春から秋まで長期間 収穫できる四季なりイチゴの露地栽培に挑戦します。
カジトラは、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されているコンパニオンプランツ栽培で家庭菜園を行っております。
同じウネで野菜と四季なりイチゴを一緒に育て、病気・害虫を防ぎながら美味しいイチゴが収穫できるよう頑張ります。
今回は、四季なりイチゴのコンパニオンプランツ、美味しく育てる栽培のポイントなどについてご紹介いたしますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
一季なりイチゴを栽培した感想
意外に収穫期間の長い一季なり
一般的に一季なりのイチゴは、5月から収穫が始まり、6月下旬に終わりますが、わが家のイチゴ達は数を減らしながらも、8月近くまで実を付けていました。
想像以上に長い期間イチゴを収穫できたことは嬉しかったのですが、なかなかウネを片付けることが出来ず、他の野菜を育てることもないまま 次のイチゴ栽培の時期に入ってしまいました。
そこで今度は 収穫期間の長い四季なりイチゴの栽培に切り替えてみようと思い立ち、ネットショップにて四季なりイチゴの苗を購入しました。
一季なり・四季なりイチゴの栽培期間
当年 | 翌年 | |||||||||||||
9 月 |
10 月 |
11 月 |
12 月 |
1 月 |
2 月 |
3 月 |
4 月 |
5 月 |
6 月 |
7 月 |
8 月 |
9 月 |
10 月 |
|
一季 | 苗 植付 | ➡ | 収穫 | ➡ | ➡ | |||||||||
四季 | 苗 植付 | ➡ | 収穫 | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ |
上の表は目安ですが、四季なりイチゴは一季なりより収穫期間が3倍も長いことが分かりますね。
四季なりイチゴの収穫を10月上旬に終わらせて土づくりをすれば、10月下旬には次のイチゴ栽培をスタートすることが出来ますので、限られた区画で家庭菜園を行っているわが家にとって、四季なりイチゴはウネを無駄に空けることなく効率的に栽培できることが分かりました。
イチゴの連作について
上記のスケジュールをご覧なって、イチゴは連作してはいけないのでは?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、次の章でご紹介するイチゴのコンパニオンプラツの中で、連作障害対策になる作物がありますのでご参考になさってください。
病気・害虫を防ぐ四季なりイチゴのコンパニオンプランツ栽培
四季なりイチゴのコンパニオンプランツをご紹介いたします。
下の5つの作物は、すべて一緒に栽培することが出来ます。
イチゴのコンパニオンプランツ
病気
予防害虫
忌避生育
促進空間
利用ペチュニア ● パクチー ● ニンニク ● ● ● ● 長ネギ ● ● ● ● ボリジ ● 木嶋利男著「コンパニオンプランツの野菜づくり」から引用
ペチュニア(生育促進)
ペチュニアは次々と花を咲かせる開花時期の長い植物です。
これをイチゴのそばで育てますと、ミツバチやアブなどの訪花昆虫が頻繁に寄ってくるようになりますので、イチゴの受粉の手助けになります。
わが家は、前回のイチゴ栽培でペチュニアをコンパニオンプランツにしていましたが、人工受粉は一度も行わず すべてペチュニア任せで育てておりました。木嶋先生がおっしゃるように確実にイチゴの実がなったと感じています。
パクチー(害虫忌避)
木嶋先生によりますと、イチゴとパクチーのコンパニオンプランツ栽培は、タイ北部で害虫除けとして行われているのだそうです。
パクチーの独特の香りをご存知かと思いますが、このニオイで害虫を寄せ付けない効果を発揮します。
ニンニク(空間利用・生育促進・病気予防・害虫忌避)
空間利用
イチゴとニンニクの混植のメリットは、同じウネで同時に栽培することができることです。
生育促進
イチゴをニンニクと一緒に栽培しますと、イチゴに程よいストレスがかかり 株立ち気味に育ちます。
株立ち気味になったイチゴは風通しがよくなりますので、病気の発生が少なくなります。
春になりますとイチゴは葉っぱや茎を伸ばし、からだに作る「栄養生長」から、花や実を付ける「生殖生長」に早く切り替わり、イチゴを単独で育てるより1~2週間早く花が咲き始め、花の数も増えます。
つまり収穫期間が延びることになりますので、イチゴの実をたくさん収穫することができます。
病気予防
イチゴがかかりやすい病気は おもに「萎黄病、炭疽病、灰色カビ病」ですが、ニンニクのにおい成分「アリシン」は殺菌作用があり、根っこには抗生物質を出す微生物が共生しますので、これらの病気を抑えることが出来ます。
害虫忌避
イチゴはアブラムシやハダニが付きやすく、とくにアブラムシはウイルス病を媒介します。
そこでニンニクを混植することで、これらの害虫は寄り付かなくなりますので、ウイルス病にかかりにくくなります。
長ネギ(空間利用・生育促進・病気予防・連作障害対策・害虫忌避)
イチゴは長ネギとの相性もよく、ニンニク同様にさまざまな効果が期待でき、イチゴの連作が可能になります。
空間利用
イチゴと長ネギの根を絡ませて植え付けますので、場所をとることもなく空間を有効に利用して栽培することが出来ます。
生育促進・病気予防・連作障害対策
長ネギはイチゴの萎凋病を防ぐ効果があります。
長ネギの根の表面にはバークホーデリア細菌という菌が生息し 抗生物質を出しますので萎凋病を抑える働きをしますので、イチゴの連作が可能になります。
害虫忌避
ニンニクと同様、長ネギはアブラムシやハダニが寄り付かなくなる効果がありますので、イチゴがウイルス病に感染しにくくなります。
ボリジ(害虫忌避)
ハーブのボリジは、アブラムシの天敵であるアブラバチを呼び寄せる性質を持っています。
ボリジは 害虫アブラムシに吸汁されますと信号を発してアブラバチを呼び寄せます。
アブラバチはアブラムシの体内に産卵し、寄生されたアブラムシは最終的に死にますので、害虫の密度が下がります。
なお アブラバチはイチゴに付いたアブラムシにも寄生しますので、結果的に、イチゴが害虫から守られることになります。
四季なりイチゴのコンパニオンプランツ栽培のポイント
四季なりイチゴの品種
カジトラは、「おいしいホワイト」という甘くて美味しいと言われている品種をネットショップ( 園芸ネット プラス)にて購入しました。
四季なりイチゴ栽培スケジュール
わが家の栽培スケジュールです。
9月にペチュニアの種をまきましたが、発芽しなかった場合は 翌年の春に苗を植え付ける予定です。
当年 | 翌年 | |||||||||||||
9 月 |
10 月 |
11 月 |
12 月 |
1 月 |
2 月 |
3 月 |
4 月 |
5 月 |
6 月 |
7 月 |
8 月 |
9 月 |
10 月 |
|
苺 | 苗植付 | 追肥 | 追肥 | 収穫 | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | ||||
ペチュニア | 種まき | 苗植付 | ||||||||||||
パクチー | 種まき | |||||||||||||
ニンニク | 種植付 | 追肥 | 追肥 | |||||||||||
長ネギ | 苗植付 | |||||||||||||
ボリジ | 種まき |
土づくり
植え付けの3週間前までに、完熟たい肥とボカシ肥、油粕をほどこして、高めのウネを立てます。
作物の植え付け
ニンニク
イチゴより先に、ニンニクの種を植え付けました。
木嶋先生がご紹介されている「ツルツル植え」という方法で実践しました。
[詳細]病害虫に強くなるにんにくの栽培方法|木嶋先生のツルツル植えで収量アップ!
イチゴ&葉ネギ
株間30cmで、四季なりイチゴの苗を植え付けました。
今回 長ネギを調達できなかったので、葉ネギで対応しました。
イチゴ苗の植え付けポイント1
イチゴ苗は、ウネの面より高めに、気持ち浮かせるように植え付けます。
上の写真の〇は「クラウン」という生長点で、これを植え付けてしまいますと生育が悪くなりますので気を付けます。
イチゴ苗の植え付けポイント2
イチゴはランナーと呼ばれるツルが伸び、それが小ツル・孫ツルに生長します。
イチゴはランナーと反対方向に実を付けますので、ウネの内側に向くように植え付けますと、畑の通路側に実がなりますので収穫がお手軽になります。
ペチュニア
ペチュニアの種まきは初めてでした。ものすごく小さな種ですね。
とても発芽するように思えませんので、芽が出たらラッキーという程度でまきました。
なおペチュニアは、翌年の春先に園芸店などで比較的 低価格(1ポット100円~)で販売されます。
ボリジ
ボリジは、アブラムシの天敵「アブラバチ」を呼び寄せてくれる頼もしいコンパニオンプランツですので是非とも芽が出てほしいです。
種が大きめですので、種まきしやすかったです。
パクチー
わが家の火鍋(ラム肉の辛いお鍋)に欠かすことが出来ないパクチーの種をまきました。
種袋の裏側に、種のからがかたいので、こすりつけてカラを割り数時間水に浸して種をまきましょうとありましたので、畑のひしゃくの水の中に一昼夜漬けたものをまいてみました。
発芽率はあまりよくないと言われているパクチーですが、2~3本でも芽が出てくれると良いのですが。
四季なりイチゴのコンパニオンプランツ栽培レポート
この章では、四季なりイチゴの生長過程をレポートしてまいりますので、ご参考になさってください。
9月
ニンニクの種を植えて2週間後、芽が出てきました。野菜の芽が出るとうれしいですね。
ボリジも種まきから10日後に発芽しました。1か所に2~3粒 種をまいたので、もう少し大きくなってきたら間引きをします。
ボリジのまわりに小さい芽が出てきましたが、果たしてペチュニアの芽か、雑草なのか分からないので、しばらくこのままにしておきます。
種まきから7日後に、パクチーの芽も出てきました。
パクチーは発芽率が悪いと聞いていたので、芽がでてほっとしています。
パクチーも もう少し芽が大きくなってきたら、間引きをします。
10月
10月下旬になりました。ウネを覆いつくすようにボリジの葉が大きく生長しました。
ニンニクも順調に芽が伸びてきましたが、ペチュニアは発芽しなかったようです。
ボリジに隠れていますが、イチゴの葉が増えて株が少し大きくなりました。
ネキリムシ?にやられたのでしょうか、根っこが切られているイチゴの株を2つ発見しました。
この株はもう生長しませんのであきらめて、ランナーが伸びて根を張ったものを新しい株として育ててゆきます。
イチゴの葉で傷んだものは、こまめに摘み取ります。イチゴの茎は意外に頑丈ですので、手で引きちぎろうとすると根っこが動いてしまいますので、ハサミでカットするのがよさそうです。
11月
11月になりましたので、イチゴとニンニクに追肥して、敷きワラを敷きました。
追肥
わが家はボカシ肥を使っており、イチゴとニンニクの中間に施しました。
イチゴとニンニクは追肥の時期が同じで、1回で2つの作物に追肥をすることが出来ますので手間がかからないのが良いですね。
敷きわら
イチゴの冬眠時期に入りますので、ウネを保湿・保温する敷きわらを敷きました。
私は長いタイプの敷きわらを使うのが苦手で、ハサミで10cmほどの長さにカットしてウネに敷き詰めました。
ボリジの大きな葉も土を保温する効果がありそうです。
12月
12月になりました。
初めてボリジの種まきをしてみたのですが、こんなに大きな葉っぱがワサワサ生えるのですね。
ウネを保湿する効果はあると思いますが、これではイチゴの光合成が妨げられそうですので、イチゴの葉を覆っている部分のボリジの葉を取り除きました。
夫にボリジの葉を取り除いてねとお願いしたところ、なんと主軸をカットされてしまいました。(激怒したのは言うまでもありません笑)
ボリジの葉を取り除いたので、イチゴの葉が見えました。
コンパニオンプランツ青ネギの葉の傷んでいるところはカットします。
1月
年が明け、1月になりました。
寒波の影響もあってか、菜園の水道が凍結するほどの寒さです。
この時期、イチゴは冬眠しています。
ボジジは見事に枯れました(茶色い葉がボリジです)。ボリジの種まきの時期は1年に2回あり、春まき(3月中旬~5月)と秋まき(9月~10月中旬)です。
春まきのほうがイチゴにとって良いかもしれませんね。
2月
2月なりました。
元気なイチゴは冬に花を咲かせることがありますが、この時期に咲く花は生長できず実になりません。
2月の終わりまでは、イチゴに過剰なエネルギーを消費させないよう 花を摘み取り、3月以降は摘みらずに残してゆきます。
3月
3月になり温かくなってきました。
真冬の間は、このまま枯れてしまうのではないかしら・・・と、心配していたイチゴの苗がみるみる大きくなってきました。
コンパニオンプランツの長ネギ、ニンニクも順調に伸びています。
3月以降、イチゴの花は摘み取らないようにします。
4月
4月になりました。
イチゴの草丈がグっと高くなり、頼もしい苗に生長してきました。
まだペチュニアを購入していないので、家の庭で育てている古くなってきたビオラを移植しました。
これでよりミツバチが寄ってきてくれるといいのですが。
まとめ
春から秋まで長期間 収穫できる四季なりイチゴ「おいしいホワイト」の露地栽培をご紹介しております。
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているコンパニオンプランツでイチゴを栽培しておりますが、今のところ特に問題なく順調に育っているようです。
このページは 収穫が終わるまで更新してまいりますので、また遊びにいらしてくださいね。
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