キャベツはモンシロチョウの幼虫であるアオムシや、コナガの幼虫の食害を受けやすい野菜ですね。
防虫ネットを張って虫からキャベツを守る対策をとっても、賢いモンシロチョウは細かい網目をぬって卵を産み落とすと言われています。
今回は、キャベツのモンシロチョウ対策として、農学博士の木嶋利男先生が紹介されているコンパニオンプランツ栽培をご案内いたします。
無農薬でモンシロチョウを撃退できる対策ですので、参考になさってください。
キャベツのモンシロチョウ対策|無農薬で撃退するコンパニオンプランツ栽培
アブラナ科とキク科のコンパニオンプランツ栽培
アブラナ科のキャベツは、モンシロチョウや コナガに寄り付かれやすく(産卵されやすく)、卵から孵った幼虫(アオムシ)は、やわらかいキャベツの葉を食害します。
そこで、キク科の野菜をキャベツの近くに植えますと、モンシロチョウやコナガは寄り付かなくなると言われています。
害虫忌避効果があるキク科の野菜
アブラナ科とキク科の野菜を一緒に育てると、害虫の被害を抑えることができると言われています。
キク科の作物は、アレロケミカルという物質を放出しています。
この成分は、ほかの動植物を寄せ付けない「アレロパシー効果」と言われており、キャベツの近くにキク科の野菜を植えることで、モンシロチョウやコナガが寄り付かなくなります。
異なる科の野菜を植えると害虫が寄り付かなくなる理由
キャベツとキク科の野菜を混植すると害虫忌避に効果的と言われている理由は、野菜は「科」によって、寄り付く害虫が違うためです。
別種の害虫は 互いを避け合う性質を持っていますので、野菜全体に害虫が寄り付かなくなり、その結果、野菜への食害が軽減するという仕組みです。
キャベツのモンシロチョウ対策におすすめの野菜
キク科の野菜は、キャベツに付くモンシロチョウやコナガの忌避に効果的ですが、木嶋先生によりますと、中でも 特に「サンチュ」は、モンシロチョウが最も苦手であると紹介されています。
夏の暑さに強いサンチュ
サンチュはレタスに比べますと耐暑性が強いので、夏でもあまり失敗することなく栽培することができます。
次の章で、木嶋先生が紹介されている、キャベツとサンチュのコンパニオンプランツ栽培のポイントについてご案内いたします。
キャベツのモンシロチョウ対策|無農薬で撃退するサンチュのコンパニオンプランツ栽培
キャベツとサンチュのコンパニオンプランツ栽培のポイント
キャベツは、一般的に8月下旬から10月下旬に苗を植え付け、年末から翌年の1月、もしくは4月から5月にかけて収穫します。
サンチュは、9月下旬から10月中旬に苗を植え付けます。
※ 一般地でのご案内です
最初が肝心!キャベツ栽培のポイント
木嶋先生は、最初にキャベツの苗を植え付けるときに 株間をどれほどとるかが重要ですと、紹介されています。
通常、キャベツは株間を30~40cmほど とりますので、サンチュを植えるスペースを作っておくことがポイントです。
キャベツとサンチュの植え付ける割合
キャベツ3~5株に対して、サンチュを1株植えるのが基本です。
アオムシによるキャベツの食害がひどい畑は、キャベツとサンチュを30~40cmの株間で交互に植え付けますと、コンパニオンプランツ効果が強く出ます。
キャベツとサンチュの収穫について
キャベツは球ごと切り取って収穫します。
サンチュは15cmほどに生長した外葉から必要な分をかきとります。
キャベツが畑に植えられている間、サンチュも一緒に育てておくのが害虫を寄せ付けないコツです。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、無農薬でモンシロチョウを撃退するコンパニオンプランツ栽培について、ご案内いたしました。
アレロパシー効果があるキク科の野菜の中で、モンシロチョウは とくにサンチュを苦手としていると言われています。
サンチュは夏の暑さにも強い野菜ですので、残暑が厳しい時期の苗づくりにも強い味方になってくれそうですね。
なお、キャベツのコンパニオンプランツは、サンチュのほかにもありますので、本ページ最後の関連記事をご参考になさってください。
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[参考文献]
木嶋利男著 コンパニオンプランツで野菜づくり (ひと目でわかる図解)(主婦と生活社)