ブロッコリーを単独で育てるより コンパニオンプランツと一緒に栽培しますと、害虫を寄せ付けない効果・土を肥沃にする働きがあると言われています。
今回ご案内します栽培は、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている方法で、野菜・花・雑草とバリエーションが豊富です。
1つのウネに多品目 栽培することが出来るメリットもありますので、ご参考にしていただければ幸いです。
ブロッコリーのコンパニオンプランツ「キク科の野菜」
ブロッコリーのコンパニオンプランツは、キク科の野菜が効果的です。
害虫忌避の効果
ブロッコリーは「アブラナ科の野菜」で、害虫の被害にあいやすいのがツライところですね。
そこでブロッコリーとキク科の野菜を混植しますと、キク科野菜の独特な香りで、害虫が寄り付かなくなると言われています。
なぜならアブラナ科とキク科の野菜は、それぞれに付く害虫が異なるからです。
別種の害虫はお互いを避け合う性質がありますので、ブロッコリーにもキク科の野菜にも、害虫が寄り付かなくなります。
特にオススメがサニーレタスです
キク科野菜の中で、害虫を寄せ付けない効果が高いものは「赤い葉のサニーレタス」です。
モンシロチョウやコナガは、レタスの香りを嫌がる性質があり寄り付くことが少なくなりますが、「赤い色」も嫌うため、さらなる効果が期待できます。
栽培のポイント
ブロッコリーとキク科の野菜の混植は、空間を利用してお互いの生育を促進させるメリットもあります。
寒さに強い「玉レタス」を例に、栽培のポイントをご案内いたします。
ブロッコリーが玉レタスの寒さよけに
玉レタスをブロッコリーの陰に植え付けますと、栽培期間をずらすことが出来ます。
玉レタスの品種は、寒さに強いものを選びましょう。
春どり用ブロッコリーと玉レタス
玉レタスの苗は寒さに比較的強く、早春の3月上旬ころから畑に植え付けることが出来ます。
この時期は霜が降りたり寒風にさらされますので、春どり用のブロッコリーの陰に植え付けるのがコツです。
通常より2~3週間早く栽培をスタートすることができ、5月中旬あたりから収穫します。
冬どり用ブロッコリーとレタス
10月の上旬に玉レタスを植え付けることも出来ます。
寒くなって霜が降りると玉が傷みやすくなりますが、この時も冬どり用のブロッコリーの陰に植え付けて、霜よけします。
ブロッコリーの土寄せ
ブロッコリーの土寄せをしっかり行っておきますと、玉レタスを条間に植える時に「溝植え」と同じ状態になります。
くぼんだ条間は日光で暖まりやすい環境になりますので、苗がよく育ちます。
コンパニオンプランツに有効なキク科野菜
コンパニオンプランツとしておすすめのキク科野菜です。
🌱 サニーレタス
🌱 玉レタス
🌱 サンチュ
🌱 シュンギク
🌱 パクチー(コリアンダー)
ブロッコリーのコンパニオンプランツ「ソラマメ・エンドウ」
ブロッコリーとソラマメ・エンドウの混植は、空間を有効に利用しながら育てることができます。
また、どちらの野菜の生長も促進し、害虫忌避の効果も高まります。
空間を有効活用して栽培
ソラマメやエンドウの栽培で心配なことは、無事に冬越えをしてくれることですね。
そこでブロッコリーの株元に、ソラマメ・エンドウの苗を植え付けますと、ブロッコリーが風よけになり、ソラマメ・エンドウが寒風や霜で凍死するのを防ぐことができます。
生育促進の効果
ソラマメ・エンドウの根っこは、根粒菌が共生して土が肥沃になります。
そのためブロッコリーがすくすく生長する効果が期待できます。
害虫忌避の効果
ソラマメやエンドウは、アブラムシが付きやすい野菜ですが、テントウムシなどの天敵も呼び寄せますので、ブロッコリーに付くアブラムシ退治をしてくれます。
ブロッコリーのコンパニオンプランツ「サルビア」
ブロッコリーのコンパニオンプランツは、お花もあります。
シソ科のサルビアを一緒に植えますと、次のような効果が期待できます。
害虫忌避の効果
サルビアの香りと赤い花を嫌い、モンシロチョウやコナガが寄り付かなくなります。
サルビアの品種選びについて
サルビアはさまざまな種類が販売されていますが、夏の暑さに強い「サルビア・スプレンデス」がおすすめです。
害虫の多い時期によく育つ品種ですのでコンパニオンプランツとして重宝します。
ブロッコリーのコンパニオンプランツ「ハコベ・シロツメクサ」
ブロッコリーのコンパニオンプランツは、雑草を利用することも出来ます。
ハコベやシロツメクサは、土を保温・保湿し、「天然のマルチ」として利用することが出来ます。
ハコベの効果
天然のマルチで保温保湿
ハコベは、秋から春に生える雑草で、春の七草の1つでもあります。
伸びてくるとウネや通路を覆いますが、土に寒風が直接当たることがなくなり、保温保湿の効果でブロッコリーがよく育ちます。
土が肥沃になります
ハコベが生える場所は土が肥沃な証拠ですので、ブロッコリーはすくすく生長します。
また冬の間も畑が使われることで微生物相が豊かにななり、さらに土が肥沃になります。
シロツメクサ(白クローバー)の効果
天然のマルチで保温保湿
初夏どりのブロッコリーを栽培する場合は、シロツメクサを使います。
ハコベと同じように地面を覆いますので、マルチの代わりになり、保温保湿の効果が高まります。
シロツメクサの種まきは、ブロッコリーのウネを立てるタイミング(10~11月頃)に行います。肥料を入れて土づくりをする必要はありません。
土が肥沃になります
シロツメクサは「マメ科」ですので、土を肥沃にする効果があります。
益虫が増えます
シロツメクサの花に益虫がたくさん寄ってきますので、ブロッコリーに付く害虫を食べてくれる効果が期待できます。
伸びてきたらカットして
ハコベもシロツメクサも強い雑草ですので、伸びてきたら短く刈り込みましょう。
なおシロツメクサは、一度広がると草取りをしても根っこから再生し、管理がやっかいになる場合がありますので、場所を限定して種まきするなど、少しばかり注意が必要です。
まとめ
ブロッコリーのコンパニオンプランツをご紹介いたしました。
ブロッコリーを単独で育てるより、コンパニオンプランツと一緒に栽培しますと害虫忌避の効果・生長促進のメリットがあります。
この栽培は、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている方法ですので、ご参考にしていただければ幸いです。
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