冬に新玉ねぎを収穫することが出来る「玉ねぎの超遅植え栽培法」を、ご紹介いたします。
玉ねぎは通常、秋に苗を植え付けて翌年の6月前後に収穫しますが、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている裏ワザは、新玉ねぎを冬に収穫することが出来ます。
一般的な玉ねぎの育て方と異なりますが、寒い時期に採れる貴重な玉ねぎ栽培ですので、参考になさってください。
新玉ねぎを冬に収穫!木嶋先生の裏ワザ「超遅植え栽培法」
玉ねぎの性質を利用する「超遅植え栽培法」
玉ねぎの生育に適した気温は12~23℃で、30℃以上になりますと休眠して生育が止まります。
北海道では春に玉ねぎの種をまき、初秋に収穫することができますが、関東以西では鱗茎(りんけい=短い茎の周囲に生じた多数の葉が養分をたくわえて球になること)が大きくなる前に気温が上昇しますので、生長が止まってしまいます。
農学博士の木嶋先生は、夏に休眠する玉ねぎの性質を利用して、12月下旬~1月中旬に新玉ねぎを収穫できる裏ワザを紹介されています。
玉ねぎの超遅植えのスケジュール
一般地での栽培スケジュールです。
3 月 |
4月 | 5 月 |
6 月 |
7月 | 8 月 |
9 月 |
10月 | 11 月 |
12 月 |
1 月 |
種まき | 掘り上げ ・保存 |
土づくり | 苗植え付け | 収穫 |
3月上旬~中旬「種まき」
普通の玉ねぎ栽培と同じように播種床を準備して、3月上旬~中旬に種をまきます。
種は、普通栽培より少し広くして1.5~2cm間隔でまき、トンネルなどで簡易的に保温します。
発芽しましたら、しだいに気温も高くなってきますので、トンネルを取り除きますが、このまま(移植はしないで)播種床で育てます。
6月中旬「掘り上げ・保存」
6月の中旬頃、気温が23℃以上になってきますと、玉ねぎ苗は急激に生育が悪くなり、30℃以上になりますと 完全に停止します。
すると地上部の茎葉は枯れて休眠に入りますので、鱗茎を掘り上げて10株ずつ束ね、風通しの良い日陰に吊るして夏の間中 保存します。
8月中旬~下旬「土づくりとウネ立て」
完熟たい肥、有機質肥料を施して よく耕し、ウネを立てます。
9月中旬~下旬「苗の植えつけ」
9月の中旬~下旬、気温が下がってきますと、玉ねぎの生育適温になります。
保存しておいた鱗茎を、深さ2cm、株間10~12cmで植え付けます。
10月~11月「玉ねぎの生育期間」
この時期に玉ねぎは旺盛に育ち、11月下旬から鱗茎が大きくなってきます。
12月下旬~1月中旬・下旬「収穫」
冬の新玉ねぎの収穫です。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、冬に新玉ねぎを収穫することが出来る「超遅植え栽培法」をご案内いたしました。
一般的な玉ねぎの育て方と異なり、一度掘り上げて吊るして保存をする手間はありますが、寒い時期に採れる貴重な玉ねぎ栽培ですので、参考になさってください。
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[年内に収穫できる玉ねぎの種]
[参考文献]