レモンのコンパニオンプランツを調べてみました。
わが家のレモンの木(プランター)は、新芽が出ると結構な大きさまで葉っぱが大きくなりますが、毎年アオムシや、アゲハ蝶の幼虫らしきムシに食い尽くされてしまいます。
ホームセンターで購入して5年になりましたが、ただの一度も実はおろか花を咲かせたことがないのです。アオムシのせいで。
今年も順調にワサワサ葉っぱが大きくなってきたので、花が咲くのを楽しみにしていたのですが、案の定、葉っぱを見事に食べられ尽くされ、枝だけになってしまいました。
害虫を見つけた場合の最善策は「除去」なのですが、毎日これに注力して暮らすわけにはいかないですね・・・。
農薬や殺虫剤は使いたくありませんので、レモンの木のコンパニオンプランツについて調べていたところ、ある植物をレモンの木に混植すると良いことが分かりました。
ムシを見つけたら除去するという前提で、果たしてこれから挑むコンパニオンプランツに効果があるか、このページでお届けしたいと思います。
レモンの木に付く害虫は?
わが家のレモンの木に付く虫は、アオムシ、アゲハ蝶の幼虫が多いです。
そのほかに、カイガラムシやアブラムシも付きやすいのだそうです。
ムシたちはレモンの新芽が大好きなようで、やわらかい葉っぱをたちまち食い尽くします。
レモンを1個実らせるのに20~30枚ほど葉っぱが必要ですので、若い芽を食べられてしまっては花すら咲かせることが出来ませんね。
レモンの木のコンパニオンプランツは?
農学博士の木嶋利男先生によりますと、かんきつ類には「ナギナタガヤ」「ヘアリーベッチ」がコンパニオンプランツになると書かれています。
どちらも初めて耳にする植物でしたので、それぞれ調べてみました。
ナギナタガヤ
イネ科の一年草で、冬から春にかけて育つ植物です。
50センチほどの高さに成長し、土の乾燥を防ぎ、夏は雑草をおさえてくれます。秋になると枯れますが、そのままにしておくと分解されて土の有機物補給にもなります。
ナギナタガヤを栽培しますと益虫のすみかになりますので、レモンの木(かんきつ類)の病害虫被害を減らす効果があります。
北海道~東北
9月中旬~11月上旬
中間地
9月中旬~10月中旬
暖地
9月下旬~11月上旬
ヘアリーベッチ
マメ科の一年草です。ヨーロッパや西アジアに自生する植物で「ナヨクサフジ」とも呼ばれています。
茎の長さが1.5~2mに達するつる性で、5~8月頃にレンゲのような花が咲きます。
花の蜜を求めてたくさんの益虫が寄ってきますので、害虫退治の効果があります。
またアレロパシーが強く雑草を抑制します。枯れた後そのままにしておきますと、根に共生する根粒菌の働きで、土が肥沃になるメリットがあります。
北海道
5月上旬~6月中旬/7月下旬~10月中旬
東北
4月上旬~5月上旬/9月上旬~10月中旬
中間地
3月上旬~4月上旬/9月中旬~11月上旬
暖地
2月中旬~3月下旬/9月下旬~11月下旬
レモンの木のコンパニオンプランツを植えるポイント
レモンの木のコンパニオンプランツに、ナギナタガヤとヘアリーベッチが有効であることがわかりました。
さっそくタネを買ってレモンの木のプランターにまきたいと考えていますが、それぞれ特徴がありますのでどのように生長するかを知ったうえで、検討する必要がありそうです。
どちらも雑草化しやすいです
ナギナタガヤ、ヘアリーベッチはどちらも雑草化しやすいそうです。
畑などの広い地面に植える場合は伸びっぱなしのままでも良いかもしれませんが、ご自宅の植木鉢やプランターなどでレモンの木を栽培されている場合は、繁殖に気を付けたいですね。
見た目も大事ですね
個人的な見解ですが、ナギナタガヤはシンプルな植物ですので、場合によっては「草が生えている」ように見えてしまうかもしれませんね。
マメ科のヘアリーベッチは、可愛らしい花が咲きますが、ツル性でぐんぐん伸びますので、こちらを選ぶ場合は伸びる空間を確保しておく必要がありそうです。
他のかんきつ類に応用できます
ナギナタガヤとヘアリーベッチは、レモンの木のほかに、次の植物にもコンパニオンプランツとして栽培することが出来ます。
🍑 モモ
🍐 ナシ
🍇 ブルーベリーなど
レモンとコンパニオンプランツの栽培日記(2019年11月~2020年4月)
ヘアリーベッチのタネまき
迷いに迷ってヘアリーベッチのタネを買ってきました。さっそくまいてみます。
ヘアリーベッチのタネを「ばらまき」します。
レモンの木の根っこを傷めないように、土を掘って耕します。
ヘアリーベッチのタネを、パラパラまきます。
土で覆います。だいたい3センチくらい土をかけます。
サポート付き貸農園のシェア畑で、水やりや雨がふったときにタネが流れ出ないように、手のひらでしっかりと鎮圧することが大事と習いました。
種まきをしたあと土が乾いている場合は、水やりをします。
タネが出ないように、目の細かいシャワー状のジョウロがオススメです。
12月発芽
12月も半ばというのに芽が出て伸びてきました。
来年の春にはベッチの花を咲かせてくれるでしょうか。今から楽しみです。
4月開花
4月になりヘアリーベッチの花が咲きました。
道ばたに生えているカラスノエンドウ豆にそっくりですね。
しかし、残念なお知らせがあります。
レモンの木を深い鉢に移植したところ、根が張らずに枯れてしまったのです。上の写真はお亡くなりになったレモンの木です(涙)。
ちかぢか新しいレモンの木を買ってきて、植え付けましたら改めてご報告いたします。
ヘアリーベッチを育ててみた感想
11月にヘアリーベッチのタネをまきましたが(写真はヘアリーベッチとカロライナジャスミンです)、発芽率は非常に高く、プランターを覆うように繁殖しました。
つる性のため、他の植木鉢や植物を巻き込むようになったので、先端を切ったり引き抜いたりしていました。
4月になるとたくさんの花が咲き始め、これがレモンの木に巻き付くように伸びたら益虫のすみかになって害虫を食べてくれたと思うのですが、タネをまき過ぎたため少し管理しづらくなってしまいました。
対策として、タネをたくさんまき過ぎないようにレモンの木に絡みつくように育てると良さそうです。
なお、地植えのレモンの木にヘアリーベッチをコンパニオンプランツにした場合は、問題なく栽培できそうですね。
レモンとコンパニオンプランツの栽培日記(2020年4月~2020年12月)
サイパンレモンを購入
ホームセンターでレモンの木「サイパンレモン」を購入してまいりました。
大きな鉢に移植します。今度は枯れませんように・・・。
育ったヘアリーベッチはマメ科植物で土を肥沃に効果がありますので処分せず、土の中に鋤き込みました。
花が終わり結実しているものを選びました。これが全て大きく成れば嬉しいです。
ヘアリーベッチのたねまき
レモンの木の株元にヘアリーベッチの種を前回より少なめに7~8粒まきました。
種まきの時期より遅くなってしまっているので、発芽するか心配です。
あっという間に発芽しました
ヘアリーベッチの種をまいてから10日でここまで伸びていました(!)
今回は、芽が出ないかしらと半ばあきらめていたのですが、早くも5cmほどの草丈になっていたので驚きました。
ハーブもコンパニオンプランツにしてみます
ハーブも害虫を忌避する効果があると言われていますので、ためしに種をまいてみました。
上の写真に写っている芽は、「ルッコラ」です。
鉢の面積が大きいので「春菊」も植えてみました。
畑で間引きしたものを試しに植え付けてみたところ、根が活着したようです。
2020年5月
5月半ばを過ぎ、レモンの花が満開になりました。
とてもいい香りがします。
今のところ葉っぱが虫に食べられている様子はありません。新芽が出ていないからでしょうか。
レモンの様子
4月に購入した時にはたくさん実が付いていましたが、強風で落ちてしまいました。
生き残ったレモンは直径2cmほどになりました。
ヘアリーベッチの様子
ヘアリーベッチは生命力の強い植物ですね。
あっという間にレモンの木のてっぺんまでツルが絡みつきました。
経験から申し上げますとベッチは旺盛に繁茂しますので、今後いかに伸びてゆくか心配です(笑)。
ルッコラの様子
サブ的に植えたルッコラですが、ひと月でみるみる大きく生長しました。
しかし写真でお分かりのように虫食いがあります。アブラナ科の野菜は害虫被害に悩まされます。
春菊の様子
一方で春菊は、虫食いもなく旺盛に育っています。
キク科の野菜は独特の香りで害虫を寄せ付けない効果があると言われていますが、確かに虫にやられていないようです。
2020年6月
6月になり、ヘアリーベッチのツルが勢いよく伸びレモンの木を覆うようになりました。
種を7~8粒ほどまいただけですが、これほど繁茂します。
レモンの実が何個か付きました。
そして新芽が出てきました。いよいよアゲハ蝶との闘いが始まります。
出来る限り葉の表と裏をひっくり返して、卵が産み付けられていないかチェックしてゆきます。
ハモグリバエの食害
今のところ、キアゲハなどの幼虫に新芽を食害されていませんが、上の写真のように葉に白い筋が付いているのに気が付きました。
調べてみたところ、原因は「ハモグリバエ類(別名 エカキムシ)」の食害によるもののようで、葉っぱごと摘み取りました。(新芽がほとんど食べられてしまっています・・・)
🐞ハモグリバエ類
雑食性のハエの仲間で、様々な野菜に付きます。
成虫が葉肉内に産卵して、ふ化した幼虫がトンネルを掘り進むように葉肉を食害します。
🐞ハモグリバエが付く原因
肥料過多や弱った株、天敵の少ない環境に付きやすくなります。
🐞ハモグリバエを防ぐ方法
肥料過多にならないように気を付けます。野菜を栽培している場合は、目合いが1mm以下の防虫ネットで飛来を防止します。
🐞葉を食害された後の対処法
葉っぱごと摘み取るか、葉の食害痕の先端を見て、幼虫やサナギがいたら指でつぶします。
2020年7月
7月になりました。
お見苦しい鉢になってしまいましたね(苦笑)。
ヘアリーベッチと寄せ植えの植物が伸びに伸びてしまい、著しく美観を損ねましたので、すべての植物を取り除きました。
これでスッキリしました。
しかし、ヘアリーベッチを取り除いてしまったので、コンパニオンプランツもなくなってしまいました(どうしましょう)。
新芽を守らなければなりませんので、次の手を模索しています。
2020年8月
6月と7月の2か月間、すべての新芽がハモグリバエ類(別名 エカキムシ)の食害にあい、春先からずっと付いている古い葉でレモンを育てている状態でした。(食害にあった新芽はちぎって処分していました)
8月になり、あるスプレーを吹きかけてみたところ、ハモグリバエの食害が激減しました。
わが家は害虫よけのスプレーをいろいろ手作りしていますが、今年初めてトマトの葉と茎を煮出した液体をスプレーしてみたところ、二か月も苦しんだハモグリバエの食害から解放されました。
このスプレーは、木嶋先生の著書に書かれているもので、アブラムシや蛾の幼虫を寄せ付けない効果があると言われているものです。
バラの葉に付くアブラムシ除けにも効果がありましたので、トマトを栽培されている方はおためしになってみてください。
8月のある日、大きめのアゲハの幼虫が古い葉に付いているのを発見しました。
ほぼ毎日、新芽に付いていないかチェックしていたのですが、まさか古い葉っぱに付いていたとは。ウカツでした・・・。
さっそく農学博士の木嶋利男先生の「半殺し作戦」で、昆虫寄生菌を増やす方法をこころみました。
アゲハの半身を菜箸でつぶして(キャー!)半殺しにし、レモンの葉っぱの上に置きます。
木嶋先生によりますと、まだ息がある幼虫に昆虫寄生菌が付きますと 植物に広がり、害虫の被害が減ってゆくのだそうです。
2020年10月
10月入り涼しくなってきましたので、ハモグリバエ類の被害もやや少なくなってきました。
今年のレモンは3個なりました。雨風に打たれながら、よく耐えてくれたと思います。
レモンのコンパニオンプランツ栽培は、ヘアリーベッチを刈り取ったあと中断しているため、ヘアリーベッチの害虫忌避効果も実感できないまま、秋になってしまいました。
わが家のレモンはまだ背が低く、ツル性のヘアリーベッチを植木鉢で育てると、レモンの木全体を覆うように生長するため、どうしたものかと悩んでいます。
来年はキク科のコンパニオンプランツ(シュンギクなど)、ハーブ類を株元に植えて試してみようと思います。
お庭で背の高いレモンの木を育てておられる場合は、ヘアリーベッチでも良いかもしれませんね。
レモンの葉っぱにキアゲハの白い卵を見つけるたびに取り除いていましたが、目の届かないところにの幼虫(ずいぶん成長していますね!)を発見しました。
可哀そうな気もしましたが、木嶋先生の半殺しの刑に処させていたただきました。
2020年12月
12月22日。久しぶりの更新です。
レモンの実が黄色くなってきました。
今年 再度購入した苗ですが、収穫することが出来そうです。
2020年12月30日
年末に3つ、収穫しました。
まだ青いものもあったのですが、夫が(勝手に)採りました。
自分で育てたレモンを食べられる日が来るとは。うれしいものですね。
野菜室に入れ、どうやって頂こうかしばらく考えましたが、塩レモンとハチミツレモンを作りました。
レモンとコンパニオンプランツの栽培日記(2021年)
2021年は キアゲハが寄り付かない野菜、ハーブなどを株元に植えて栽培しようと考えております。
内容は随時、更新いたします。
ご参考:カジトラが実践している害虫対策
コンパニオンプンランツ栽培ではありませんが、わが家の害虫対策をご紹介いたします。
トマトの葉と茎で害虫被害を抑える方法
トマトの葉と茎を煮出し、そのエキスをスプレーすると 害虫の被害を抑えられると言われている方法です。
[参考記事]
トマトの葉と茎で害虫被害を抑える方法|煮出したエキスでアブラムシ対策!
害虫を半殺しにする対策
蛾や蝶の幼虫を半殺しにし、瀕死の状態のものを葉の上に置いておく方法です。
いささかグロテスクな害虫対策ではありますが、ためしてみる価値がありそうな方法ですので、ご参考になさってくださいね。
[参考記事]
青虫・アワノメイガ 駆除対策の裏技!農薬を使わず畑の害虫被害を減らす方法
まとめ
レモンのコンパニオンプランツは、ナギナタガヤ・ヘアリーベッチであることが分かりました。
・益虫のすみかになるので病害虫の被害が減ります
・土の乾燥を防ぎます
・枯れた後は分解されて土の有機物の補給になります
わが家のレモンは植木鉢で育てているため、ツル性で旺盛に育つヘアリーベッチはいささか取扱いづらいことが分かりましたが、お庭や畑でレモンを栽培されている方は、ナギナタガヤ、ヘアリーベッチをコンパニオンプランツとして栽培してみられてはいかがでしょうか。
2021年、わが家はキアゲハが嫌う野菜をレモンの株元に植えてみようと考えております。
随時 更新してまいりますので、参考にしていただければ幸いです。
[参考文献]
木嶋利男著「コンパニオンプランツの野菜づくり 育ちがよくなる!病害虫に強くなる!植え合わせワザ88 決定版」
木嶋利男著「農薬に頼らない病虫害対策 (学研ムック 学研趣味の菜園)」
[参考サイト]
★野菜作り初心者の強い味方!サポート付き貸農園「シェア畑」のおすすめ記事★