家庭菜園で「ひとりで出来るマルチの張り方のコツ」「マルチを張る意味とその効果」について、ご紹介いたします。
私は野菜作りの初心者で、サポート付き貸し農園「シェア畑」と、農家さんから菜園を借りて栽培をしていますが、マルチの役目と重要性が分かってきました。
シェア畑ではマルチを張って野菜を栽培することが多いのですが、野菜によって要らないものもありますので、それも合わせてご紹介いたします。
1. マルチの効果と張る意味
2. ひとりで出来るマルチの張り方
4.マルチを張る野菜と、張らない野菜
マルチとは?
マルチとは土の表面をおおうこと「マルチング」の略語で、野菜を栽培するときに「ウネの表面をおおう資材」のことをいいます。
マルチを張る意味と5つの効果
マルチを張る意味と効果は、野菜が健康に育つ環境を保つことを目的としています。
雑草の防止効果
マルチを張ると土が覆われますので雑草が生えません。したがいまして栽培している野菜の保護になります。
保湿の効果
マルチを張ることによって、土の表面の乾燥を防ぐ効果があります。
保温の効果
マルチを張ると温度を保つことができ、季節によって温度を調整することも出来ます。
病気の予防
マルチで土のはね返りを防ぎます。
マルチを張っていない場合、雨で土がはね返り、野菜の傷口(葉っぱがちぎれていたり、茎の損傷部分)に触れて、病気が感染する場合があります。
肥料が流れ出るのを防ぐ
マルチを張ると、雨や水やりなどで土の団粒構造が崩れるのを防ぎます。
団粒構造とは?
土壌の微細粒子が集合して微小な塊状をなしていること。孔隙(こうげき)に富み,空気や水の透通性がよく,また水や植物養分を保持する力が大きいので植物にとって好ましい状態である。
(コトバンクより引用)
マルチの種類
マルチの種類はいろいろあります。
・ポリフィルム素材の黒いマルチ
・草マルチ(刈り草・敷きワラ)
・紙マルチ(再生紙を使ったもの)
・ストーンマルチ(石をつかったもの)
シェア畑ではポリフィルム素材の黒いマルチを使用していますが、私はポリフィルム素材の「穴あき」「穴なし」のマルチ、「ワラ」を使っています。
家庭菜園でそれぞれ1本ずつあると便利です。
ひとりで出来るマルチの張り方とコツ
シェア畑を利用し始めた当初
1年後
それでは、ひとりでも出来るマルチの張り方とコツをご紹介いたします。
私が初めてマルチを張ったのが2年前。最初の頃はすぐに剥がれてしまったり時間がかかってとても苦労しましたが、シェア畑で教えてもらったやり方を繰り返していくうちに、少しだけ上達してきたように思います。
・スコップ
・クワ
・ならし板
・マルチ
・マルチ留め
・移植ごて(小さいスコップ)
土を耕して、ウネを立てます。
ウネの幅は、マルチの幅より狭くします。
ウネの周りにお堀をつくるイメージで、周り(外側)からクワ・スコップを使って、ウネの中心に土を寄せて盛ってゆきます。
ならし板を使って、ウネをかためます
ならし板で土の表面をギュウギュウ押し付けてウネを固く形成します。
押し付ける面は、土の上面と4側面です。
板を使って表面のデコボコをならして平らにすることで水たまりにならず、ウネに浸水する量が均等になります。
しっかりウネをかためて水はけを良くして、これから長い期間の野菜栽培に備えます。
ウネの全面をギュウギュウ固めて、上面を平らにします。
マルチを敷き、片側のすそを2カ所留め
マルチをくるくると引っ張って、ウネを覆います。
風に飛ばされないように、片側2か所にマルチ留めを挿して固定します。
上の写真のようなピンや石などで留めてもOKです。
ウネより長めにマルチを切ります。
まず、片面2か所を留めましょう。
マルチをピーンと張って端を留めます
マルチ留めで固定した反対側のすそを持って、マルチがたるまないように出来るだけピーンと引っ張り、マルチ留めやピンで固定します。
マルチにたるみがありますと雨や水やりで水たまりになってしまい、マルチの効果を十分に発揮できなくなってしまいます。(種が流れ出たり、苗の根が傷み病気になりやすくなります)
あまり強くひっぱりますと、マルチ留めが抜けてしまうこともあるので気を付けて。
ウネが長い場合は、4隅の真ん中にさらにマルチ留めで固定するとしっかりします。
2か所を固定したら、ピーンと引っ張って反対側を固定します。
マルチのすそを土で埋めます
マルチのスソを足で踏みながらクワなどで土をかけてゆきます。かけた土の重みでマルチが張ってきます。
クワで土をかける作業が難しい場合は、移植ごてを使うとやりやすいです。マルチを引っ張りながら土をかけるのがコツです。
マルチの端に土をかけても、まだ完全にピーンと張りませんが大丈夫です。
最後に、マルチの周りにかけた土を足で踏み固めますと、たるみが無くなりピーンと張ります。
マルチを軽く引っ張りながら土をかけるとシワが伸びます。クワより移植ごてを使うと簡単です。
マルチ留めが無くても大丈夫!
前の章で、マルチのすそをマルチ留めで固定するとご紹介しましたが、使わなくても大丈夫です。
NHK Eテレの杉浦太陽さんの番組ではマルチ留めを使っていないですね。
マルチ留めの代わりに、石やブロックなどで4隅を留めて、マルチの周りに土をかければ固定されますので、必ずしも留め具は必要ではありません。
マルチを張るタイミング
苗やタネを植える前に
マルチを張るタイミングに悩まれている方もいらっしゃるかと思いますが、苗を植える前・タネをまく前にマルチを張りましょう。
芽が出てからマルチを張るのは作業がちょっと大変です。
どちらが良い?土づくりの直後? 2~3週間後?
マルチを張るタイミングは2パターンあります。
肥料を混ぜて土づくりを行った直後にウネを立ててマルチを張って、約2~3週後に苗を植えるパターン
肥料を混ぜて土づくりをして、土に肥料が浸透してから約2~3週間後にウネを立て、マルチを張り苗を植えるパターン
①の場合、苗を植えずにマルチを張ったまま2~3週間おくわけですから、マルチが雨風やゴミの付着で汚れてしまいますので、私は②の方法が多いですがどちらの方法でも良いそうです。
マルチが要らない野菜について
種をまいて、葉っぱが地表に這うような野菜はマルチは要らないと言われています。
・ニンジン(季節によります)
・ジャガイモ
・ニラ など
マルチは再利用できる?
高原野菜の専業農家さんは、マルチを張ったまま2回ほど作付けしている場合があるようです。
しかしながら、私たちのように家庭菜園で使ったマルチは、一度剥がしたら再利用にあまり向いていません。
なぜなら、長い期間 土や菌などで汚れたマルチをもう一度使うことは、野菜への衛生面で好ましくないためです。
まとめ
ひとりで出来るのマルチの張り方のコツ、マルチを張る意味と効果をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
ウネが野菜の寝床と例えるならば、マルチはお布団といったところでしょう。
家庭菜園でマルチを張って野菜を育てるのは絶対条件ではありませんが、寒い冬は、土を保温して野菜の生長を促してくれますし、暑い夏の期間は、雑草から野菜を守ってくれているなーと実感します。
マルチは回数を重ねるごとに上手に張ることが出来るようになります(経験者は語ります)ので、ご紹介した方法をおためしになってみてください。
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