生きてきたという英子さん。自分に何が必要か、考えて暮らしてほしいと語ります。

「戦争中もなびいたけれど、いまはメディアにみんなが支配されちゃっている感じですね。」

大切なことは「自分がどう思うか」ということについて、考えさせられる章です。

しゅういちさん

「自分にとって、何が大事か」を語るしゅういちさん。

ご自身のポリシーや趣味のヨット、夫婦の間にすき間を作るという秘訣もお話しています。

しゅういちさんは、未来に向けて新しい暮らしをすると思っていたそうです。いつも前だけむいて。

お二人は、自分のことは自分で「よりかからず」に生きていきたいねとお話しているそうです。

しゅういちさん流のコミュニケーションの方法はユニークな発想ですので、必読ですよ☆

二人の信条

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英子さん「尊厳ある老後を誇り高く持ち続ける」

とにかく、しゅういちさんより「先に逝かない」と、ご自身に言い聞かせているという英子さん。昔から自分より、人様のことが気になる性分のようです。

しゅういちさんと顔を合わせるのは、食事とお茶の時間の時くらいでお互いマイペースに暮らしているそうです。

つばた家は、いやな事、悪いことを口にするのは禁句で、いつも先の先のこと、楽しいことを考えて生きているそうです。

しゅういちさん「だんだん美しくなる人生をめざしてやってきた」

未来は確実に短くなってきているから、とにかく気持ちの良い長生きをしたいと、思われているしゅういちさん。

やりたいことをやって、気持ちよく生きていきたいとずっと考えておられるようです。

しゅういちさんは、親戚の冠婚葬祭といったお付き合いは一切お断りしてきたそうです。お中元、お歳暮もなし。ある意味とても勇気がいることですね。

本当に自分のやりたいことは何かという強い信念がなければ、人間は弱いですから、「流されて」しまうところを、しゅういちさんの心の強さがうかがえます。

まとめ「ときをためる暮らし」

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この本は、つばた英子さんとしゅういちさんの語りをそのまま本にしたものです。

この1冊に書かれている「ことば」は、一語一語が実に深くて、心の琴線に触れます。

100年以上使われてきたものが、暮らしの中に、身近にあることがいいことだねえと話すお二人。

前の世代が残してくれたものを大事に受け継いでゆきたいというお二人の信念に大変共感します。

しゅういちさんは、こうおっしゃいます。「生きる力を、一人一人が持たないとね」

わたしは、お二人にお会いしたことはありませんが、この信条はつながっていると信じています。このような気持ちを持つ人が、世の中にもっともっと増えてゆけばいいなあと、わたしも願っています。

ときをためる暮らし

2012年9月初版
著者 つばた英子、つばたしゅういち
聞き手・編集 水野恵美子
発行所 有限会社自然食通信社

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