農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、玉ねぎのコンパニオンプランツをご案内いたします。
玉ねぎと相性の良い作物は、「ソラマメ」「クリムソンクローバー」「カモミール」3つで、玉ねぎと同じ畝で空間を利用しながら育てます。
今回ご紹介する玉ねぎのコンパニオンプランツは、土を肥沃にして玉ねぎの生育を促進させたり、病気予防、害虫を寄せ付けない効果があると言われていますので、参考になさってください。
玉ねぎのコンパニオンプランツ「ソラマメ」
農学博士の木嶋利男先生は、玉ねぎとソラマメは 相性の良い組み合わせですと、紹介されています。
玉ねぎとソラマメのコンパニオンプランツ栽培で期待できる効果
玉ねぎとソラマメは、植え付け時期と収穫のタイミングがほぼ同じですので、栽培計画が立てやすく、おなじ空間を有効的に使いながら育てることが出来ます。
※ 植え付けの時期:一般地で11月前後。収穫の時期:一般地で5~6月
good!生育が促進します
good!病気を予防します
good!害虫を忌避します
生育促進の効果
玉ねぎは、マメ科の植物と相性が良いと言われています。
冬の間、玉ねぎとソラマメはどちらも土の下に根を張りますので、霜柱が立ちづらくなり、寒さのダメージを受けにくくなります。
春になり温暖な気候になりますと、ソラマメの根っこが広がり、新しい根っこに付く根粒菌が活発に窒素固定を行いますので、周りの土を肥沃にします。
その結果、玉ねぎは肥えた土から養分を吸収し、玉が大きくなります。
病気予防の効果
玉ねぎはネギ属で、根っこに共生する菌が抗生物質を出しますので、ソラマメがかかりやすい「立枯病」などの病気を予防することが出来ます。
害虫忌避の効果
春が近づき気温が高くなってきますと、ソラマメの先端にアブラムシが大量に付きます。
そこで玉ねぎを混植しておきますと、アブラムシの天敵であるテントウムシやアブラバチ、ヒラタアブなどが増え、アブラムシを捕食します。
また同時に、玉ねぎに付く害虫の減少も期待できます。
エンドウマメにも応用できます
ソラマメのほかに、栽培期間が近いエンドウマメを栽培しますと、同じような効果を得られます。
この時、玉ねぎがエンドウのツルで隠れないよう 陽に当てて育てるのがポイントです。
玉ねぎのコンパニオンプランツ「クリムソンクローバー」
クリムソンクローバーは、マメ科の緑肥作物です。
真っ赤な花が咲きますので、「ストロベリーキャンドル」とも呼ばれています。
玉ねぎを植え付けたあと、その周囲にクリムソンクローバーの種をばらまきしておきますと、1週間ほどで発芽し地面を覆うように伸びてきます。
マルチ代わりになるクリムソンクローバー
クリムソンクローバーは、マルチ代わりになる頼もしい植物です。
ウネに霜柱が立ちますと、玉ねぎの株はその力で浮き上がってきてしまいますが、クリムソンクローバーがそれを防いでくれます。
雑草予防と天敵のすみかに
3月になりますと、クリムソンクローバーは 急激に生長します。
繁茂したクローバーは、他の雑草が生えるのを防ぐ効果があります。
またクリムソンクローバーのやわらかい葉に アブラムシなどの害虫が寄ってきますが、益虫であるテントウムシを呼び寄せることになりますので、野菜全体の害虫被害が少なくなります。
土を肥沃にする効果
マメ科のクリムソンクローバーは、根っこに根粒菌が付きます。
この菌が空気中の窒素を固定し土が肥沃になりますので、玉ねぎはその養分を吸って、玉が大きくふくらみます。
一年草で育てやすい
クリムソンクローバーは一年草ですので、畑を繁殖する心配がありません。
クリムソンクローバーの種
クリムソンクローバーは、緑肥用のタネ、草花用のタネとして販売されています。
当方の経験ですが、クリムソンクローバーは高確率で発芽します。
種まきのタイミングは、玉ねぎの苗が15cmほどの大きさの頃で、ウネにばらまきし軽く土を混ぜますと1週間程度で芽が出てきます。
玉ねぎとクリムソンクローバーのコンパニオンプランツ栽培のポイント
※ クリムソンクローバーは、わが家に欠かせないコンパニオンプランツです。
クリムソンクローバーは4月の終わり頃、真っ赤な花が咲き始めます。
5月中旬になりますとタネを付け、こぼれたタネから雑草化することがあるようですが、今まで困ったことはありません。もし、心配な場合は、種が付く前に刈り取ることをおすすめいたします。
なお、刈り取った地上部は 肥料分が豊富に含まれていますので、そのままウネに敷いおきますと「草肥」になります。
クリムソンクローバーは処分する部分がなく、最後まで有効利用できる優秀なコンパニオンプランツだと思います。
玉ねぎのコンパニオンプランツ「カモミール」
キク科のカモミールも玉ねぎと相性の良い植物です。
カモミールの発する香りで、玉ねぎの葉っぱに付く害虫を寄せ付けない効果があります。
スリップスの被害を防ぐ効果
玉ねぎを栽培していますと、葉っぱのところどころが かすれたように白くなっていることがあります。
これは、スリップス(ネギアザミウマ)という体長1mmほどの害虫による被害の可能性があります。
被害が広がりますと、白い部分が広範囲にわたり光合成が十分におこなえず、玉ねぎの生育が悪くなってしまいます。
そこでカモミールをコンパニオンプランツとして栽培しますと、独特の香りでスリップスが寄り付かなくなります。
※ カモミールに付いたアブラムシ。これを目当てにテントウムシがやってきます。
なお、カモミールにもアブラムシが寄ってきますが、同時に天敵も増えてすみかになりますので、玉ねぎに付くアブラムシなどの害虫を駆除してくる効果が期待できます。
玉ねぎとカモミールのコンパニオンプランツ栽培のポイント
カモミールの品種
カモミールの種は、一年草で小型の「ジャーマンカモミール」と多年草の「ローマンカモミール」がありますが、木嶋先生は 家庭菜園ではジャーマンカモミールが扱いやすいでしょうと、紹介されています。
なお、多年草のローマンカモミールを育てる場合は、風上や畑の周りに植え付けますと効果的です。
ローマンカモミールは草丈が低く、こんもりと育ち、花だけでなく茎や葉っぱの株全体から強い香りを発しますので、野菜のそばで育てなくても効果を発揮します。
カモミールと玉ねぎの間隔
玉ねぎとカモミールとの配置は、玉ねぎ4~5株ごとにカモミールが1株の間隔で植え付けます。
カモミールの種を蒔く場合は、畝にばらまきにします。
なお、カモミールは、1m近く離して植えても、香りの効果は十分周囲にゆき渡ります。
カモミールの花をたくさん咲かせるコツ
3月中旬から下旬にカモミールの芽の先端をカットしますと、わき芽が増えてたくさん花が咲きます。
まとめ
農学博士の木嶋利男が紹介されている 玉ねぎのコンパニオンプランツをご案内いたしました。
[ソラマメ・エンドウ]
玉ねぎと栽培期間がほぼ同じで、病気や害虫を防ぐ効果があります。
[クリムソンクローバー]
土が肥沃になり、玉ねぎが大きく生長します。
[カモミール]
害虫を寄せ付けない効果があります。
玉ねぎを単体で栽培するよりメリットがありますので、参考になさってくださいね。
[ご参考:タマネギのコンパニオンプランツ]
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