農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、キュウリの後作におすすめの野菜をご案内いたします。
キュウリを栽培した後に、ネギ属の「ニンニク・ラッキョウ・ワケギ・アサツキ」を育てますと、病気にかかりづらくなり、生育が促進する効果があると言われています。
木嶋先生の栽培法は 後作野菜にも効果を発揮しますので、参考になさってください。
キュウリの後作におすすめの野菜「ニンニク」
メリット「病気が発生しにくくなる」
キュウリの根っこは浅く広く広がります。
一般的にキュウリはマルチや敷きわらを利用しますので、収穫が終わって株を抜いて処分した後も、土の中には生に近い有機物が比較的多く残っています。
生の有機物が分解されてできる養分をうまく利用できるのが「ネギの仲間」です。
農学博士の木嶋利男先生によりますと、キュウリは双子葉植物、ニンニクは単子葉植物で、根っこに付く微生物が大きく異なり、続けて栽培しても土の中の病原菌が増えずに少ない状態に保つことが出来るのだそうです。
ニンニクの病気は、乾腐病、春腐病、黒腐菌核病などの土壌病害などがありますが、キュウリの後にニンニクを栽培しますと、これら土壌病害の発生を抑えることが出来ます。
キュウリの後作「ニンニク」の栽培ポイント
ニンニクの品種選び
お住いの地域(寒冷地、暖地)に適した品種を選びます。
キュウリの株の処分と土づくり
8月の上旬~中旬になりますと、キュウリの下葉が枯れて曲がったキュウリになってきます。
このタイミングで株を整理して、キュウリのウネを一度耕して土づくりをします。(ニンニクを植え付ける3週間前が目安です)
キュウリの生育があまり良くなかった場合は、完熟たい肥とぼかし肥、または牛ふんと鶏ふんなどを入れてウネを立てます。
ニンニクの植え付け
ニンニクの種球をばらして1片ごとに植え付けます。
木嶋先生によりますと、薄皮をむいてツルツルしたものを植えますと、発芽が早くなり生育が旺盛になります。
・ニンニクを植える土の深さ 5~8センチ
・条間 30センチ
・株間 10~15センチ
追肥
追肥は2回行います。肥料は米ぬか、ぼかし肥、鶏ふんなどを使います。
2回目 さらに1か月後
摘心
春になると花茎が伸びてきます。何もしなくてもニンニクの生長に影響はありませんが、切って「茎ニンニク」としていただくことが出来ます。
収穫
ニンニクは4月頃に花茎が伸びてきますので、途中で切って「茎ニンニク」として料理にお使いいただけます。
ニンニクの地上部の8割くらいが枯れましたら掘り上げます。晴れの日に収穫しますと傷みづらくなり、長く保存することが出来ます。
葉と根を切って2~3日間 畑で乾燥させたあと、束ねて軒下などの日陰、風通しの良い場所で保管します。
ニンニクの後に、秋どりキュウリも栽培できます!
ニンニクを収穫したあとに、秋どりキュウリを栽培することが出来ます。
ニンニクの根に共生する微生物から出る抗生物質で、キュウリのつる割病などの土壌病害が抑えられるためよく育ちます。
キュウリの後作におすすめの野菜「ラッキョウ・ワケギ・アサツキ」
ニンニクと同様に、9月に植え付けるラッキョウ、ワケギ、アサツキなども後作に適しています。
同じウネに、ニンニクやラッキョウ、ワケギなど いろいろ栽培すると、収穫が楽しみですね。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているキュウリの後作におすすめの野菜をご案内いたしました。
キュウリとニンニクは根っこに付く微生物が大きく異なるため、続けて栽培しても病原菌が増えることはありませんので、ニンニク特有の病気の発生を抑えることが出来るのだそうです。
キュウリの栽培で土に残った有機物を、後作のニンニクが有効に使ってくれる 木嶋先生おすすめのリレー栽培ですので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
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