家庭菜園で一番悩まされるのが「害虫」ですね。
春菊は万能のコンパニオンプランツで、野菜を単独で栽培するより害虫が寄り付かなくなるメリットがあります。
春菊を栽培されたことがある方は、あまり虫が付かないと思われたことはないでしょうか。それは春菊に害虫忌避の効果があるからです。
本日は春菊と一緒に栽培すると相性が良い野菜をご紹介いたしますので、ご参考になさってください。
春菊が害虫を寄せ付けない理由
春菊はキク科の野菜です。
キク科は全般的に独特の香りを放ちます。その特性を活かして、春菊と別の野菜を一緒に栽培すると、害虫が寄り付かなくなるのです。
春菊と相性の良い野菜
虫の飛来を防ぐ春菊
春菊と一緒に育てると良いと言われている野菜は、「アブラナ科」です。
アブラナ科野菜と春菊を組み合わせて栽培することで、アブラナ科を好む虫「モンシロチョウ」や「コナガ」は春菊の香りを嫌がり飛んでこなくなります。
虫が寄り付かなくなるということは、野菜への産卵がなくなります。つまり、アオムシやコナガの幼虫の食害を防ぐことが出来るのです。
お互いの害虫を寄せ付けない効果
独特の香りで、アブラナ科の野菜に絶大な効果がある春菊にもアブラムシやハモグリバエなどの害虫が付くことがあります。
しかし、アブラナ科野菜と一緒に育てると、それぞれに寄ってくる害虫を忌避することが出来ます。
なぜなら、科の異なる野菜は、寄り付く害虫も異なるからです。害虫同士は互いを避け合う性質があるので、混植することでそれぞれに付く害虫がいなくなるという作戦です。
春菊と相性の良いアブラナ科の野菜
・キャベツ
・ブロッコリー
・カリフラワー
・チンゲンサイ
・コマツナ
・ミズナ
・カブ
春菊とアブラナ科はケンカをしない
春菊とアブラナ科の野菜は、好む養分が異なります。したがって、土の中の余分な肥料をお互いに利用し合います。
肥料の多すぎる土は、春菊もアブラナ科野菜もえぐみが出てしまいますがが、一緒に栽培することで味が良くなります。
栽培のポイント
品種選び
春菊の品種は、東日本で一般的な「株立ちタイプ」がおすすめです。なぜなら摘心すると栽培期間を延ばすことが出来るからです。
西日本で一般的な「キクナ(大葉シュンギク)」は、株元を切って収穫しますので、栽培期間を延ばすことができないため、コンパニオンプランツに使う場合は「株立ちタイプ」を選びましょう。
土づくり
種まきの3週間前に、完熟たい肥とぼかし肥、または牛ふんと鶏ふんなどを施して、ウネを立てます。
種まき
春菊は条まきします。発芽率が良くないので、厚めに(タネを重ねるように)まくのがポイントです。
春まき
生育の初期は害虫の発生は少ないので、春菊とアブラナ科は同時に種まき、もしくは春菊の種まきを先に行います。
秋まき
アブラナ科の野菜は害虫被害にあいやすいため、先行して春菊をある程度大きく育てた後、アブラナ科の種まきをするのがおすすめです。
間引きと追肥
春菊の間引き
・本葉2~3枚 株間を5~6cmに間引き
・本葉7~8枚 株間12cmに間引き
アブラナ科の野菜
・適宜、間引きをします。
追肥
2回目の間引きのあとに、ぼかし肥や鶏ふんを与えます。
収穫
春まきの春菊
春まきの春菊はトウが立ちやすいので、摘心をしないで株元を切って収穫します。
秋まきの春菊
本葉が10枚ほどになったら、茎の先端を摘心して収穫します。下葉は5枚程度残します。
わき芽が生長してきますので、随時収穫します。
バジルも春菊のコンパニオンプランツ
春菊のコンパニオンプランツは、アブラナ科野菜だけでなく「バジル」も相性が良いと言われています。
春菊はアブラムシ、ハモグリバエなどの害虫が付く場合がありますが、今度はバジルの香りが活躍します。バジルの香りにはリナロールという香り成分があり、殺菌作用があります。
バジルは暑さに比較的強く、よく育ち株が大きくなるので、春菊を害虫から守ってくれます。
栽培のポイント
注意点
春菊のちかくで大量のバジルを栽培しないようにします。
バジルは初夏から真夏にかけて草丈が高くなるので、春菊の生長をにぶらせてしまうからです。
品種選び
春菊の品種は何でもOKです。
バジルは「スイートバジル」が手に入りやすく使いやすいのでおすすめです。
土づくり
種まきの3週間前に完熟たい肥とぼかし肥、または牛ふんと鶏ふんなどを入れてウネを立てます。
種まきと植え付け
春菊
条まきします。春は3月下旬~5月中旬、秋は9月上旬~10月下旬が適期です。
バジル
種から育てる場合は、3月上旬から種をまきます。バジルは水を好むので、適当に加湿してあげましょう。
秋にバジルを使う場合は、夏の間に茎の先端を切って挿し木をして、株を増やすことも出来ます。
バジルの香り効果は広範囲に及びますので、50cm以上離してところどころに植え付けます。
収穫
春まきの春菊
春まきの春菊はトウが立ちやすいので、摘心をしないで株元を切って収穫します。
秋まきの春菊
本葉が10枚ほどになったら、茎の先端を摘心して収穫します。下葉は5枚程度残します。
わき芽が生長してきますので、随時収穫します。
バジル
随時、葉を摘みとります。
わき芽が次々と伸びてきますので、より香りが強くなり効果が高まります。
まとめ
春菊はアブラナ科野菜にとって、万能のコンパニオンプランツであることをご紹介いたしました。
害虫忌避の効果がある春菊を有効に活用して、春菊とアブラナ科野菜の両方が虫に食害されなくなる狙いは、興味深い作戦ですね。
春菊は単独で育てるより、アブラナ科の野菜やバジルと一緒に育てるとメリットがありますので、興味がある方はおためしになってみてはいかがでしょうか。
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[参考文献]
野菜づくりBOOK(サポート付 貸農園 シェア畑)