農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、カボチャ栽培の裏ワザ「草むら植え」について、ご案内いたします。
木嶋先生によりますと、カボチャを草と一緒に育てることで「うどんこ病」にかかりにくくなり、生育もよくなります。
今回は「草むら植え」の栽培ポイントについてご紹介いたしますので、参考になさってください。
カボチャ栽培の裏ワザ「草むら植え」
カボチャと草を一緒に育てるメリット
ツルが風で動かされたカボチャは、極端に生育が悪くなる性質をもっています。
そのためカボチャは、節から巻きヒゲを伸ばしてツルを固定し、不定根を発生させます。
不定根からは養水分が吸収されますので、生育が良くなります。
カボチャは、巻きヒゲを絡ませるモノや植物がないと 不定根を土に下ろすことが出来ないため、雑草と一緒に育てるほうが旺盛に育ちます。
木嶋先生は、土手カボチャ(管理されていない草むらで生えるカボチャ)の生育が良いのは、このためですと、紹介されています。
うどんこ病にかかりにくくなる理由
木嶋先生は、草むら植えをしたカボチャは、重要病害「うどんこ病」がほとんど発生しないと、紹介されています。
なぜなら、草に発生したうどんこ病菌に、アンペロマイセス・クイスクアリス(重寄生菌=菌に寄生する菌)が寄生して、この菌がカボチャのうどんこ病菌にも寄生するためです。
なお、草むら植えは、草の代わりにムギを利用することもでき、ムギ類に寄生するうどんこ病菌とカボチャに寄生するうどんこ病菌は種類が異なりますので、相互に伝染する心配はありません。
カボチャの「草むら植え」の栽培ポイント
雑草もしくはムギ類の利用がおすすめです
カボチャの草むら植えは、畑に自然に生えてきた草、または、ムギ類の種をウネにまく方法があります。
ムギ類でカボチャを栽培する時のポイント
ムギ類の種について
ムギ類の種をまいて育てる場合、秋まき性の小麦や大麦が適しており、カボチャの苗の植付け2週間ほど前に畑に種をまいておきます。
発芽確認後、カボチャ苗の植え付け
ムギ類の発芽を確認しましたら、植穴のまわり20cmに生えたものは抜き取ります。
そして、本葉4~5枚のカボチャ苗を普通栽培と同じように植え付けます。
なお、カボチャをはじめ、夏野菜の苗の植え付けは、晴天の午前中に行いますと よく育ちます。
詳細は、本ページ最後の関連記事を 参考になさってください。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、カボチャ栽培の裏ワザ「草むら植え」について、ご案内いたしました。
コンパニオンプランツ栽培の第一人者でおられる木嶋先生は、畑に生えてくる草を上手に利用しながら野菜を育てる「草生栽培」も紹介されています。
雑草を無理に取り除かず、カボチャと共生させる「草むら植え」は、不定根が発生し生育がよくなり、うどんこ病にかかりにくくなる栽培ですので、参考になさってください。
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[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」