ショウガと相性が良い2つのコンパニオンプランツと、栽培のポイント・コツをご紹介いたします。
ウネの空間を利用してショウガとコンパニオンプランツを育てますと、生育が促進する効果が高まりますので、単独でショウガを栽培するより収穫量が増えると言われています。
この栽培は、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている方法で、ショウガともう1品目を収穫できるメリットもありますのでご参考にしていただければ幸いです。
ショウガのコンパニオンプランツ「サトイモ」
ショウガとサトイモは生育の条件が似ています。
どちらも栽培期間がほぼ同じで、水分の多い場所を好み、25~30℃ほどの温度で育ちますので、同じウネに植え付けて一緒に栽培することができます。
サトイモの日陰がショウガの生育を促進させる効果
梅雨の高温多湿の時期にサトイモの葉は大きく広がり、周囲に日陰をつくります。
ショウガは、サトイモの葉がつくる日陰で真夏でも土が保湿されてよく育ちます。
競合が起こらずどちらもよく育ちます
農学博士の木嶋利男先生によりますと、サトイモとショウガは根がどちらも横にあまり伸びないため競合しないのだそうです。
またそれぞれを単独で育てるより、どちらも食用部がよく育ちますので収量がアップします。
ショウガとサトイモを一緒に栽培するポイントとコツ
東西ウネにあらかじめサトイモの北側にショウガを植えておきますと、梅雨明けした後の強い日差しがサトイモの葉でガードされてショウガがよく生育します。
南北ウネで育てる場合は、サトイモを単独で植える時と同じ株間にして、その株間に詰め込むかたちでショウガを植え付けます。
東西ウネの例
ウネの幅 70cm、ウネの高さ 15cmを例にします。
・クワの幅で深さ15cmの溝を2列掘ります。
・ショウガを北側に植えます。株間は50cm
・サトイモを南側に植えます。株間は50cm
・ショウガとサトイモの株間は25~30cm
南北ウネの例
ウネの幅 50cm、ウネの高さ 15cmを例にします。
・クワの幅で深さ15cmの溝を1列掘ります。
・サトイモを株間50cmに植えます。
・ショウガはサトイモの株間に植えます。
品種選び
ショウガ、サトイモの品種はなんでもOKです。
土づくり
植え付けの3週間前に、土を耕してウネを立てます。どちらも肥料分が少なくてもよく育ちますが、必要であれば完熟たい肥かぼかし肥(牛ふん、鶏ふんなど)を施します。
植え付け
地域によって前後しますが、植え付けの適期は、4月中旬~5月中旬です。
サトイモ
種イモを植えて、種イモの上に5~7cmほど土を覆います。芽の出る側を下にする「逆さ植え」にしますと、旺盛に育ち収量がさらに増えます。
ショウガ
サトイモの株間に植えます。種ショウガは50g前後に必ず手で折って分けて、3個をまとめて植えます。
追肥、土寄せ
サトイモの茎葉が3枚の頃とその1か月後に、ウネの表面にぼかし肥か、米ぬかを施して軽く混ぜます。
5月下旬~6月中旬に1度目の土寄せを行います。さらに1か月後に、もう一度土寄せをします。
なお逆さ植えの場合は、土寄せの必要はありません。
収穫
ショウガ、サトイモの収穫時期は、霜が降りる11月上旬~中旬です。
ショウガのコンパニオンプランツ「ナス」
ショウガのもう1つのコンパニオンプランツは「ナス」です。
ナスとショウガの栽培期間もだいたい同じですので、同じウネで育てることが出来ます。
ショウガとナスの組み合わせは、生育促進、害虫忌避、病害を防ぐ効果が期待できます。
ナスの空間を有効利用します
ナスを栽培しますと株元にすき間ができますね。その空間にショウガを植えます。
ショウガは夏の強い日差しが苦手で日陰のほうがよく育ちますので、ナスの葉の陰になる場所で育てますと、お互いの生育が促進します。
お互いの特性が生長促進につながります
木嶋先生によりますと、ナスとショウガを一緒に育てると、お互いの生育が促進するのだそうです。
ナスは深根タイプで、土の中に根を伸ばして水分を吸い上げます。
一方でショウガは浅根タイプです。水分を好むショウガはナスが深く根を伸ばすおかげで、水分が吸いやすくなり生長が促進します。
競合はなく収穫量アップ!
ナスとショウガは好む養分が異なりますので競合が起こることがなく、ともに生育が促進して収穫量が増えます。
お互いの害虫を寄せ付けない効果
ショウガは、アワノメイガが付きやすい野菜です。
ナスはアブラムシやハダニのほかに、近縁のフキノメイガの幼虫が付きやすい野菜です。
ショウガとナスに付きやすいメイガは近縁であるものの同種ではないため、お互いを嫌い合う性質があります(別種の害虫は互いを避け合います)。
そのため、ナスにもショウガにもそれぞれの害虫が寄り付くことが少なくなりますので、被害が少なくなります。
病気が発生しにくくなる効果
ショウガの根っこの殺菌効果により、土の中の病原菌が減りますので、病気が発生しにくくなる効果も期待できます。
肥料の過剰障害が少なくなります
木嶋先生によりますと、有機物は分解してアンモニア態窒素から硝酸態窒素へ変化してゆくそうです。
ショウガはアンモニア態窒素、ナスは硝酸態窒素を好みます。ショウガが先にアンモニア態窒素を利用するため、肥料の過剰障害が出にくくなる効果があります。
ショウガとナスを一緒に栽培するポイントとコツ
品種選び
ナス
一般的な品種であれば何でもOKです。接ぎ木苗を使うと強く育ちます。
ショウガ
品種は何でもOKです。
土づくり(例:ウネ幅40cm ウネの高さ20cm)
植え付けの3週間前に完熟たい肥とぼかし肥(または牛ふんと鶏ふん)を施して耕し、ウネを立てます。
植え付け
地域によって前後しますが、4月下旬~5月下旬に、ナスと同時にショウガを植え付けます。
植え付け例
・ナスの株間 60cm
・種ショウガ ナスから10cm離して植え付けます。
・種ショウガは1片50g程度に割って、1か所に3個並べてナスの葉の陰に(株元10cm離して)植え付けます。
・夏に葉ショウガとして収穫する場合は、ナスの株元から離して植え付けましょう。
敷きわらを使いましょう
ショウガとナスは乾燥が苦手ですので、マルチの代わりに敷きわらを敷きましょう。
追肥
ナスの生育のために、半月に1回をメドに土の表面にぼかし肥を施すか、株元に鶏ふんを施します。
収穫
ナス
実が大きくなりすぎる前に収穫します。
ショウガ
霜がおりる前の11月に掘り上げます。同時にナスも片付けましょう。
・ショウガは夏の強い日差しが苦手ですので、ナスの葉の陰に植えましょう。ナスの夏の切り戻し作業(更新剪定=根を切る作業)のタイミングで、葉ショウガを収穫してもかまいません。
まとめ
ショウガのコンパニオンプランツ、「サトイモ」と「ナス」をご紹介いたしました。
2つともショウガと栽培期間がほぼ同じですので、同じウネで育てることが出来ます。
ショウガを単独で育てるよりも双方の生育が促進する効果が期待できる木嶋利男先生オススメの栽培方法です、ご参考になさってください。
【参考文献】
木嶋利男著「育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88 決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり」
野菜づくりBOOK(サポート付 貸農園 シェア畑)
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