今年もそら豆とエンドウのコンパニオンプランツ栽培で、アブラムシなどの害虫対策をしようと思っております。
ソラマメとエンドウのコンパニオンプランツ栽培は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている方法で、野菜の特性を活かして育ててゆく方法です。
2021年も、種まきから収穫までレポートいたしますので、参考になさってください。
※ 2021年はソラマメとエンドウを同じウネで栽培しております。
そら豆とエンドウのコンパニオンプランツ
そら豆とエンドウは同じ品種「マメ科」ですので、共通のコンパニオンプランツを利用することが出来ます。
タマネギ
互いが助け合って冬越し
農学博士の木嶋利男先生によりますと、タマネギはマメ科植物と相性がよく、互いに根っこを張るため 霜柱が立ちにくくなり、寒さによるダメージを受けにくくなります。
病気にかかりづらくなります
タマネギは「ネギ属」で、根に共生する菌が抗生物質を出すので、ソラマメやエンドウは立枯草などの病気にかかりづらくなります。
害虫忌避に効果的
春先になり暖かくなってきますと、とくにソラマメにはアブラムシやマメアブラムシなどが発生しますが、同時にテントウムシやアブラバチ、ヒラタアブなどの天敵も増えるため、タマネギの害虫を防ぐ役割も果たしてくれます。
生長促進の効果
さらに暖かくなってきますと、そら豆・エンドウの根っこに付く根粒菌も活発に窒素を固定しますので、ウネの土が肥沃になります。
その結果、タマネギは肥沃になった土から養分を吸収して玉が大きくなります。
クリムソンクローバー
マメ科の緑肥植物であるクリムソンクローバーは発芽率が良く、種をまいて一週間ほどで発芽します。
寒さから守る役割
クリムソンクローバーの種をウネにばらまきしておきますと、地表をおおうように草丈の低い状態で越冬しますので、そら豆・エンドウ・タマネギを寒さから守ってくれる働きをします。
益虫を呼び込んで害虫対策
3月になりますとクリムソンクローバーは急速に生長して、ほかの雑草が生えるのを防いでくれます。
クリムソンクローバーにはアブラムシなどがびっしり付きますが、テントウムシなどの益虫のすみかに変わりますので、そら豆に付くアブラムシを捕食してくれます。
生育促進効果も
マメ科のクリムソンクローバーの根は根粒菌が共生しますので、空気中の窒素を固定し土が肥沃になります。
そのため、そら豆・エンドウ・タマネギはその養分を利用して生育が促進します。
ボリジ
そら豆・エンドウ・タマネギのコンパニオンプランツに「カモミール」が使われますが、個人的にハーブのボリジも効果的ではないかと思っております。
アブラムシの天敵を呼び寄せる効果
ハーブのボリジには、アブラムシの天敵であるアブラバチを呼び寄せる性質があります。
ボリジがアブラムシに吸汁されますと、ボリジ自身がシグナルを発してアブラバチを呼び寄せます。
アブラバチはアブラムシの体内に産卵し、寄生されたアブラムシは最後には死にますので野菜に付くアブラムシの密度が下がります。
ボリジを畑に植えておきますと、ミツバチなどの訪花昆虫も呼び寄せますので、畑の野菜の受粉の手助けになります。
なおボリジの葉やお花は食べることができます。
そら豆・エンドウ・コンパニオンプランツの栽培レポート(2021年度)
2020年につづき、今年もコンパニオンプランツ栽培に挑戦いたします。
昨年は、そら豆もエンドウも育ちが悪く、その原因は、痩せすぎたウネで栽培したことや、連作障害だったのではないかと考えております。
今年は2つのウネで栽培する予定です。
1.連作障害がおこったウネを避け、別の区画で そら豆・エンドウ・コンパニオンプランツを栽培
2.ナス科野菜のウネに交互連作に挑戦
この2つのパターンで栽培しようと思っております。
2021年10月
2021年10月20日
10月の満月の日に、そら豆とエンドウの種をまきました。
今年は直まきをやめて、ポットに種をまきました。
個人の好みなのですが、私の場合、ポットに種まきするほうが、水やりなど管理がしやすいためです。
そして、ポットにコンパニオンプランツの種も一緒にまいてみました。
そら豆のポットにクリムソンクローバー、エンドウのポットにエンバクの種です。
2021年10月23日
発芽を待つ間に、土づくりを行いました。
昨年は、土づくりをしっかり行わなかったのも、生育不良の原因の一つだったのではないかと思っています。
今年は、牛ふんたい肥、骨粉、米ぬかを施しました。
2021年10月30日
水のやりすぎに気を付けながら、発芽を待つこと10日。
エンドウとエンバクの芽が出てきました。
2021年11月
2021年11月16日
土づくりから約3週間たちました。
昨年は、どちらの種も直播きをしたですが、なかなか発芽せず、本当にヤキモキしました。
今年は、そら豆とエンドウのどちらも無事に発芽し、そろそろ定植してもよいほどの大きさになりました。
農学博士の木嶋先生によりますと、根っこをカットしてから定植すると、苗が若返ってよく生長するのだそうです。
わが家は、ウリ科の野菜を除く ほとんどの野菜で採用しておりますが、確かに元気に生長しているように思います。
上の2枚はエンドウです。
ナスの株元に植え付けたもの、オクラの株元に植え付けたものとに分けました。
2021年12月
11月の終わり頃から、アブラムシが付いて困っています。
寒くなるので、そのうちいなくなると思うのですが、牛乳スプレーを吹きかけて、撃退しています。
2022年1月
そら豆
エンドウ
1月のそら豆とエンドウです。
いまのところ順調に育っています。
2022年2月
そら豆
エンドウ
2月になりました。
そら豆の親株は寒さにやられて傷んでしまいまいましたが、わき芽がたくさん生えてきました。
エンドウは、、、全滅してしまった模様です。
実際、今冬はとても寒かったですね。私が住んでいる地域も、2回ほど積雪しました。
寒波に備え、もう少し寒さ対策を行っていればと後悔しています。
2月に種まきできるスナップエンドウの種を購入し、もう一度 種をまくことにしました。
コンパニオンプランツのクリムソンクローバーとエンバクも同じポットにまきました。
室内で発芽を待ちます。
種をまいて1週間ほどで、まずクリムソンクローバーが発芽しました。
ポットに複数の種をまいて観察していますと、小さい種から芽が出ることが分かり面白いです。
2022年3月
3月になり、エンドウ、エンバク、クリムソンクローバーの芽が出そろいました。
木嶋先生によりますと、室内で育てた苗をいきなり畑に持って行って植えると、傷みやすいそうです。
最近、日差しが温かくなってきたので、出来るだけ外気に慣れるよう 少しずつスパルタ教育をしてゆく予定です。
ソラマメの様子です。
右側のぐったりしているのが親株で、寒波で傷んでしまいました。
それでも株元からわき芽がたくさん出てきました。
畑のエンドウです。
すっかり枯れて、無残な姿です。
かわいそうなことをしました。
ところが、最近になって、復活をとげた株を発見しました。
地上部は枯れてしまったものの、根が生きていたのでしょう。
すごい生命力です。
2022年4月
ソラマメ
エンドウ
4月になり、ソラマメとエンドウの花が咲きました。
完全に枯れてしまったと思われたエンドウの株ですが、すべて再生し、ツルが伸びてきました。
そして、昨年の秋にソラマメとエンドウのウネの北側に種をまいておいたエンバクとクリムソンクローバーがぐんぐん生長し、テントウムシとクモをたくさん見かけるようになりました。
春になりますと、この時期に ソラマメの先端にアブラムシがたくさん付きますが、今年はさほど付いていないことに気が付きました。
これは、コンパニオンプランツの効果があるのではないかと思っております。
2022年5月
2022年5月1日
ソラマメのサヤが少しずつ大きくなってきました。
2022年5月17日
雨の日続きのせいか、ソラマメの株が黄色くなってきてしまいました。
そろそろ収穫してみようと思います。
—- 引き続き、更新いたします。これより下は2020年のレポートになります —-
そら豆・エンドウ・コンパニオンプランツの栽培レポート(2020年度)
土づくりと作付け
わが家は前作でナス、トマト、ピーマンなどのナス科野菜と、コンパニオンプランツのマリーゴールドを育てていました。
前作の野菜の残さを短くカットして、米ぬかと一緒に土にすき込み 1か月以上置いて分解させておきました。
そしてタマネギ苗を植え付ける場所に牛ふん・ボカシ肥を3週間前に施し、そら豆・エンドウの種をまく場所には苦土石灰のみ施して耕しておきました。
今年は上記のように作付けしました。
タマネギ苗の植え付け
9月の半ばにタマネギの種をまいて育てていましたが、あまり発芽しなかったので苗を購入しました。
通常 タマネギの苗は株間を10~15cmほどあけて植え付けますが、購入した苗がツマヨウジほどの細さでしたので、今年は木嶋先生オススメの植え付けと、通常の植え付けの3パターンにしました。
3.株間10cmで植え付け
木嶋先生オススメ1「超密植キツキツ植え」
木嶋先生オススメ2「1穴2本植え」
木嶋先生オススメ2の「1穴2本植え」も試してみます。
2本植えも株間を5cmにしました。今年はマルチを張らずに栽培します。
通常の植え付け
自分で種まきした苗を一般的な株間10cmで、植え付けました。
そら豆の種まき
そら豆の種のお歯黒部分を斜め下にして、頭が土から見えるように植え付けます。
そら豆やエンドウの種をポリポットで育て、発芽するまでネットをかけておく方法は、鳥に食べられる被害を防ぐ対策になりますが、なにぶんグータラなもので今年は直まき(株間50cm)にしました。
エンドウの種まき
今年はスナップエンドウとサヤエンドウの2種類 種まきしました。
1か所に3粒ほど点まきして土をおおいます。種の株間は約30cmです。
こちらも鳥に食べられてしまうという心配がありますが直まきしました。
クリムソンクローバーの種まき
クリムソンクローバーは、ウネと隣の通路にも種をまきました。
昨年初めてクリムソンクローバーを育ててみたところ、春先にとても可愛らしい赤い花が咲いたので種まきが楽しみでした。
クリムソンクローバーは、益虫を呼びつつ畑の景観も良くしてくれる素晴らしいコンパニオンプランツだと思っています。
ボリジの植え付け
ボリジはイチゴのコンパニオンプランツとして種まき・間引きしたものを素焼きの鉢に入れて育てていましたので、これをウネに鉢ごと埋めて育てます。
ハーブは害虫を寄せ付けない効果が高いので、野菜のそばに植え付けたいのですが、すざましい繁殖力のため管理が大変になりそうですので、この方法にしました。
素焼きの鉢にハーブを育てて土に埋める方法も、木嶋先生がオススメされている栽培です。
11月レポート
上の写真は何がなんだか お分かりにならないと思いますが(笑)、そら豆、エンドウ、タマネギ、クリムソンクローバー、ボリジを植え付けました。
前作にナスを育てていましたが、更新剪定をして実がなっているため、今でも育てています。
ナスやピーマンの株はそら豆やエンドウの風よけになりますので、邪魔にならなければそのままにしておいても良いと木嶋先生はおっしゃっています。
今後の管理として、暖かい天気の良い日に水やりを行います。
野菜の収穫は来年5月頃からになりますので長丁場ですが、じっくり観察してゆきます。
ソラマメの種がようやく発芽しました。
種をまいてから なんと3週間もかかり、半ばあきらめかけていたところです。
水分が足りなかったのか、種の頭が出すぎていたのか、原因はいまいち分かりません…。
私の住んでいる地域はこの2週間ほどとても暖かく、11月の半ばで気温が20℃近い日が続いたので、発芽してくれたのかもしれません。
ちなみにエンドウの種は、ソラマメより先に発芽しました。それでも2週間と少しかかりましたので、こちらもヤキモキしておりました。
写真は後日アップいたします。
12月レポート
12月上旬
ソラマメ
3週間以上芽が出なかったソラマメが、ようやく大きくなってきました。
写真右上のハーブ「ボリジ」は、素焼きの植木鉢に入れて埋めているせいか、あまり大きくなりません。
苺のコンパニオンプランツにボリジを使っていますが、生育が旺盛で苺の株を覆うほどになっていますので、ハーブ類をあまり大きく育てたくない場合は木嶋先生オススメのこの方法が良さそうです。
エンドウ
エンドウです。2週間以上芽が出ず心配しましたが、順調に大きくなってきました。
種は1か所に3粒まきましたが、越冬させてから間引きして2本にしようと思います。
玉ねぎ
玉ねぎは相変わらず細いです。
暖かい晴れの日に玉ねぎに軽く水やりをし、葉の先端の枯れているところはちぎって取り除いています。
12月半ばに追肥(ボカシ肥)しました。
防寒対策
同じ畑のおじさまから笹の葉をいただいたので、エンドウとソラマメのすぐそばに立てて寒風対策をしました。
寒風にさらされないように笹でガードしました。
このまま笹を挿しておきますと、エンドウのヒゲが絡んで上に伸びてゆきますので誘引が手軽にできそうです。
昔農家さんの知恵に脱帽です。
笹が余ったので、ソラマメの近くにも笹を挿しました。
1月レポート
年が明け、1月になりました。
今年はなんども寒波がきて、菜園の水道が凍結するほどの寒さです。
ソラマメ
ネットで防寒しているソラマメの葉は、ほぼ毎日凍結していますが、今のところ無事のようです。
もう少し大きくなったら摘芯します。
エンドウ
笹の葉で防寒対策をしているエンドウですが、こちらも今のところ枯れずに無事のようです。
3月レポート
ソラマメの生長がかんばしくありません。
ようやく草丈が15cmほどになりましたので、摘心して土寄せをしました。
今年、ソラマメは発芽まで3週間かかりました。
芽が出たソラマメはあまりきれいな状態でなく、傷み気味でした。
ポリポットで育苗したものを植え付けたほうが良かったかなと思っているところです。
4月レポート
エンドウの花が咲き始めました。
全体の様子です(アングルがなかなか難しいです 笑)。
エンドウは弱ってしまった株、ぐんぐん生長している株とにはっきり分かれました。
玉ねぎは育ちが悪く 葉がほっそりしていますので、今年もエシャロット状態の収穫になるかもしれません。
クリムソンクローバーの赤い花が咲き始めました(左側)。
この花は一年草ですので雑草化する心配がなく、これが生えているおかげで他の頑固な草が生えません。
5月レポート
5月になりました。
ソラマメとエンドウの生育がよくありません。
エンドウは、きれいに生長している株もありますが、葉が縮れたもの、白くなったものなど様々で明らかに異常です。
また、ソラマメもすべての株の発育が悪く、結局 収穫をしないまま株を引き抜きました(涙)。
考えられるのは、同じウネで2年連続エンドウとソラマメを栽培したことによる「連作障害」が出たものと思います。
土の状態がよくない証拠写真です。
上は、昨年 ソラマメ・エンドウの種まきと同じ時期に植えた玉ねぎです。
玉ねぎの苗を植え付けるところは施肥をしたにも関わらず、全く生長しませんでした。
エンドウ・ソラマメの根にコブが付いているのがおわかりになりますでしょうか。
初めての経験のため よく分からないのですが、ネコブセンチュウではないかと思います(違ったらごめんなさい)。
マメ科作物は連作障害が出やすいため、最低でも4~5年は連作をさけ、「輪作」することが推奨されています。
2020年の反省点
同じウネで2年続けて栽培したためだと思われますが、すべての作物が生育不良という結果となりました。
本ページにご訪問いただいた方にはこのような結果をご報告することとなり、とても残念に思っております。申し訳ございません。
今回は、連作をしたことが反省点ではなく、マメ科作物は肥料が要らないと高をくくり、連作障害が出ない土づくりを一生懸命行わなかったことです。
自分で行ったことは、自分に返ってくるものだということをつくづく思いました。野菜にも可哀そうなことをしてしまったと反省しております。
次回は、木嶋先生が紹介されている連作障害対策を怠らずに行い、ガンバッテみようと思います。
まとめ
2020年につづき、そら豆・エンドウのコンパニオンプランツ栽培を行おうと思っております。
昨年は、連作障害対策の土づくりをしっかり行わなかったことなど、反省すべき点が多々ありましたので、今年は少しでも改善できればと考えております。
種まきから、収穫まで(収穫できればですが・・・)レポートしてまいりますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
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[参考文献]