農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ジャガイモ栽培の裏ワザ「高ウネ植え」について、ご案内いたします。
この栽培は、ジャガイモを普通に育てるときよりウネの高さを2倍にすることで、湿害を防止することができ、芽かき・土寄せが不要になります。
水はけの悪い畑に向いた植え付け方法ですので、参考になさってください。
土寄せ不要で湿害に強くなる!ジャガイモ栽培の裏ワザ「高ウネ植え」
ジャガイモの高ウネ栽培のメリット
メリット1「水はけの悪い畑でも栽培することができます」
ジャガイモは湿気に弱いため、水はけの悪い畑では、ウネの高さを15cm程度で栽培しますと、腐ってしまう場合があります。
そこで、ウネを普通栽培の2倍ほどの高さ(30cm)にして育てますと、湿害を防止することが出来ます。
なお、木嶋先生によりますと、この栽培は、水はけの悪い畑向きですが、砂壌土でも栽培することができます。
メリット2「生育が旺盛になります」
ジャガイモの高ウネ植えは、根の伸びる範囲が広くなり、日当たりもよくなりますので、発芽した後の生育は、普通の栽培より旺盛になります。
メリット3「芽かきが不要になります」
ジャガイモの高ウネ植えは、選ばれた強い芽だけが伸びますので、芽の本数が減ります。
そのため、芽かきの手間を省略することが出来ます。
なお、芽の数が多く出る場合がありますので、その際は、強い芽を3~4本残してかきとります。
メリット4「土寄せがほとんど不要になります」
ジャガイモの土寄せは、イモを遮光して緑化を防ぐ目的があります。
ジャガイモは、光が当たって表皮が緑色になりますと、人体に悪影響を及ぼす チャコニン・ソラニンなどの有害物質が生成されます。
その点、高ウネ植えは、イモが深い位置につき、光が当たる心配がありませんので、土寄せをする必要がほとんどなくなります。
ジャガイモの高ウネ栽培のデメリットと気を付けたい点
萌芽が遅れる傾向にあります
ジャガイモの高ウネ植えは、普通栽培の2倍の高さにウネを立てて深く植えつけますので、萌芽が遅れます。
そのため、種イモの植え付け~収穫時期の日数を考慮して、梅雨に差し掛かる前に掘り上げられるスケジュールが必要になるかもしれません。
ジャガイモの高ウネ植えの栽培方法
ウネの高さについて
ジャガイモの高ウネ植えは、普通栽培の2倍の高さのウネを立てて、深く植えつけます。
普通栽培 | 高ウネ植え | |
ウネの高さ | 15cm | 30cm |
イモの深さ | 10cm | 15~20cm |
ジャガイモの高ウネ植えの収穫時期と、長期間保存できる方法
ジャガイモの高ウネ植えの収穫時期
ジャガイモの普通栽培は、葉が黄色くなってきた頃に収穫しますが、高ウネ植えの場合は、湿害の心配が少ないため、地上部が完全に枯れて、茎のあった部分がやや凹んだ時期に収穫します。
なぜなら、茎がまだ黄色い状態の時期は、本来 収穫にはやや早いためです。
地上部が完全に枯死した状態が、イモが完熟した合図(収穫の適期)になります。
ジャガイモを長期間保存できる方法
地上部が完全に枯れた状態で収穫したジャガイモは、完熟して日持ちがよくなります。
このイモを上手に保存しますと、秋ジャガイモの植え付け、さらには 次の年の植え付け時期まで利用することが出来ます。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ジャガイモ栽培の裏ワザ「高ウネ植え」について、ご紹介いたしました。
この栽培は、ジャガイモを普通に育てる時よりウネの高さを2倍にすることで、湿害を防止することができ、芽かき・土寄せが不要になります。
水はけの悪い畑に向いた植え付け方法ですので、参考になさってください。
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」
[関連記事]