農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、にんにくの薄皮を剥いて植える「ツルツル植え」を、ご案内いたします。
ニンニクの種球(しゅきゅう)を植え付ける際、薄皮を剥くか?、薄皮を付けたまま植え付けるのか? 悩まれたことはないでしょうか?
今回ご紹介する「にんにくのツルツル植え」は、薄皮をむいて植え付ける方法で、これを行うことにより病害虫に強くなり、収量がアップするといわれています。
どうぞ、参考になさってください。
にんにくの薄皮を剥いて植えるツルツル植え|病害虫予防に効果的な栽培法
ニンニクの種球(しゅきゅう)の皮には撥水性がありますので、皮が付いたまま植え付けますと、萌芽(ほうが=芽がもえ出ること)に時間がかかり、腐敗してしまう場合があります。
そこで、農学博士の木嶋利男先生は 薄皮を剥いて種球を植え付けることを紹介されています。
「ニンニクのツルツル植え」は、主に3つの効果があります。
1.生育のスタートが早くなります
2.病害虫に強くなります
3.生育が旺盛になり、収量がアップします
1.生育のスタートが早くなります
ニンニクの植え付けは、一般地において、9月中旬~10月、気温18℃~23℃が適しています。
ニンニクの薄皮を剥くツルツル植えは、お彼岸を過ぎた 秋の長雨が終わった頃、ただちに行います。
ニンニクの薄皮をむいて種球を植え付けますと、すぐに鱗片が水を吸って生長が始まります。
昔から「秋の1日は春の1週間」と言われており、秋野菜は1日も早く栽培を始めたいところですが、この方法であれば栽培のスタ-トを遅らせつつも、そのあとの生育を加速させることが出来ます。
2.病害虫に強くなります
薄皮をむいたニンニクの種球は、すぐに生長が始まりますので、病原菌に感染する機会を与えなくします。
また、ニンニク特有の辛み成分「アリシン」は、殺菌力が強く、皮を取り除くことで土の中の病原菌を死滅させる効果を発揮します。
秋の長雨が終わった頃にツルツル植えを行いますと、ニンニクなどのネギ属特有の病気「春腐病(はるぐされびょう)」を避けることが出来ます。
3.生育が旺盛になり、収量がアップします
ニンニクのツルツル植えを行いますと、葉が半枚~1枚程度生長が早くなりますので、その分 収穫量が増えます。
ニンニクのツルツル植えの栽培方法
土づくり
ニンニクを植え付ける3週間以上前に、完熟たい肥と油粕を入れてよく耕し、土壌微生物を安定させておきます。
ニンニクの種球の準備
ニンニクの植え付けの適期は、一般地で 9月中旬~10月です。
薄皮を取り除いて植え付けますと すぐに生育が始まりますので、植え付けが1週間~10日ほど遅れてしまっても、年内に追いつきます。
ニンニクの鱗片1片ごと切り離します
ニンニクの大きな球をむいて、鱗片1片ごと切り離します。
植え付けの前日・当日に薄皮をむきます
ニンニクを植え付ける前日か当日に、鱗片を傷つけないように皮をきれいに取り除き、ツルツルの状態にします。
ごく薄い皮が残ることがありますが、これも出来るだけ取り除くことが生長促進のポイントです。
ニンニクの種球の植え付け
畝に条間30cm、深さ5cmの溝をつくり、15cm間隔で鱗片を置いて土を覆います。
ニンニクの芽が出る部分を上にして植え付けましょう。
追肥は2回行います
1回目
葉が30cm程度に伸びてきましたら、通路に肥料を施して土となじませ、株元に寄せます。
※肥料の種類につきましては、後述いたします。
2回目
その1か月後に、同じように追肥を行います。
水やりについて
冬の間、乾燥して土がカラカラになった時に、暖かい日を選んで水やりを行います。
収穫
翌年の春、とうが立ってきた花蕾は、早めに摘み取りましょう。茎ニンニクとして食べることが出来ます。
地上部の葉が8割以上枯れましたら、いよいよ収穫です。
晴れの日が続く日に球根ごと抜き取り、ただちに葉と根をカットして2~3日畑で乾燥させます。
よく乾燥しましたら、10球前後に束ねて風通しがよく日光が当たらない場所に吊るして保存します。
にんにくの辛さを変える追肥の方法
にんにくの辛さを変える追肥の方法を、別の記事にてご紹介しておりますので、参考になさってください。
「関連記事」にんにくの辛さが変わる!追肥の時期と3つの肥料をご紹介いたします
ニンニクのコンパニオンプランツで野菜づくり
にんにくの香り成分「アリシン」は、強い抗菌力がありますので、他の野菜と一緒に栽培しますと病害虫を防ぐ効果があります。
「関連記事」ニンニクのコンパニオンプラツと栽培のポイント|病気予防と害虫忌避効果のある野菜をご紹介いたします
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニンニクの薄皮を剥いて植え付ける「ツルツル植え」を、ご案内いたしました。
ニンニクの薄皮をむいて植え付けることにより、生育のスタートが早くなり、病害虫に強く育ち、収量を増やすことが出来ると言われていますので、参考になさってください。
-関連記事-
病害虫を防いでたくさん実がなる!イチゴとニンニクのコンパニオンプランツ栽培のポイント
-参考文献-