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ぬか床の作り方|旨味たっぷりのぬか床で、極上のぬか漬け生活

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ぬか床に野菜を漬けておくだけで「ごちそう」が出来上がります。

旨味の宝庫「ぬか床」で漬けた野菜は、いかなる料理にも代えがたい美味しさがあります。

わが家のぬか床は、100年以上 昔のものになります。もうすぐ米寿をむかえる夫の母が結婚するとき、一緒に持たせてもらった宝物を、私も株分けしてもらい、ずっと育てています。

日々の暮らしで、美味しいものとは、高級な食材に限らないことを、ぬか床生活を始めて実感しております。

ぬか床のお世話は、「面倒くさくて」「くさい」イメージがありますが、実はそのようなことはありません。

ぬか床生活をはじめたあなたは、ぬか漬けの美味しさに感動し、面倒くさくて臭いなど、思わなくなるでしょう。

本日ご紹介する ぬか床の作り方は、「暮らしの手帖」のミシュラン三ツ星を維持している「銀座小十」の奥田透さんが監修されたものを参考にさせていただきましたので、おためしになってみてくだささい。

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「ぬか床」の基本となる材料と道具

ぬか床は、「ぬか」と「塩水」を練って作ります。

この2つをベースにして、旨味となる昆布、かんきつ類などを加えてゆきます。

用意する基本の材料と道具

① 生のぬか 1kg
② 塩 75g
③ 水 1リットル
④ フタ付の容器(容量3~4リットル)
⑤ 残り野菜(大根の皮、キャベツの芯、キャベツの外側の葉など)100g

① 生ぬか

ぬかには「生ぬか」と「炒りぬか」がありますが、おすすめは「生ぬか」です。

わが家は ぬか床に「生ぬか」を足して育てています。

生ぬかと炒りぬかの違いについては、下記にてご案内いたします。

生ぬか

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生ぬかは、お米屋さんや精米所で手に入れることができ、新鮮なぬかは明るい色で、きなこのような甘みがあります。

ぬか床を初めて作られる時や、ぬか床に足される場合は、「生ぬか」をおすすめいたします。

なぜなら生ぬかは、微生物の繁殖と発酵の時間が炒りぬかより早いからです。

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わが家は精米所から「生ぬか」を無料で頂いています。

炒りぬか

スーパーマーケット等で販売されているのが「炒りぬか」です。

炒りぬかのメリットは、生ぬかに比べ酸化の速度が遅いため「保存が効きます」。

しかしながら加熱されているため、微生物はほとんど存在していません。

炒りぬかで野菜を漬けてゆくうちに微生物は増えてゆきますが、発酵するまでに時間を要します。

② 塩

ぬか床に欠かせないのが「塩」で、雑菌を繁殖させない環境を作ります。

初めてぬか床をつくるときに塩をたっぷり使いますが、捨て漬けする野菜(一番最初に入れる野菜のこと)に塩分が吸収されますので、塩分過多になる心配はありません。

③ 水

水はぬか床を初めてつくる時に「1度だけ」使います。

④ フタ付きの容器

ご自宅の冷蔵庫に収納できるサイズ、できれば容量が3~4リットルのものをおすすめしたいです。

「つぼ」「ほうろう容器」など、塩分と酸に強い容器をお選びになってくださいね。

⑤ 残り野菜

ぬか床の肥料となる野菜です。

大根の皮、キャベツの芯など、ヘナヘナにならない固めの野菜が心強いですが、わが家は何でも入れています。

「ぬか床」をより美味しくする11の食材

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前の章でご紹介しましたぬか床に必要な基本の材料のほかに、昆布、かんきつ類の皮などを入れますと、ぬか漬けがより美味しくなります。

この食材を入れるタイミングは、

・一番最初にぬか床を作る時と、
・ぬかを足す時です。

今回は「暮らしの手帖」に掲載されているものと、わが家で使用している食材をあわせてご紹介いたします。

なお、いちどに11種類すべてを入れなくても大丈夫です。

四季おりおりの食材を数種類入れる程度で 美味しくなってゆきます。

ぬか床をより深みのある味わいにする食材例

① 昆布 5cm
② かつおぶし 50g
③ 干しシイタケ 30g
④ 赤唐辛子 2~3本
⑤ 柚子の皮 適量
⑥ すだち 適量
⑦ ショウガ 適量
⑧ 山椒の実 適量
⑨ ニンニク 2~3片
⑩ 焼いた鮭の頭、皮 適量
⑪ 果物の皮・芯(りんご、なし、柿など)

① 昆布

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昆布のミネラルは牛乳の約23倍、カルシウムは約7倍、鉄分ともなると何と39倍含まれているというキワモノです。

栄養の成分も去ることながら、昆布にふくまれる旨味成分「グルタミン酸」で、ぬか床をとても美味しくしてくれます。

② かつおぶし

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かつおぶしはタンパク質が豊富です。旨味はイノシン酸と20種類におよぶアミノ酸の相乗効果によって生み出されています。

スーパーマーケットで販売されている小袋のかつおぶしで十分旨味が出ます。

③ 干しシイタケ

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干しシイタケは、傘もクキも入れます。

干しシイタケは「グアニル酸」という旨味成分が含まれていますので、ぬか床をより美味しくする手助けをしてくれます。

余談になりますが、わが家は生のシイタケを1週間ほど天日干しにしています。

干しシイタケの美味しさの虜になって以来、生のシイタケはすっかりいただかなくなり、シイタケを使う料理は一度水に戻しています。

干したシイタケから、旨味たっぷりの出汁を取ることも出来ますので、おためしになってみてくださいね。

[干しシイタケの作り方]
うま味と栄養が倍増!しいたけの干し方|家庭でもワンランクアップの調味料

④ 赤唐辛子 2~3本

赤唐辛子の役割は辛味を出すだけでなく「防腐作用」があります。

お米を保管するときに赤唐辛子を入れる方法と同じですね。

⑤ 柚子の皮 適量

柚子は、漬物と相性が良い柑橘です。

柚子の季節に皮を1かけら入れるだけで、抜群に美味しくなります。

⑥すだち 適量

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柚子と並ぶ、香りの良い柑橘ですね。

薄く輪切りにして入れますと、爽やかな香りがぬか床に浸透します。

⑦ ショウガ 適量

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ショウガの防腐作用も絶大です。

丸ごとでも、皮だけ入れても構いません。

漬けたショウガをお茶漬けにして召し上がってみてください。

⑧ 山椒の実 適量

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山椒の実を入れますとコクが出ます。

⑨ ニンニク 2~3片

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抗菌作用があるニンニクは、コクと旨味が出ます。

⑩ 焼いた鮭の頭、皮 適量

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料理研究家の有元葉子さんは、こんがりと焼いた塩鮭の頭を年に1~2回入れられているそうです。

これを真似て、わが家も時々塩鮭の皮を入れています。

乳酸菌の働きで3日もしますと骨や皮が溶け、1週間ほどで跡形もなくなります。

鮭で旨味が増したぬか床は極上になりますので、興味のある方はおためしになってみてくださいね。

⑪ 果物の皮

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柿、りんご、梨の皮と芯、スイカ、メロンなどを入れますと、とげとげしたぬか床がまろやかになります。

「ぬか床」の作り方(手順)

ぬか床に入れる食材

・生ぬか 1kg

・昆布 5cm
・干しシイタケ 30g
・かつおぶし 50g
・赤唐辛子 2~3本(刻んでおく)
・干しシイタケ 30g

・水 1リットル
・塩 75g

・捨て漬け用の野菜 適量 (キャベツの芯、大根の葉っぱ・皮など)

使用する主な道具

・鍋
・大きめのボウルなど(生ぬかを練るので大きいもの)

1.材料を加えます

鍋に水・塩・昆布・干しシイタケを入れて沸かし、沸騰しましたら火を止めてそのまま冷まします。

大きめのボウルに、生ぬか・かつおぶし・刻んだ赤唐辛子を入れて、そこにお湯で沸かした昆布と干しシイタケを入れます。

2.生ぬかを練ります

1のボウルに、だし汁を少しずつ加えて混ぜて練ります。

手で握ってお団子くらいに固まるようになりましたら練り上がりです。

3.捨て漬けをします

容器にぬかを入れて、捨て漬け用の野菜を埋めます。

野菜は何を入れても構いませんが、へたりにくい固めの野菜がおすすめです。

4.表面をならします

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表面を手のひらで押し、中の空気を抜いて、平らにならします。

作業途中、容器の側面にぬかが付きますが、雑菌が繁殖する場合がありますので、キッチンペーパーや清潔なふきん等できれいに拭き取ってくださいね。

これでぬか床の準備は完了です。発酵されるのを待ちましょう。

発酵を待つ間におこなうこと

毎日混ぜましょう

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ぬか床が発酵するまでの時間は、春夏はおおよそ1週間、秋冬は3週間ほど かかります。

毎日1回混ぜて香りをかぎながら、ぬかの変化をお楽しみになってください。

ぬか床を混ぜなければならない理由は、特定の菌が増えすぎてしまうためです。

菌のバランスを均等に保つために、毎日混ぜましょう。

「ぬか床」の混ぜ方

手を洗い、ぬかにズボっと入れます。

容器の底のぬかを上にすくい出して、空気に触れさせます。

底からすくいだして混ぜる、これをくり返します。

わが家は10回ほどかき混ぜています。

「ぬか床」の保管場所

ぬか床が発酵するまでの間、微生物の活動を促すために「常温保存」しましょう。

室温25℃前後が理想で、一日をとおして温度変化があまりない・直射日光が当たらない場所が最適です。

なお、夏にぬか床を作られる場合は、発酵の速度が一気に上がりますので冷暗所に置くようにしましょう。

捨て漬け用の野菜は2日おきに取り替えて

捨て付け用の野菜は、2日に1度のペースで野菜を取り替えると良いでしょう。

野菜がしんなりしたら取り出して、新しいくず野菜を加え、処分する前に味見をしてみてくださいね。

漬けた当初は塩辛いと思われるかもしれませんが、日にちが経つにつれ、次第に塩気が薄れ「酸味」を感じてくると思います。

この酸味が「発酵スイッチが入った」しるしです。

酸味を感じ始めましたら、いよいよ本漬けのスタートです。

いよいよ本漬け!自家製のぬか漬けが完成

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捨て漬けの野菜に酸味が出てきましたら、いよいよ「本漬け」になります。

一晩漬けますと、自家製ぬか漬けの出来上がりです。

材料(例)

・生野菜(きゅうり・大根・かぶ・なす等)
・塩 適量

漬け方

① 生の野菜を漬けます。

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かたい野菜、大きな野菜は漬かるのに時間がかかりますので、半分に切るなど小さくして漬けましょう。

② 野菜に塩をすり込みます

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塩を野菜にゴシゴシと強めにすり込みますと、野菜の水分が抜けやすくなり よく漬かります。

また塩の効果で野菜の色の鮮やかさが保たれます。

野菜に塩をすり込んで漬けることは、ぬか床に塩分を加えることになりますので、雑菌の繁殖を防ぐことになります。

③ 野菜を漬けます

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手でぬか床を掘り、野菜を埋めます。

深めに掘って野菜を入れ、ぬかをかぶせた上に次の野菜を埋めるようにしますと、たくさん漬けることができます。

野菜がぬかから出ないように(野菜全体が埋まるように)漬けましょう。

④ 野菜を取り出します

ひと晩~丸1日程度漬けましたら取り出します。

野菜に付いたぬかを、しごいて容器に戻し、野菜を軽く水洗いして切ります。

わが家は常温でぬか床を育ておりますが、いただく30分ほど前に取り出して水洗いをして切り、冷蔵庫で冷やして頂いています。

ぬか漬けは、いただく直前に取り出しますと、美味しいです。

ぬか漬けに向いている野菜は?

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個人的に、水気が多く歯ごたえがある野菜が美味しいと感じます。

夏はきゅうり、カブ、茄子、ミョウガなど、冬はカブ、大根、ニンジン、長芋も大変美味しいです。

漬ける時のポイント

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大きめの野菜は小さく切ったり、短時間で漬けたい場合はキュウリを縦に半分に切るなど、工夫してみてくださいね。

葉物を漬ける場合は、輪ゴムで留めますとバラけません。

なお、わが家は本漬けしている間も野菜の皮などを入れています。りんごの皮や、スイカの皮も入れちゃっています。

ぬかの「におい」について

ぬか床は、育てば育つほど、独特のにおいが遠くなってゆきます。

夏になりますと、「去年よりにおいが気にならない」と毎年感じます。

ぬか床は、発酵が進み水分が多くなると独特のにおいが漂ってきますので、ぬかを足してかき混ぜますと、数日後にはあまり気にならなくなるかと思います。

日々の暮らしでおこなうこと

漬ける時間はご自身で探してゆきましょう

浅漬けをお好みの場合は4~5時間ほど漬けて、様子をみてください。

夏はぬか床がよく育ちますので冷蔵庫に置いて、発酵の促進を抑えると良いかと思います。

よく漬かった酸味の効いた漬物がお好みの場合は、一晩~まる一日漬けてみてくださいね。

味見を習慣にして

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1日1回ぬかをかき混ぜるとき、香りと味をおためしになってみてください。

味見が習慣になりますと、早めに対処することができますので、ぬか床をダメにしてしまう事を避けることが出来ます。

冷蔵庫を上手に使いましょう

ぬか漬けは江戸時代から作られている日本の伝統料理です。

冷蔵庫のなかった時代は、現代のような猛暑もなく、ぬか床を涼しい土蔵などで保管をしていました。

しかしながら、近年日本は酷暑に見舞われるようになったため、ぬかの発酵がいちじるしく進んでしまいます。

室温が30℃以上になる場合は、「冷蔵庫に入れて管理」されると長持ちしますので、常温ですこし酸味が強くなってきたと思われた場合は、冷蔵庫に入れて発酵を抑えてみてください。

なお、冷蔵庫は常温より野菜が漬かるまでに時間がかかりますので、野菜を小さく切って調整してくださいね。

ぬかと塩を足しましょう

野菜を漬け続けてゆきますと、次第にぬかが少なくなりますので、ひと月に一度を目安に「ぬかと塩」を足しましょう。

ぬか床は、野菜の水分でゆるくなってきますので、新しいぬかと塩を加えて一番最初に練り上げたかたさに戻してあげてくださいね。

新しいぬかと塩を混ぜることによって、微生物の働きが活発になります。

なお、足しぬかは、生でも炒ったものでもどちらでも構いません。

唐辛子や昆布など、お好みの食材を一緒に入れますと美味しさが持続します。

・生のぬかが余っている場合は、フライパンでサラサラになるまで炒り、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、それを足しぬかにしてもOKです。

・わが家は足しぬか一つかみに対し、塩を大さじ1~2杯ほど(夏季は大盛りで1~2杯)入れています。

ぬか床の水抜きについて

キュウリやダイコンなど、水分の多い野菜を漬け続けますと 水が溜まってきますので、キッチンペーパーなどで取り除いたり、容器を傾けて水を捨てましょう。

水を捨てたら 足しぬか+塩

水を捨てた後は、ぬか床の塩分が抜けていますので、ぬかと塩を足して混ぜ、4~5日は野菜を漬けずにかき混ぜるだけにし、4~5日後に野菜漬けを再開しましょう。

わが家の水分対策

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わが家は1ヶ月に一度、ぬかと塩、調味料を足していますので、水がたまることはあまりありませんが、水気が多くなってきたと感じたら、ぬかと塩、調味料を足して 野菜漬けを中断し、4~5日後に再開しています。

水が溜まったぬか床は 塩分が抜けて乳酸菌が減り、雑菌が繁殖しやすい環境になっています。

ぬか床が少しゆるくなってきたかな?と、思われたタイミングでの足しぬか+塩(+調味料)を心がけますと、ダメージを軽減することが出来るかと思います。

※ぬかをギュっと握って水分が出てきたら、ぬかと塩、調味料を入れる時期と判断しています。

カビが生えてしまったら

ぬか床を混ぜずに放置していますと、表面に白いカビのようなものが現れます。

これは身体には害がない「産膜酵母」という酵母の一種です。

害はないとは言うものの、ぬかの旨味を奪い、美味しさが損なわれてしまいます。

白いカビが現れてしまった時の対策は「ぬか床に混ぜ込む」ことですが、表面にごってり生えてしまった場合は、その部分を手で削りとって処分してください。

「青いカビ」「赤いカビ」が生えてしまった場合は修正が効きませんので、もう一度 新しいぬか床を作りましょう。

古漬けになってしまった野菜の使い道は?

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ぬか床に野菜の置き忘れをしてしまうこともあるかと思います。

わが家はよくやりますが(笑)、その場合 細かく刻んで「お茶漬け」にしています。

しっかり漬かっていますので酸味が強くなっていますが、お茶(出汁)との相乗効果で、大変美味しいお茶漬けになります。

置き忘れた漬け物も、できるだけ処分せず、美味しくお召し上がりください。

なお、本記事の参照元「銀座小十」の奥田さんが紹介されている 古漬け野菜とじゃこ、昆布、ごまと合わせて「ごはんのおとも」は絶品ですので、おためしになってみてください。

ぬか床を休ませたいとき、野菜を漬けないときの対処法

日々の暮らしで、野菜を漬けられない(ぬか床をかき混ぜられない)こともあるかと思いますので、その対処法をご案内いたします。

1週間程度休むとき

ぬか床の野菜を全てを取り出し、冷蔵庫で保存します。

野菜を再び漬けるとき、しばらく漬かりが悪くなりますが、漬け続けてゆくうちに元に戻ります。

1週間以上休むとき

1週間以上お休みする場合は、ぬか床の野菜をすべて取り除いたあと、ぬか床の表面に塩をたっぷりと振って冷蔵庫に入れ、カビや雑菌の繁殖を抑えます。

再開するときは、塩辛くなった表面を取り除いて、野菜を漬けはじめます。

冬の間、お休みする場合

冬の間ぬか漬けをされない場合は、野菜をすべて取り除き、ぬか床の表面に1cmほどたっぷり塩を振りかけて、冷凍庫や冷蔵庫に入れて保存します。

春になって再開するときは、塩は取り除かずにぬかを足して、漬け始めます。

容器のお手入れについて

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ぬか床を毎日かき混ぜていますと、器の口元にぬかがこびりつきますね。

当方は ぬかを足すタイミングで、別の器に取り出しツボを水洗いして乾かしています(さぼる時もあります)。

お天気の良い日であれば、容器を太陽熱消毒すると良いでしょう。

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冬のぬか床について

前の章でも述べましたが、冬は乳酸菌や酵母菌の発酵が弱くなりますので、ぬか床を「冬眠」させる方もいらっしゃいます。

その方法は、器やジップ式の袋にぬかを入れ、表面に塩を1cmほどたっぷり振りかけて、冷凍(冷蔵)し、来年の春まで休ませます。

ちなみにわが家は、キッチンに置いたままにして時々冬野菜を漬けています。

野菜の漬かり具合は夏より時間がかかりますが、室温が20度以上あれば発酵します。

昔の日本のお母さんは、土間や土蔵など 暖房のない気温の低いところにぬか床を置いていました。

気温が低いと発酵が鈍くなりますので、当時の方は 春までぬか床を休ませていたのだと思います。

現代は、比較的温度の高いところにぬか床を置くことができますので、冬眠させずに冬野菜のぬか漬けを楽しまれても良いかと思います。(私のお気に入りの冬野菜は長いもです。)

ぬか床は、ビタミン、ミネラル、繊維が豊富ですので、一年中 栄養を補給することが出来ます。

ぬか漬けの容器について

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ぬか床の容器は、プラスチック製のものを使うことも出来ますが、何年も使ってゆくことを考えますと、「陶器」や「琺瑯」がおすすめです。

かめタイプ

磁器で作られている陶器は保湿性にすぐれ、ぬか床、梅干し、お味噌を入れるのに最適で、器の中の温度を一定に保ち、臭いが浸みこむ心配がありません。

便利な野田琺瑯

「野田琺瑯」もぬか床容器におすすめです。

琺瑯は塩と酸に強く、においが付きにくいため、長期間 漬物を入れるのに適しています。

まとめ:漬け時間を探求してゆく楽しみ

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正直に申し上げますと、私は夫の母から株分けしてもらったぬか床を、何度か失敗させています。

毎日の忙しさを理由に、かき混ぜなかったからです。

しばらくぶりにカメのフタを開けた時、カビで赤く染まったぬか床を見た時の自己嫌悪を今でも忘れることが出来ません。

そんな不出来な私を、夫の母は笑って「持って行きなさい」と、その都度 ぬかを分けてくれました。

そしてここ数年で、毎朝ぬか床をかき混ぜることがようやく習慣になってきたところです。

ぬか床で漬けた野菜は美味しくなることはもちろんですが、もう一つ大切なことは、「楽しむこと」かなとも思います。

毎日、何年、何十年も漬けてゆきますと、「美味しく漬けられるコツ」が自然に身に付いてゆきます。

もし失敗してしまってイヤになってしまっても、もう一度挑戦すれば良いのです(経験者は語ります)。

ぬか床をかき混ぜる習慣は、必ず「美味しいごちそう」として あなたに返ってきますので、ぬか漬け生活をお楽しみになってみてください。

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調味料のレシピ野菜食のこと
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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