農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、畑に落ち葉を埋める「落ち葉床」の作り方、畑にもたらす3つのメリットをご案内いたします。
落ち葉は、土の中でじっくりと発酵されますと ウネ全体が温まり、2~3℃ほど地熱を上昇させることができますので 野菜づくりを早くスタートさせることが出来ます。
また 分解された落ち葉は養分となり、野菜がよく育つようにもなります。
木嶋先生は、一度「落ち葉床」を作りますと、2~3年ほど利用することができますと、紹介されています。
大量の落ち葉でお困りの方は、ゴミとして処分なさらず、「落ち葉床」をつくってみられてはいかがでしょうか。
「落ち葉床」が畑にもたらす3つのメリット
メリット1.野菜づくりが早くスタートできます
畑に落ち葉を埋めますと、発酵が進み土の上のほうが2~3℃高くなります。
そのため、春先の種まきや苗の植え付けが、2~3週間ほど早く行うことが出来るようになります。
メリット2.落ち葉が養分になります
落ち葉は、分解が進みますと養分になります。
また、ウネ全体の土壌改良になり土の団粒構造が発達します。
この結果、野菜がよく育つようになります。
メリット3.2~3年、うまくいくと5年もちます
木嶋先生によりますと、落ち葉床は2~3年効果があるそうですので、毎年ウネを変えて落ち葉床を作ってゆく方法もあります。
なお、深さ70cmほどに掘り、厚さ50cmの落ち葉を敷き詰めますと、5年程度効果が継続します。
畑に落ち葉を埋める「落ち葉床」の作り方
用意するもの
よく乾いた落ち葉を使います。
気を付けたい点
枯れたカヤ、ヨシ、ススキなども使うことが出来ますが、湿った状態の落ち葉やたい肥を入れますと、酸素が欠乏して分解されないことがあり、嫌気的発酵をしてしまい、作物に障害が出る場合があります。
落ち葉床の作り方(図解)
出典 木嶋利男著 昔農家に教わる野菜づくりの知恵とワザ(家の光協会)
落ち葉床の作り方(実践)
① 野菜を栽培する土を、深さ30cmまで掘ります。
② 落ち葉を入れてよく踏み固め、約20cmの層にします。
※わが家は剪定した木も入れています
③ その上に土を10cmほどかけてしっかりと固め、ウネを立てます。
落ち葉床で気を付けたい点
・腐葉土や堆肥を入れても発酵しませんので、畑の土のみ落ち葉に入れます。
・ジャガイモを育てる場合は、落ち葉でそうか病にかかる場合がありますので、種イモが触れないように土の厚みを10cm以上もたせましょう。
落ち葉床でさらに生長が促進する野菜
落ち葉床では、葉物野菜の種、果菜類の苗など なんでも育てることが出来ます。
とくに根が深く伸びるナス、オクラ、スイカなどは生育が促進します。
なお、落ち葉床を仕込んだ直後に ダイコンやゴボウなどを育てますと、又根になりやすくなりますので、根菜類に関しては時間を空けてからの栽培がおすすめです。
根を深く張る野菜の例
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている 畑に落ち葉を埋めて土作りをする方法「落ち葉床」についてご案内いたしました。
土の中でじっくりと発酵された落ち葉はウネ全体を温め、2~3℃ほど地熱を上昇させることができますので、野菜づくりを早くスタートさせることが出来ます。
また、分解された落ち葉は養分となり、野菜がよく育つようにもなります。
一度作りますと、2~3年利用することができると言われている「落ち葉床」は昔農家さんが行ってこられた大変エコロジーな土作りですので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
[関連記事]
無肥料でいっぱい収穫!ナスの落ち葉床植え|木嶋先生の裏ワザ栽培をご紹介いたします