サトイモの栽培ポイントについて、ご紹介いたします。
今回ご案内する栽培のポイントは、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている方法で、種イモ選びのコツ、土づくりにおける肥料(元肥)の種類、土寄せをする理由、日照り対策などについてお伝えいたします。
サトイモ栽培のポイント
種イモは「親芋」がおすすめです
農学博士の木嶋利男先生は、親イモを種イモにしますと、質のよいイモを収穫することが出来ます。と、紹介されています。
一般的にサトイモは、子イモを種イモにして栽培されます。
これは、親イモだけが大きいため、ほかの子イモや孫イモとサイズが合わず、除外されることが多いからなのだそうです。
しかしながら実は、親イモは養分の貯蔵部分が多いので、萌芽(=芽がもえ出ること)とその後の生育が早く旺盛に育ち、収穫時期が早くなり質の良いイモをたくさん収穫することが出来ます。
家庭菜園でサトイモづくりに適した場所
サトイモの原種は熱帯アジアの水辺や湿地帯など、水が豊富な樹林帯の中に生えています。
そのためサトイモは水を好む野菜であると想像できますね。
木嶋先生は、家庭菜園でサトイモを栽培する場所は、湿った場所を選んでウネを低めにすると良いでしょう。と、紹介されています。
日当たりについて
サトイモは、半日陰の環境を好みます。
もともと湿地帯の樹林で育っていた野菜ですので、直射日光のような光は必要ありません。
元肥の種類について
サトイモは肥料が多い土ではイモを太らせることができませんので、低い栄養状態の土づくりをするのがポイントです。
ご参考:土づくりに使う肥料の目安
肥料の種類 | 砂質の土の場合 | 中間的な土の場合 | 粘土質の土の場合 |
未熟な牛ふん | 1㎡あたり2kg | 1㎡あたり1kg | 1㎡あたり1kg未満 もしくは耕すだけ |
土づくりの方法
上記の肥料をウネ全体にすきこみます。
サトイモ栽培の追肥について
サトイモ栽培では追肥は行いません。栽培の途中で何度か行う「土寄せ」で、追肥の効果を得ることが出来ます。
サトイモ栽培で土寄せをする理由
土寄せで小イモ・孫イモを付ける
栽培の途中で何度か土寄せをする理由は、小イモ、孫イモをたくさん収穫することが出来るようになるからです。
木嶋先生によりますと、家庭菜園の土はどうしても高い栄養になりがちで、サトイモは茎葉だけが茂ってしまい、イモが大きくならない場合があるのだそうです。
サトイモは低い栄養の低い土で育てますと子孫を残そうとして子イモ、孫イモをたくさんつくります。
サトイモの土寄せのコツ
子イモの芽が地上部に発生しましたら、その葉茎が土の中に埋まるように株元に土を十分に寄せます。
子イモは種イモの上につき、その周りに孫イモが付きますので、土寄せを十分に行いませんと、子イモと孫イモの葉茎が地上部に繁茂し、イモの数は多くなるものの、大きくならなくなります。
子イモと孫イモは小さいため、貯蔵養分が少なく、生育が緩慢で味も落ちます。
夏の日照り対策
イモが肥大する時期に、サトイモは水分を欲しますが、日照りの夏には収量が落ちてしまいます。
その対策として、梅雨明けに ウネにワラや刈草を敷きます。
木嶋先生はこのひと手間で土の湿気を保つことが出来ますので、いいサトイモを収穫することが出来るようになります。と、述べられています。
ワラ・刈草の量
ウネの土が見え隠れする程度の厚さになるように敷きます。
夏の水やりについて
ワラや刈草を敷いておきますと基本的に水やりは必要ありませんが、日照りが続く場合は水やりします。
サトイモは、葉をじょうごのように使って株元に集める習性がありますので、ジョロで水を芽が生えている株元に与えるのがポイントです。
サトイモと一緒に育てると良い野菜
サトイモと同じウネでショウガや夏ダイコンを育てますと、サトイモの大きな葉が影となり、ショウガ・夏ダイコンの生育が促進します。
サトイモとコンパニオンプランツ(共生作物)の栽培につきましては、別のページにてご紹介しておりますので、関連記事を参考になさってください。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、サトイモ栽培のポイントについて、ご案内いたしました。
サトイモはもともと熱帯地方の森林帯で育っている野菜ですので、家庭菜園の露地栽培においては湿気のある場所が適しています。
・子イモ、孫イモをたくさん収穫するために土寄せをしましょう。
・梅雨明けにワラを敷き、日照りと保湿対策を行いましょう。
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[参考文献]
・生育が早く旺盛に育ちます
・収穫時期が早くなります
・質の良いサトイモをたくさん収穫することが出来ます