農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、トマト栽培の後におすすめの野菜をご案内いたします。
木嶋先生によりますと、トマトはアレロパシー(多感作用)が強い野菜で、株元や周りに雑草が生えにくい性質があります。
前作のトマトの特性を活かし、後作野菜の害虫忌避・生育促進の効果が期待できる栽培をご紹介いたしますので、参考になさってください。
トマトの後作におすすめの「種まき葉物野菜」
木嶋先生が紹介されている、トマトの後作に適している野菜は「種まきをして育てる アブラナ科・キク科・ヒユ科の作物」です。
分類 | トマトの後作に適した野菜(例) |
アブラナ科 | チンゲンサイ |
コマツナ | |
ミズナ | |
カブ、ラディッシュ | |
ルッコラ | |
ダイコン | |
カリフラワー | |
ブロッコリー | |
キク科 | シュンギク |
レタス | |
ヒユ科 | ホウレンソウ |
セリ科 | パクチー(コリアンダー) |
トマトの特性が活かされる害虫忌避効果
チンゲンサイを例に挙げますと、この野菜は ネキリムシ(カブラヤガの幼虫)の被害にあいやすい野菜です。
ネキリムシは昼間 土の中に潜っていますが、夜に地面の上の作物を食害し、野菜を丸ごとダメにしてしまうやっかいな虫です。
木嶋先生によりますと、カブラヤガ(ネキリムシの親)は、野菜や雑草の地際に産卵しますが、どういうわけかトマトにはあまり卵を産み付けることはないのだそうです。
またトマトは、ほかの植物を排除する「アレロパシー(多感作用)」が強い性質があり、株元の周辺にほかの雑草が生えにくいため、カブラヤガは産卵することが出来ません。
その結果、トマトを栽培したあとのウネは、ネキリムシの被害が少なくなります。
トマトの後作野菜「チンゲンサイ」の栽培ポイント
今回は特にネキリムシの被害にあいやすいチンゲンサイの栽培ポイントについてご紹介いたします。
品種選び
チンゲンサイ
品種は何でもOKです。
トマト
後作野菜のために、秋まで育てないことが多い大玉トマトが適しています。
リレー栽培の土づくり(例:ウネ幅70cm 高さ10cm)
地域によって前後しますが、8月上旬~中旬頃にトマトの株の整理をします。
トマトの大きな根っこを取り除いて耕し、ウネを立てます。
前作のトマトの育ちがあまり良くなかった場合は、完熟たい肥とぼかし肥を施しても構いません。
チンゲンサイの種まき
土づくりから3週間以上たった9月上旬~下旬に種をまきます。
※種まきは、地域によって前後します。
間引きと追肥
点まきの場合
チンゲンサイの本葉が1~2枚になったら、間引いて1本立ちにします。
条まきの場合
・本葉1~2枚で株間を5~6cm
・本葉3~4枚で株間10~12cm この時に油かすかぼかし肥を追肥します。
収穫
チンゲンサイの株元が膨らんで厚みが出てきましたら収穫します。種まきしてから55~65日が目安です。
ご参考:トマトの後作「葉物野菜のミックス栽培」で害虫忌避効果アップ!
トマトの後作は、ウネを小分けして、コマツナ、ミズナ、カブ、シュンギク、ホウレンソウなどの種をまいて育てる方法もあります。
アブラナ科(コマツナ、ミズナ、カブ)とキク科(シュンギク)、ヒユ科(ホウレソウ)の混植も、互いがコンパニオンプランツになりますので、害虫を寄せ付けない効果が期待できます。
詳細は、本ページ最後の関連記事を参考になさってください。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているトマトの後作に適した野菜をご案内いたしました。
トマトはアレロパシー(多感作用)が強い野菜で、株元や周りに雑草が生えにくい性質があります。
作物が生えにくいことにより、ネキリムシなどの害虫は卵を産み付けることが出来なくなりますので、後作の葉物野菜の生育が促進されます。
トマトと害虫それぞれの性質を活かしたリレー栽培ですので、参考になさってください。
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