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雑草をコンパニオンプランツに!草生栽培で病害虫を駆除しましょう。

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「草生栽培(そうせいさいばい)」についてご案内いたします。

家庭菜園で悩ましい雑草ですが、生やしておくと良い草もあることをご存知でしょうか。

雑草は積極的に取らなければならないと思いがちですが、病害虫の予防に効果的な雑草も存在します。

草生栽培は、無農薬で野菜を栽培されている方におすすめしたい方法ですので、参考になさってください。

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コンパニオンプラツを雑草で活用する「草生栽培」

雑草が連作障害の対策に

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雑草を取り除かなければ 野菜に必要な栄養が取られてしまい、害虫も寄ってくると考えていた当方は、真夏の炎天下の中、頑張って草取りに励んでいました。

あるとき、農学博士の木嶋利男先生の著書で、雑草によっては残しておいて良いものがあることを知りました。

例えば、キャベツを同じ土地で長年育ててゆきますと、しだいにハコベやヨメナという雑草が増え、どういうわけか、キャベツは安定して育つようになってゆくのだそうです。

同じ土地で同じ時期に同じ野菜をずっと栽培しつづけますと、根っこから分泌される成分が増え続け、生長が悪くなる「連作障害」が出やすくなります。

ところが木嶋先生は、野菜のそばに生えている雑草を抜き取らずに一緒に育ててゆきますと、不思議なことに連作障害が起こらなくなりますと述べられています。

雑草で害虫を退治するバンカープランツ

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木嶋先生によりますと、雑草と野菜にむらがる害虫は限られています。

雑草にも もちろん害虫が付きます。すると、その害虫を目的に天敵(益虫)がやってきて雑草をすみかとし、野菜を守ってくれるように(害虫を食べてくれる)なります。

つまり、雑草はバンカープランツ(おとり作物)の役割を果たしてくれるのですね。

雑草が身代わりとなり野菜の病気をカバー

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※ うどんこ病にかかったホトケノザ

雑草の驚異的な点は、自分が病気かかり、野菜をカバーするところです。

野菜と雑草を共生(一緒に育てる)させておきます。そして雑草が うどんこ病にかかった時、野菜に感染することはありません。

なぜなら、うどんこ病の菌は種や品種よって種類が異なるため、野菜には感染しないのです。

うどんこ病は、キュウリなどのウリ科に出やすい病気です。水に弱く、乾燥したときに発症しやすい病気です。

草生栽培に有効な雑草一覧

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生やしておくとよい雑草

畑に生やしておくとよい雑草です。

雑草の名前
・シロツメグサ
・ナズナ
・スズメノテッポウ
・アカザ・シロザ
・ハコベ
・ヨモギ
・ホトケノザ
・スベリヒユ
・カタバミ
・オオバコ
出典 木嶋利男著「コンパニオンプランツの野菜づくり」家の光協会

ウリ科と共存「シロツメクサ(マメ科)」

(別称:ツメクサ,オランゲンゲ,クローバー)

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マメ科のシロツメクサは、土を少しずつ肥沃にします。

シロツメサは、自らがうどんこ病にかかりやすく 菌寄生菌のすみかとなりますので、ウリ科のキュウリ・スイカなどが うどんこ病になるのを防ぎます。

また、害虫ヨトウムシの天敵を増やす役割も果たしてくれます。

土の働きが良くなる「ナズナ(アブラナ科)」

(別称:ペンペングザ)

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アブラナ科のナズナは、秋の七草でも知られていますね。

ナズナは田んぼなど、さまざまな場所に生えていますが、弱酸性の比較的肥えた土地(畑)でよく育ち、根の周り(根圏=こんけん)に生息する微生物の働きで、有機物の分解が促進されます。

田んぼでよく見る「スズメノテッポウ(イネ科)」

(別称:スズメノマクラ,ヤリクサ)

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イネ科の雑草 スズメノテッポウは、田んぼに生えているのを見かけますね。

この草は酸性の土に生えやすいのが特長で、メロンとの草生栽培に向いています。(メロンのつるを絡ませながら育ててゆきます)

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わが家は畑の通路に生えているスズメノテッポウは引き抜かず、そのままにしています。

マルチのようなカバー力「アカザとシロザ(アカザ科)」

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昔は食用にもされていたアカザ・シロザです。

コマツナなどのアブラナ科は、コナガやアオムシの幼虫、ヨトウムシ、アブラムシなどの害虫が付きやすい野菜ですが、そばにシロザ(アカザ)が生えていますと、虫よけになります。

アカザ・シロザともに根が深く、群生するためカバープランツになりますが、一年生植物のため長い期間生えることはありません。

 

一年生植物(いちねんせいしょくぶつ)は、種子から発芽して一年以内に生長・開花・結実し、種子を残して枯死する植物です。

マルチ代わり・アブラナ科と相性がよい「ハコベ(ナデシコ科)」

(別称:ハコベラ,アサシラゲ)

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※ トマトのウネにハコベが生えました。草丈が低いので草マルチに最適です。

ハコベは道ばたや田んぼに普通に生えますが、肥えた畑によく見られ、アブラナ科の野菜(キャベツ、白菜など)と相性が良いのが特長です。

ハコベは弱酸性の土によく生え 地面を這うように育ちますので、キャベツなど「マルチの代わり」になり、保湿・保温の役に立ちます。

キャベツを長年連作しますと「極相」の状態になります。

極相(きょくそう)とは、生物群集の遷移の最終段階で見られる平衡状態のことです。

天敵を増やす「ヨモギ(キク科)」

(別名:モチグサ)

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草餅などでお馴染みのヨモギは、他の雑草を抑える働きと、害虫よけの効果があります。

トマトのそばにヨモギが生えていますと、アブラムシ、ハダニ、スリップスの天敵を増やしてくれるバンカープランツになります。

越冬野菜と一緒に「ホトケノザ(シソ科)」

(別称:サンガイグサ,ホトケノツヅレ,カスミソウ)

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ホトケノザは、畑のあぜ道や道ばたに生えている1~2年生の雑草で、キャベツやハクサイなどの越冬野菜との植生栽培に活躍します。

土へのメリットが多い「スベリヒユ(スベリヒユ科)」

(別称:イハイズル)

Portulaca, Oleracea,weed-companionplants

スベリヒユが地表を覆って生えているのを見かけたたことはないでしょうか。

この草は土の保湿の効果があり根っこが地面深くに伸びますので、空気や水分の通りを良くしてくれます。

スイカのウネにスベリヒユを生やしておきますと、みずみずしい実が育ちます。

ハダニの天敵を増やす「カタバミ(カタバミ科)」

(別称:スイモノグサ)

Oxalis, Corniculata,weed-companionplants

クローバーのような葉っぱが特長のカタバミは、庭園や道ばたに生えている多年生草本です。

茎や葉っぱにシュウ酸を含んでいますので酸味があります。

花が咲いた後は実がなり、熟すとたくさんのタネをはじき出して遠くへ飛ばして増えてゆきます。

カタバミはハダニの天敵を増やします。

沖縄ではゴーヤーの草生栽培に近縁のムラサキカタバミや、ヤンバルハコベが使われています。

ブドウのうどんこ病を抑える「オオバコ(オオバコ科)」

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東アジア各地の高地から平地まで、普通に生えている多年草の雑草です。

(子供の頃、友人とオオバコの茎を引っ張り合ってよく遊んでいました。)

オオバコは踏みつけられても丈夫で、再生しやすいのが特長です。

この草は自身がうどんこ病にかかりやすく菌寄生菌が増え、ブドウ棚の下に生やしておきますと、ブドウのうどんこ病を抑えることができます。

草生栽培に有効な雑草で気づいたこと

生やしておくとよい雑草の一つ一つを調べていたところ、野菜と一緒に生やしておくとよい雑草は、「食べられる草」が多いことが分かりました。

それぞれに名前が付いていますので、雑草と呼ぶのは 何だかかわいそうですね。

雑草の名前 食用の有無
 シロツメグサ
 ナズナ
 スズメノテッポウ
 アカザ、シロザ
 ハコベ
 ヨモギ
 ホトケノザ
 スベリヒユ
 カタバミ
 オオバコ

今回ご紹介した中に、「春の七草」のハコベとナズナがあるのが、おわかりになりましたでしょうか。

(春の七草のホトケノザはキク科の「タビラコ」ですので、一覧にあるホトケノザ(シソ科)と異なります。)

それ以外の雑草も、昔は食用とされていたものや、国によっては今でも食べられているものもあります。

今回ご紹介した雑草について、似ている植物との誤食による中毒の恐れがありますので、あくまでもご参考としていただき、食用にされたい場合は、必ず専門機関にご相談のうえ、お召し上がりになってください。

まとめ

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている 雑草をコンパニオンプランツにする「草生栽培」についてご案内いたしました。

草生栽培の働き
♧ 作物の生長を促進させます
♧ 害虫を寄せ付けず、天敵を増やします

雑草は、野菜にとって頼もしい相棒なのですね。

今回ご紹介した雑草が、畑やプランターなどに生えてきましたら、すぐに抜き取らず 一緒に育ててみられてはいかがでしょうか。

[参考文献]

木嶋利男著「コンパニオンプランツの野菜づくり

牧野富太郎著「牧野新日本植物図鑑

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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