農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、トウモロコシとインゲンのコンパニオンプランツ栽培のポイントについて、ご案内いたします。
トウモロコシとマメ科の植物を一緒に育てる栽培は、国内外で昔から行われている伝承農法です。
トウモロコシを単体で栽培するより、インゲンと混植することにより害虫や雑草を防ぐ効果があると言われていますので、参考になさってください。
トウモロコシとインゲンのコンパニオンプランツ栽培について
共栄関係にあるトウモロコシとインゲン
農学博士の木嶋利男先生によりますと、トウモロコシはマメ科の植物と共栄関係(=互いに生長し合う)にあるため、それぞれを単体で栽培するよりメリットがあります。
トウモロコシとインゲンの混植
トウモロコシとインゲンの混植は伝承農法で、アメリカの先住民が行っていた栽培と言われています。
また ブラジルでは、トウモロコシとハッショウマメ、日本でも九州から東北の山間地でインゲンマメの混植が広く行われていたそうです。
インゲンマメの効果
土を肥沃にする効果
トウモロコシは肥料食いと言われているほど吸肥力が強く、たくさんの窒素肥料が必要になりますが、インゲンマメは根に根粒菌が共生していますので、空中の窒素を土の中に固定して、土を肥沃にします。
窒素を供給されたトウモロコシは、旺盛に育ちます。
雑草を防ぐ効果
木嶋先生によりますと、ハッショウマメはL-ドーパ(アミノ酸の一種でパーキンソン病の治療薬)という物質が出て、トウモロコシと混植された畑は、雑草がほとんど生えないのだそうです。
また、トウモロコシ畑に生える雑草とインゲン畑に生える雑草は種類が異なりますので、それぞれの雑草の発生が抑えられ、雑草が少なくなる効果があるとも言われています。
アワノメイガの飛来を抑える効果
トウモロコシは害虫アワノメイガの幼虫に食害されやすいですが、インゲンマメはその飛来を抑制します。
トウモロコシとインゲンマメのコンパニオンプランツ栽培のポイント
日陰でも育つマメ科植物
インゲンマメや枝豆などのマメ科植物は、トウモロコシの日陰でも育ちますので、混植しても生育が悪くなることはありません。
品種について
トウモロコシ、インゲンマメの品種は選びません。
インゲンマメは「つるなし・つるあり」のどちらでも栽培が可能で、つるありの場合は、トウモロコシの茎を支柱代わりにすることも出来ます。
※ つるなしインゲンの生長が著しい場合は、支柱を立てて栽培されることをおすすめいたします。
トウモロコシとインゲンの栽培ポイント
トウモロコシ
30cmほど株間をとり、直まきか苗を植え付けます。
インゲンマメ
つるなしの場合は、トウモロコシの株の間に種を3粒まき、元気のよいものを2本残して育てます。
つるあり(写真上)の場合は、トウモロコシの株元に種を3粒まき、元気のよいものを2本残して育てます。
インゲンマメはトウモロコシより収穫が早く始まり、トウモロコシの収穫後も採り続けることが出来ますので、若採りをして株の老化を防ぎます。
まとめ
※ インゲンとコーンのソテー
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、トウモロコシとインゲンのコンパニオンプランツ栽培のポイントについて、ご案内いたしました。
トウモロコシとインゲンマメの混植は、国内外で昔から行われている伝承農法です。
トウモロコシを単体で栽培するより、インゲンと混植することにより害虫や雑草を防ぐ効果が高まると言われていますので、参考になさってください。
なお、一緒に育てた野菜は、同じ料理にしますと美味ですので、お試しになってみてくださいね。
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